- Amazon.co.jp ・本 (464ページ)
- / ISBN・EAN: 9784065245859
作品紹介・あらすじ
終活なんて一切しない。それより今を楽しまなきゃ。
78歳の忍ハナは、60代まではまったく身の回りをかまわなかった。だがある日、実年齢より上に見られて目が覚める。「人は中身よりまず外見を磨かねば」と。仲のいい夫と経営してきた酒屋は息子夫婦に譲っているが、問題は息子の嫁である。自分に手をかけず、貧乏くさくて人前に出せたものではない。それだけが不満の幸せな老後だ。ところが夫が倒れたことから、思いがけない裏を知ることになる――。
「定年」小説『終わった人』に続いて30万部超の大ベストセラーとなった人生100年時代の痛快「終活」小説!
<読者からの声>
2年前に手術を受け、以後は家の中での生活です。何事にも意欲が失せ『すぐ死ぬんだから』状態でしたが、この本に出会って100歳までの人生を考えています。(70代・男性)
『終わった人』も面白かったですが、こちらも一気に読んでしまいました。毒舌が心地よかったです。(50代・女性)
1ページ目から痛快で息も継げませんでした。(70代・女性)
もうすぐ定年ですが、新しい人生への希望と勇気をいただきました。(60代・男性)
つい最近80代になりもう物欲はなしにしようと思っていましたが、本書でますます元気になり明日もショッピングに行こうと考えています。(80代・女性)
ものの見方に光がさしたように感じます。くすんでいる私のはげみになりました。(50代・女性)
重ねた歳は戻せない。でも見た目は変えられる。今日から自分磨きをしよう。(60代・女性)
こんなに楽しい本は久し振りです。(70代・女性)
身につまされるが文句なく面白い!(70代・男性)
感想・レビュー・書評
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表紙もタイトルもインパクト大!
なぜかですね、私の家の積読本として2年くらいいたわけなのですが、どこでなんの理由で購入したかも忘れてしまい、透明のパッケージに入ったまま保管されてました。
78歳の強い女性のお話。
心の中でのツッコミ台詞にスカッとさせらりたりしますが、これでもかーと言うくらい言い合いシーンとかは逆に疲れた(^◇^;)
良い夫で良い夫婦微笑ましく進む中、途中から、ん?あれ?え?と思いがけない展開に。ここらへんは予想外で面白かった。
『色んなことが赦せるようになると、赦した数だけ、自分の身から怒りや恨みのストレスや、色んなこだわりが剥がれ落ちる。これは何という解放感だろう』
この文章には、なるほど!!!
てか、ストレスという単語を知り、使うようになったのは何歳頃からなんだろうか……。
ストレスってなんなんだろう、、、?
放っておくのが1番!ってところも響いたかな♪詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
長い人生の上で
【絶対に許せない事】にどう向き合うか?
