- Amazon.co.jp ・本 (226ページ)
- / ISBN・EAN: 9784065196939
作品紹介・あらすじ
〇あらすじ
ずっとクラスの人気者として生きてきた中学生の佐藤まえみ(通称:サーマ)。父親の異動に伴い、夢の東京生活がはじまった。東京生活になじめなかったのか兄の慈恵(じけい)は突然不登校に。サーマは東京でもうまくやっていけるって信じてたけど、「サーマって、なんていうか……ちょっとしんどい」と、仲良しグループにはじかれて……。
学校に行きたくないけど、両親に心配されるから休みたくもない。
葛藤しながら保健室に向かい、扉に手をかけようとした瞬間。
「ちょっとちょっと、あんたはこっち!」
手招きしてきた不気味な白衣のオバさん・銀山先生に導かれ、いぶかしみながらも保健室の隣の【第二保健室】で休むことに。その地下にあったのは、中学生専門の湯治場「かねやま本館」だったーー。
銀山先生って何者? かねやま本館って何? 温泉には効能が?
「疲れたら、休んでもいいんだ」
かねやま本館で出会う子どもたちとの交流や、温泉での休憩を通し、自分自身の悩みに向き合っていく、心温まる物語。
〇著者紹介
松素めぐり
1985年生まれ。東京都出身(東京都在住)。多摩美術大学美術学部絵画学科卒業。
『保健室経由、かねやま本館。』で第60回講談社児童文学新人賞受賞。
感想・レビュー・書評
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児童書でも大人でも刺さりますね。
学生時代を思い出す…。私もこの時代あったなー。湯治場行きたかったー。
行かないでも素晴らしい友人の良いところを模範として生き直したから良かったけど詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
書架に並んでいるのを見ていて気になっていた。
やっと読んでみた。
悩みを抱える中学生の癒し処、『かねやま本館』、温泉に入って、癒やされたり、自分の心の中を見つめ直したりして元の世界に戻っていく。
面白い発想の、今風のファンタジーというところかな。
ただただ疲れた心を癒してくれるだけでなく、自分の内側もしっかり見つめ直すように持っていくところも面白い。
ここに来る子は中学生だけど、小学校高学年でも十分読めそうだ。
最後に『かねやま分館』が出てきた。
今後の展開が楽しみ。 -
再読。こども(中学生)には休息が必要。それだ、と思わされるテーマでした。なかなか言ってはもらえないその一言が救いになるだろうなと、今の中学生を見ていても、自身の中学時代を振り返っても当てはまるなと思います。
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先が気になり、たぶん本があまり読めない人でも読めてしまう。
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面白かった〜!読みはじめは平坦な感じがするので読みきる気力が要りますが、中盤から五感と心に訴える描写が身に染みてとても良いです。物を隠されるとかケガをする、させてしまうとか、目に見えやすいトラブルばっかりじゃなくなった今の学校の空気をよく描いておられると思います。
文体は読みやすさを重視しておられ、長い文章はありません。展開も文学少年少女にはライトすぎるかもしれませんが、メッセージ性が強いので読んで面白くないことはないんじゃないかな〜。 -
さわやかだった。でもこんなに短期間で元気になれるのは、おうちがちゃんとお話できる場所だからだと思った。保健室のよさや現実がよく捉えられていると思う。
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心まであたたかくなったᐠ( ᐢ ᵕ ᐢ )ᐟ
病院帰りに、温泉行ってみようかなぁ。
病院帰りだと、心と身体ともにリセットした感じがして好き。すぐには帰りたくないし、診察で話したことをゆっくり反芻して、自分の中にとりこむ時間がほしいから。
【効能 】
からし色の湯....傷心
若竹色の湯....受容
霞色の湯....孤独
鳥の子色の湯....嫉妬
鮭色の湯....弱気
今度から、温泉にはいる時はこの色を意識して入ってみたら楽しそう〜
こんなふうに、忘れがちな豊かな心をたまに思い出していたい。
『 いましたよ、私たちは最初からずっと。でもね、見えないんです。霞色のお湯に呼ばれているときは。それまでは、お互いの姿を見ることはけっしてできません。それほど強いものなんです。孤独感というものは。』