家族セッション

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 91
感想 : 12
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  • Amazon.co.jp ・本 (242ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065239704

作品紹介・あらすじ

普通の家庭に育った千鈴、お嬢様育ちの姫乃、シングルファーザー家庭の菜種。中1に進学する春、3人はそれぞれの親から、「赤ちゃんのときにすり替えられていた。」という衝撃の事実を知らされる。
それぞれの家へホームステイをしながら、3人はそれぞれの思いを抱え、悩み、葛藤する。
ほんとうの家族とは何か、真の愛情とは--。運命に翻弄されながらも、3人は新しい一歩を踏み出していく。

小学上級・中学から

感想・レビュー・書評

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  • この小説と同じような状況が、うちの子に起こったらどうだろう。
    「じつは、悪意ある取り違えで、血はつながっていません」みたいな。

    短期間の居心地悪さみたいのはあるかもしれない。
    でも、「じゃあ本来の血筋の家に戻そう」は、ならないかな。
    DNAがなんだ。大事なのは思いだ。
    思いを大切にしないで血を絶対視するから、親子間の残酷な事件が起こるのだと思う。
    血にかまけて、感情を蔑ろにするから。

    だから、物語の親たちの考えや行動は、仮説として楽しんだ。
    仮説を提示されれば、今あることと比べて考えることができる。

  • 子供は結末に納得にがいかなかった様ですが、親の立場では同じ様にするだろうなと思いました。
    重いテーマなのに軽いタッチでさくさくと読めました。子供向けなんだろうな。映画化したら面白そう。

  • 軽い会話がたくさんあって、ずっしりと重いテーマを重くなりすぎず、よく描かれています。
    思っていたのとは違う結末だったけど、こういう家族のつながりもいいなと思えた。
    ハッピーエンドなのに、泣きたい気持ちになった。
    この終わり方、いいなと思いながらもやもやも残る。たぶんいい意味で。
    自分の親も含めて、もっと複数の大人の中で育つことって、思春期には大切なことなんだと思う。
    ただ、育ての親から13才で自立してしまうってどうだろう?
    早すぎる気もするし、そうでもない気もする。
    問題提起をされた気がしている。

  • 中学入学前の春休みに自身は両親の実の子供ではなく、産院での取り違えが判明した少女3人。ふたりの取り違えはフィクションではよくあるけれど、3人というのはあまり見ない。最終的に、血のつながった家族のもとで暮らすことになるけれど、せつない。この後どうなるんだろうか。

  • 産院での赤ん坊入替えにより、生みの親とは異なった環境で育った同級生3人。家族も本人も様々な葛藤を抱えながら、少しづつ変化していく関係生。
    親の立場としても子どもの立場としても、胸がはりさけそうになる。
    一読しての結末は私には受け入れ難いが、その気持ちを登場人物は時間をかけて、受け入れて行くのだろう。余韻が残る一冊。

  • 小学校高学年向け。子どもの気持ちがわかる。

  •  中学入学を迎えた3人の少女に、実は産まれた時に取り違えられていた、とのショッキングな事実が打ち明けられた。
     3家族の大人たちは悩み相談し、3人をそれぞれ血縁関係のある家族と交流させることにした。



     こうなる?

  • 赤ちゃん時代に三人の女の子を取り違えて元の家族に戻す話。フィクションです。
    出てくる人がみんないい人で救われた感じがした。
    実際はこんなにクリーンではないはず

  • 中学受験におすすめされていた一冊。13年前産婦人科で赤子のすり替えが起き、3家族がその犠牲に。
    13歳の、しかも同級生で知り合いの子が入れ違いに。知り合いの両親が本当の両親だとわかった心境、ホームステイであるべき家族と過ごす時間の描写、最後の和解まで、フィクションとは言え悲しみが多く描かれていた。小5の娘にも読ませて、感想を話し合ってみたいな。

  • こういう結末が現実的なのか、フィクション的なものなのか分からず落ち着かなかった。丁寧に3人の気持ちの変化が描かれているけど、やっぱり悲しいなと思ってしまった。13歳の時の自分が読んだら違う感想を持つかもしれない。

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著者プロフィール

辻みゆき
新潟県生まれ、千葉県育ち。いて座のO型。著書に『あの日、そらですきをみつけた』(小学館ジュニア文庫)、『家族セッション』(講談社)、ノベライズ作品に「小説 ゆずのどうぶつカルテ」(講談社青い鳥文庫)シリーズがある。

「2023年 『鈴の音が聞こえる はじめての恋』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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