損料屋見鬼控え 1 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 93
感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065227954

作品紹介・あらすじ

文政元年(1818年)、損料屋(江戸時代のレンタルショップ)巴屋の惣領息子・又十郎は17歳になってからも親から丁稚扱いをされていた。損料屋といえばいちばんの得意先は長屋。長屋から長屋への引っ越しなどではわざわざ家財道具は購入せずレンタルで済ますことが、上方ほどではないにせよ江戸でもそれなりにあった。最初の事件は巴屋の店の入っている長屋だった。大家にヘンな物音がする部屋があるので見てほしいと頼まれてついていくと、部屋の隅に見事な幽霊の姿。もともと霊感らしきものが強いとは自覚していたが、あまりに鮮明なそのお姿に又十郎は腰を抜かしてしまう。これが「事故物件」のなせる業なのか!

感想・レビュー・書評

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  • 【収録作品】第一話 犬張り子/第二話 菖蒲打ち/第三話 朝顔/余話 天音の本音
     幽霊が見える17歳の兄と、幽霊の声が聞こえる10歳の妹(養女)が、町の幽霊騒ぎの解決に駆り出される連作。
     見える・聞こえるだけなので、彼らを頼ってくる大人たちが支えてもくれて、安心して読める。

  • 事件は大きなものではないし、他の部分も結構ふわっとしていて軽い感じ。
    妹思いの又十郎と、まだ幼い天音の兄妹がとても可愛くてよかったです。

  • 損料屋を営む巴屋の跡取り息子、又十郎は幽霊の姿が見える。そして義理の妹天音は幽霊の声が聞こえる。そんな二人の元に幽霊が出て困っている人達から助けてほしいと頼まれるようになる。
    二人の活躍を描いた作品。
    又十郎と天音のコンビが、怖がりながらもなぜ幽霊が化けて出るようになったのかを推測し成仏させてあげる。 
    ほんのり心温まる話。

  • #読了 #損料屋見鬼控え #三國青葉 #読書好きな人と繋がりたい

  • 見える兄と聞こえる妹が、江戸の事故物件に挑む。怖いけれど温かい、霊感時代小説!

  • 新・ご贔屓作家開拓中で手に取る。
    妖怪系でも食べ物系でもチャンバラ系でもない本を探していた。
    幽霊というのでホラーかと思いきや人情ミステリーだった。
    次作もあるので読んでみる。

  • 主人公の又十郎が「幽霊が見える兄と幽霊の声が聞こえる妹」という前情報から勝手に想像していた兄像と大分違っていたのですが、「優しい子」というのは当たっていて、「幽霊の心残りを探って成仏に導く」という、幽霊は出てくるけれどまったく怖くない、仕事疲れにも読みやすいハートウォーミングなシリーズです。

  • 2022.04.06

  • あやかしもので、今まで読んだことがない作品を探していて見つけました。
    時代小説&あやかし、大好物です‼️
    ファンタジーに振り切っていないところも、私は好きです。
    「幽霊」が見える体質の兄と「物に遺された思念」が聞こえる義理の妹のバディ。
    江戸の長家の生活が垣間見えるところも、好きです。
    ちょっと空回りしちゃうけど、真っ直ぐな兄と、無口だけど優しい心根の義理の妹、これからの活躍を見守っていきたいと思える1冊です。

  • 幽霊が見える又十郎と妹で「モノ」に残った声が聞こえる天音。
    思いを残したがために成仏できずにいる幽霊を救う2人がいい。
    義理の妹で、なかなかあんちゃんと呼んでくれない天音を大事に思う又十郎が微笑ましくて。
    両親の平助とお勝もいい。
    1編目の佐吉がろくでなしすぎて頭にきてたんだけど、人って変われるんだなと嬉しくなる。
    「菖蒲打ち」も「朝顔」も、悲しい事件ではあるけれど、最終的には救われるのにほっとする。
    そして、余話がとても嬉しい。
    きっと、もう一息だね、天音。
    次巻が待ち遠しい。

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著者プロフィール

兵庫県生まれ。お茶の水女子大学大学院理学研究科修士課程修了。2012年「朝の容花」で第24回日本ファンタジーノベル大賞優秀賞を受賞し、『かおばな憑依帖』と改題してデビュー(文庫で『かおばな剣士妖夏伝 人の恋路を邪魔する怨霊』に改題)。幽霊が見える兄と聞こえる妹の話を描いた『損料屋見鬼控え』は霊感のある兄妹の姿が感動を呼んで話題になった。その他の著書に『忍びのかすていら』『学園ゴーストバスターズ』『学園ゴーストバスターズ 夏のおもいで』『黒猫の夜におやすみ 神戸元町レンタルキャット事件帖』 『心花堂手習ごよみ』などがある。

「2023年 『福猫屋 お佐和のねこわずらい(仮)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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