ステージ・ドクター菜々子が熱くなる瞬間

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 133
感想 : 19
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  • Amazon.co.jp ・本 (354ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065170861

作品紹介・あらすじ

ある医療事故をきっかけに都心の大病院を飛び出した女医・菜々子は、兄が経営する東京近郊の個人病院で働き始める。それから間もなく、中学時代の同級生に誘われ地元の市民会館で、ステージに立つ出演者たちの医療サポートを請け負うことになってしまう。最初に担当したのは高齢の噺家。転倒による大腿骨骨折を疑われたが、予定のステージにどうしても立たなければならないという。だが検査の結果、ほかの病気が見つかる。菜々子は彼をステージに立たせてあげられるのか!

感想・レビュー・書評

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  • ★3.5

    ある医療事故をきっかけに都心の大病院を飛び出した女医・菜々子は、
    兄が経営する東京近郊の個人病院で働き始める。
    それから間もなく、中学時代の同級生に誘われ地元の市民会館で、
    ステージに立つ出演者たちの医療サポートを請け負うことになってしまう。
    最初に担当したのは高齢のお笑い芸人。
    転倒による大腿骨骨折を疑われたが、
    予定のステージにどうしても立たなければならないという。
    ほかの病気が見つかる。菜々子は彼をステージに立たせてあげられるのか!


    ・「赤黒あげて、白とらない」
      末期癌のお笑い芸人が、人生最後の演芸会を企画。
    ・「屋根まで飛んで」
      白血病の少年が、音楽発表会に出たくとハンストを。
    ・「転ばぬ先の、その先に」
      玩具メーカー社長が、歩行困難を押して壇上で挨拶を。
    ・「春歌う」
      演歌歌手のコンサート。招待客は全員75歳以上の後期高齢者で。
    ・「届けたい音がある」
      和太鼓サークルのメンバーは、慢性疾患持ちぞろい。
    ・「風呂出で詩へ寝る」
      アルコール依存症で悩む、市民合唱団の指導者は…。

    現役医師である南さんの第三作目。
    今回は市民会館を舞台に出演する素人さんの医療サポートをする
    ステージ・ドクターとして活躍することになった菜々子の6つのお話。
    ステージ・ドクターって初めて知りました。
    そういえば、大物歌手等が医師と看護師を舞台袖に待機してもらっていて、
    注射を打ちながら…というお話は聞いた事がありました。
    小さな市民会館にこんなドクターがいると
    とっても心強いですね。安心ですね。
    菜々子の人柄がとっても素敵。
    夢を叶えたいと願い患者たちの為に熱くなり、寄り添っている。
    どのお話も患者の事を一番に考えていて温かくて優しかった。
    こんなお医者様がいていくれたいいなぁ。
    心からそう思った。
    そういえば、どんな時も曖昧だったりあやふやな言葉しか貰った事がないなぁ…。
    私も菜々子先生に診てもらいたいなぁ。
    きっと南さんが菜々子先生の様なお医者様なんだろうなぁ(*´ `*)

    絶対に良くなるという絶対という言葉はお医者様にはタブーなのですね。
    患者にとってはとてもとても力になる言葉なのに…。
    先生の気持ちって何となく伝わってきますよね。
    先生と患者やその家族との言葉を通しての心からの会話が大切なんだって
    感じさせられました。

  • 小説現代2017年6月号:赤黒あげて、白とらない、10月号:屋根まで飛んで、2018年4月号:転ばぬ先の、その先に、9月号:春歌う、10月号:届けたい音がある、を一部改題、加筆修正し、書き下ろし:風呂出で詩へ寝る、を加えて2019年9月講談社から刊行。都心の大病院から地元の市民会館のステージドクターへ転身した菜々子先生の奮闘ストーリー。興味深く面白いお話でした。

  • 大きな病院を辞めて実家の病院で内科医として勤務する菜々子。演芸やピアノの演奏、スピーチ、コンサート、太鼓などステージに上がらないといけない者に持病がある場合、そのサポートをすることになったという話。

    白血病や糖尿病などの病気にどう対処すべきかというテクニカルなことがとても興味深かった。

  • 身近にこんな先生がいてくれたら、諦めず自分な好きなことにチャレンジし続けられるかもしれない。
    心強いってすごい安心感。

  • ★おすすめコメント★
    読んでいくうちに分かる、“ステージ・ドクター“の意味。菜々子と患者さんたちを描く6つの物語。
    高度な医療だけが最善の治療なのか。患者・医療者・家族…色々な立場から読み直したくなるような一冊です。
    武蔵野大学図書館OPACへ⇒ https://opac.musashino-u.ac.jp/detail?bbid=1000167496

  • 09月-04。3.5点
    系列大病院から、実家の個人病院へ移った女医の主人公、近隣の市民ホールのステージに上がる人達の、介添えを行うことに。連作短編。

    読みやすかった。一人の女医の、成長物語の側面もあり。

  • この様な形で医療に従事しているお医者さんがいることを初めて知りました。

  • 夢を叶える市民のために活躍する話
    天国は空の上にあると思ってた。本当はここが天国だった
    この世はすべて舞台である シェイクスピア

  • 12月新着
    東京大学医学図書館の所蔵情報
    https://opac.dl.itc.u-tokyo.ac.jp/opac/opac_search/?amode=2&kywd=4311487302

  • うまい!魅力的な構成と登場人物。一気読みでした。

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著者プロフィール

1961年徳島県生まれ。日本女子大学卒。出版社勤務を経て、東海大学医学部に学士編入。卒業後、慶応大学病院老年内科などで勤務したのち、スイスへ転居。スイス医療福祉互助会顧問医などを務める。帰国後、都内の高齢者向け病院に内科医として勤務するかたわら『サイレント・ブレス』で作家デビュー。『いのちの停車場』は吉永小百合主演で映画化され話題となった。他の著書に『ヴァイタル・サイン』『ディア・ペイシェント』などがある。


「2022年 『アルツ村』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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