- Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
- / ISBN・EAN: 9784065212332
作品紹介・あらすじ
旧家・九重家の娘である茜の母は、自由奔放で幼いころに駆け落ちし、行方不明となっていた。
厳しい祖母(厳密には大叔母)に育てられた彼女は、古い家に嫌気がさし大学入学を機に家を捨てる。
しかし、卒業とともに実家の旧家に帰ることになった。
久しぶりの九重家で待っていたのは、怪しい同居人の男。
彼は、小学校の同級生で、しかも、母と駆け落ちした男の息子だった。
九重家に伝わる伝統的な献立を、卒論研究にするための居候だというが。
捨てられた三人の奇妙な同居生活の行方は……?
感想・レビュー・書評
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2020年10月講談社タイガ刊。書き下ろし。九重家に伝わる家政暦という記録があるのが興味深いですが、お話には、あまり登場しません。旧家である九重家で暮すことになった3人のストーリーは、負な想いの哀しい家族の話が繰り返されるだけで、問題の人も登場のないまま、共感もできず、興味が持てませんでした。残るものはありますが、忘れたいと思います。ちょっと残念。
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とても思わせ振りな台詞が多くて、回収しきれないままに終わってしまいました。でも、この三人なら幸せに暮らせそう。
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伝統料理がとても美味しそうでした。
白川紺子さんの文が本当に好きです。
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カバー買い。美しい。
旧家の年中行事、細かくて手間がかかって、今となってはあまり意味のないこともあるけど、粛々と紡ぐことに意味があるというか。
効率性とか「意味のあること」を重視してると、それは得るものも大きいけど、
そればかりだと大切なことも見過ごしてしまうような。
皆が皆、同じようにせかせか生きなくても。
資本主義社会の無言の圧をふと感じる今日この頃…
昔読んだ新聞記事に書かれていた、「文系」の存在意義を思い出した。
百年も二百年も先の、未来を見据える力。 -
家族って何だろうな。と我が身を振り返ってしまう本だった。
思い返すと昔からの習慣やちょっとしたお作法など、自分の家では結構残っているが、確かに生活様式がかわると、維持することは難しくなって、失われていることもきっとたくさんあるんだろうな。