がテーマなのかな…自分も今年で44だし、動物好きなので自分やペットの余生を考える習慣が元からあるが…
自分は基本 恨まないし、割り切る性格してるんですが
親戚に対し絶対に許せない事があるが…この主人公のように対応出来るだろうか…まぁ内容はこの本より全然重いんですが(笑)
昔ですが
ちなみに内館牧子さんは、自分話しかけた事があり
プロレス観戦に来てて内館さんは【横綱協会】の関係もあり、プロレスデビューしてた曙さんを見に来ていた
曙は気づいてキッチリお辞儀をし…内館さんは母親のような目で曙さんを見てました
ロビーを歩く内舘さんは回りに5人くらい記者が囲い、同時に歩きながら質問に答えてて
俺は【内舘さんいつも読んでます!!】と伝えたら
一瞬歩みを止めて微笑みながら会釈してくれたなぁ…
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ベルゴさんへ
明けましておめでとうございます。
新年早々、内舘さんにまつわるすてきなエピソードを読んで、心が和みました。お互いに敬意をもつ...ベルゴさんへ
明けましておめでとうございます。
新年早々、内舘さんにまつわるすてきなエピソードを読んで、心が和みました。お互いに敬意をもつ人同士のすてきな関係、って見ていて清々しい…とおもいます。2023/01/03
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面白かった。本作で内館さんの現時点で出ている「高齢者小説」をコンプリート。まだまだ読みたいが、新作を気長に待ちたい。
主人公は78歳の強気でおしゃれな女性「忍ハナ」。冒頭は世の中や周りの同年代に悪態をつく気の強い人という印象が続いていたが、夫が亡くなった後の急展開が面白く、ハナの心境の変化や、物事の展開が、リアルで良かった。年齢関係なく、人は執着を手放し肩の力を自然に抜くことができると、良い方向へいくのだなぁとつくづく感じた。私も年代は異なるが、気持ちを新たにやっていきたい。あとがきは『おらおらでひとりいぐも』の若竹千佐子さん。 -
自分磨きに余念のない主人公・忍ハナ(78)の、夫婦と親子の日常・非日常が描かれた物語。美しく、若く魅せるために、自分自身に手を掛ける姿に脱帽。不倫相手親子への応対も『大人』の行動だと思った。
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【自由研究】人はなぜ老いるのか?(序文)
《「人は中身よ」という女にろくな者はいない。》本書より
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人は誰でも老いますが、その過ごし方は様々です。受け入れる人、抗う人、「すぐ死ぬんだから」と放棄する人…。
最近〈老化〉に興味があり読んでみました。果たして美しく老いるとはどういうことなのでしょうか?
本書は、夫の死後に隠し事が発覚し…という物語ですが、冒頭のように金言?も多数あり面白かったです。
《あとがき》で著者は、単に若作りするのではなく、かといって自分を放棄するのでもない、老いを受け入れ自分を〈慈しむ〉こと。それが〈品格のある衰退〉と言っています。「すぐ死ぬんだから」は高齢者の免罪符ではない!と。
逆に言えば〈すぐ死ぬからこそ〉晩節を全うしましょう、と言いたいのかもしれません。
品格のある衰退。
できるかどうかわかりませんが、覚えておきたい言葉です。 -
ようやく文庫になった!
ずっと待ってました。
平積みされてたのを見つけ、嬉しくて速攻レジに。
主人公がとにかく魅力的でした。
私の母もお洒落なので多少重ねつつ、私もこんな考え方をする人間になりたいと思いながら読みました。主人公の周りも、良い意味で泥臭くて、あぁ、変に気取って、気負って、生きなくても良いんだあと感じさせてくれた。生きてれば色々あるよ。そして大抵のことは放っておけばどうにかなるw
捻くれ者の私も少し前向きになれる本でした。 -
著者のことは、ワイドショーなどで見て、知っていましたが、正直、あまりいい印象はありませんでした。
今回、初めて著者の本を読んだら、めちゃくちゃ面白かったです。
登場人物が生き生きしていて、ストーリーも面白く、言葉に力を感じました。
グイグイ読めるので、ぜひぜひ読んでみて下さい。 -
途中までは面白かった。
読ませるストーリー展開をつくる作者さんだと思う。
謎解きっぽさというか、ちょっとしたミステリー的な風味がある。
人物描写に関しても、俗っぽくて、好きな人にはたまらないだろうなぁ…という感じ。
ただ、「えっ、これで終わり?!」という読後感は否めない。
自分はてっきり、主人公のハナさんが改心するストーリーかと思っていた。
自分にも他人にも厳しいハナさんが、あの事件をきっかけに、自身を省みる…みたいな。
でもそんなことはなく、終始意地悪バアサンで終わっていく。
終盤では「菩薩っぽくなってきた」なんて描写されるハナさん。
でもそれって、最後まで自分が優位に立っていたからだよね?要はマンティングする側の余裕。
自分が一番ありえない!と思ったのは、岩太郎からの悩み相談。
こんな意地悪ばあさんに相談するわけ無いでしょw と苦笑しながら読んだ。
結局、そういう読者層に向けた作風なんだろうなと思った。
溜飲を下げたい老人が読んでいて気持ちよくなるフィクション、という評価になる。
内館牧子さんのことはもちろん知っていたけど、こんな作風の人だったの?
一応、あと一冊、終わった人くらいは読んでみようと思うけど…。 -
オーディオブックで聴き放題対象だったため聴いた。内館牧子さん3作目。
面白かった。ナレーターさんの声がとても合っていて、映像を観ているかのように頭に浮かんできた。
私はこういう主人公の性格、好感が持てる。
同窓会で会った友人たちや息子の嫁のことを、心の中ではボロクソに言っていても、言葉では傷つけるようなことは言わず上品なマダムで通すところも、好き。
岩造は、42年間も愛人の存在を隠し通してきたのに、死後に遺書で妻を傷付けるようなことをわざわざ暴露するなんて、バカなの?多額の遺産を残すならまだしも、「要らなくなったらちょうだいね」と軽く言った程度の掛軸のために?意味わかんない。
ハナは夫を失っても、息子や娘や優しい孫たちに囲まれて、幸せ者だと思う。孤独なんかじゃない。
最後は菩薩のように何でも許せてしまうようになるっていうのも、とても良かった。恨みにもやめ時がある。穏やかな衰退。
酒屋のママという仕事を得て、これからも元気で頑張って欲しいと思った。 -
78歳の忍ハナの凹みと出発の物語。最後は自分自身が主体ってことかなー、夫は思い出はあるけれど関係なくなってくるか・・ 最後はハナに、ひるむな、と応援している。
昭和14年、両国で大工だった父が起こした土建屋の娘として生まれ、昭和37年23歳、麻布で大正時代から酒屋を営む三代目の2歳上の夫・忍岩男と、すでに「両親がいない」という好条件もあり、当時は両国からみるとド田舎の麻布にやってきた。そして今年78歳になった。昭和30年代から50年代始めまでは面白いほど繁盛した。うんうん、町の小売店ってそうだな。酒屋と二人の子供の子育てと必死になってやってきたが、2年前に店は息子にまかせ、いまは二人で店から徒歩3分のところのマンション暮らしだ。夫は折り紙が趣味で、「おれはハナと結婚してよかったよ」と口癖のように今でも言うのだ。・・ここが後半の伏線だったんだなあ・・
と、こういう環境のハナなのだが、外見に気を使うようになったのは10年前、60代最後のクラス会に行って、変わり果てた級友の姿を見てからだった。
「今度生まれてきたら」「終わった人」の順に読んできたが、これも同じく起承転結、ずんずんと物語は進む。そして転のところで、またまたアッと驚く展開が2つ立て続けに起こる。そしてやはり「陽」の内館氏なので、前に道をつける。
「今度生まれてきたら」の3年前に書かれたものなのだが、「転」の部分の展開は形は違ってもほぼ同じ出来事。内館氏、基本には男性不信がありますか? そしてそんな男はポイよ、という妻を書いている。 また、この78歳のハマも巷の老年観、生きがいをみつけよ、なんていう人生訓には反感を覚えている。この「すぐ死ぬんだから」を発展させ、ズバリと老年心理を書いたのが「今度生まれてきたら」なのかな、と感じた。
また内館氏は基本、血縁にはプラス指向?。この老年3部作では、老夫婦の子供や、妻の姉妹、従兄、そして孫もよく家にやってきて交流し会話をかわす。まあそれが物語の進展と作者の言いたいことの道具ではあるのだが、姉妹のつがなりは一人っ子である自分には理解できない世界だし、孫も祖父母のところにこうも行くのかな?
小説現代2017.2月号~2018.3月号に連載。内館氏が69歳の時。あとがきでは、「本書は八十歳を間近にした女性主人公をめぐる、外見に関する物語である」とあった。
2018.8.21第1刷 図書館