考えて、考えて、考える

  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (218ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065250402

作品紹介・あらすじ

藤井聡太、初の対談本で自らの19年間を語る。
異次元の天才棋士と「死ぬまで努力」の名経営者、同郷の異色の対談で語られる学び方、心の整え方。
勝つ楽しさ、負ける悔しさを知って強くなった少年時代。
悔しさを乗り越え、負けをとことん分析することで、さらに強くなっていった奨励会時代。
将棋に出会った幼少期から、学校に行くことの意味を考えながら通った高校時代、趣味の話、コロナ禍での日常生活、
将棋ソフトの使い方、ふだんの研究方法、対局時の心構え、棋士になって変わったこと、これからの目標・・・・・。
14歳2ヵ月で最年少棋士となって以来、次々と最年少記録を塗り替え、驚異的な勝率で勝ち続ける19歳の強さの源が見えてくる。

感想・レビュー・書評

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  • 対談者から「織田信長、豊臣秀吉、徳川家康の三人のうちだと誰が好きか」と問われ、藤井さんは信長と答えておられたのが意外だった。
    (いや、お前が藤井さんの一体何を知っているんだよ、と私自身にツッコミを入れつつなのだが…。)
    ちなみに、歳の離れた友人とおっしゃる対談者も「意外」とおっしゃっている。

    「信長は、チャレンジ精神や積極性がある人物だと思うからです。自分も常識にとらわれず将棋に向かっていく、革新的なところを大事にしていきたいと思っているんです」(156ページ)とのこと。

  • 年齢の大きく離れた友人としての二人の対談は、予想通り丹羽さんのリードがありつつ、進んでいきます(笑)

    この対談が2021年のどの時期に行われたのかは分からないのだけれど、とりあえず多忙な藤井二冠のお話が色々聞けただけでも、満足……。

    丹羽さんの示すトップの条件3つ。
    負けず嫌い、忘れる力、孤独の力。

    特に孤独の力について、盤上の世界と向き合うにあたって、棋士は孤独を感じているものなのか?
    と疑問に思っていたので、知りたかった。

    藤井二冠の答えとしては、羽生先生を挙げて、自分自身と向き合って真摯に自分を磨いている、と話し、孤独でも一人で考え抜くことや自分を信じて指すことの意味について触れている。

    名局は相手があって生まれるものと言われるから、そこには「対局者」の存在が大きいのかなぁと思っていたけど。
    確かに、藤井二冠が背負っているものの大きさ、そのことをプロとして、受け止めていることのすごさを考えると、羽生先生的孤独を知る一人なんだろうなぁとも思う。

    モチベーションの保ち方については、頑張れば勝てるかもしれない相手との勝負、という、なんだかヴィゴツキー的回答が面白くて印象的だった。

    丹羽さんの、経営者としてトップに立ってきた人が語るお話も、色んな人が登場して面白い。
    それだけ、多くの人を見つめてきた方なんだなと思わされる。

  • 63歳も離れているが友人と呼び合う、藤井聡太さんと丹羽宇一郎さんの対談。
    棋士として企業人として共通しているのは、どんなときにも純粋にかつ自然体でものごとにあたる「困難を乗り越える」精神力、心の強さを備えていることだと思います。
    それを磨くことによって、藤井聡太さんは若くして自分なりの哲学、人生観を持っているかのように見えますし、丹羽宇一郎さんにとっていまだにそれに挑戦されてることは、若さへの秘訣と思えます。

    気になった言葉
    丹羽さんが長年、経営者を務めてきたなかで考えた、「トップの条件」とは、「負けず嫌い、反骨心」「忘れる心」「孤独の力」。
    谷川浩司さんが思う、将棋の棋士の三つの側面とは「研究者」「勝負師」「芸術家」。(丹羽)
    将来思い通りの人生を歩む資質とは「真面目」>「自制心」>「頭の良さ」(丹羽)
    人と人との間にある「雰囲気」が大事。(辻井信行さんの母の言葉)
    これからの時代、日本人は「縦」ばかりでなく「横」を向きなさい。(丹羽)
    常に、好奇心と探求心を持って、「死ぬまで努力」(丹羽)

  • 大手商社社長として辣腕を揮った丹羽宇一郎と、世紀の天才棋士・藤井聡太の対談集。と言っても、主に質問するのは丹羽氏で、丹羽氏による藤井五冠へのインタビューという方が近い。

    藤井五冠の謙虚さ飾らない正直さがよく伝わり、ちょっと真面目すぎて面白みがないほどだけど、好感が持てる。丹羽氏が60歳以上歳下の藤井五冠を一番歳の離れた友人と語り、君付けではなく「藤井さん」と呼んでいるのもとてもいい感じ。やはり人間、歳上だから上なのでも経営者だからエライのでもなく、敬意を払うべき人にはそれを示すのがあるべき姿だなと思う。

  • プロ棋士の藤井聡太氏と伊藤忠商事の名誉理事である丹羽宇一郎氏の2人が藤井プロの将棋の話を中心とした対談をまとめた一冊。

    プロ棋士になるまでの道のりや将棋の世界のことなどを藤井プロと丹羽氏の対談から知ることができました。
    幼少期は負けず嫌いであったことや普段から将棋の研究を怠らないことが多くの史上最年少記録を更新する藤井プロの原動力になっていると感じました。
    そして、プロになってからの将棋の向き合い方や自信が得意とする詰将棋と対人の対局との違いや強くなるためのAIの使い方や他の棋士とのエピソードなども知ることができました。
    将棋のことだけでなくプロになってからの心境の変化や食事や読書などプライベートから趣味まで様々な藤井プロのことが深掘りされていて人間性も深く知ることができました。
    また学生生活のことや得意教科などの話もあり棋士としてではなく学生と棋士の両立の大変さや将棋と学問のつながりなども知ることができました。

    史上最年少でプロとなり注目を集め将棋人気の中心として挙げられる藤井プロの人となりや将棋に対する姿勢を本書で存分に知ることができました。
    本書を読んで将棋の魅力を感じるだけでなく世界的にも人気が高まって欲しいとも感じた一冊でした。

  • 瀬戸市の隣に住み、瀬戸市でずっと働いていた私。
    瀬戸市の誇りだった藤井くんがすっかり全国区になって嬉しい。

    本書の内容のうち、藤井くんの言葉は地元では何度も紹介されてきたことが多く、目新しかったのは小学校低学年の頃は学校の図書室でゾロリシリーズを借りて読んでいたということ(笑)
    個人的には、丹羽さんの言葉が胸に響きました。

    藤井くんの集中力は生まれつきなんだろうなあ。

    ピークは20代後半だと言っているけれど、できるだけ長く活躍してほしいです。

  • この本を手に取る人のほとんどは、藤井聡太さんに興味があったことが読むきっかけになると思います。

    偉人が偉人と対談した本は、お互いが尊敬しあっていること、仲が良いことも必要かもしれませんが、実際は、そこで「なかなか聞けないこと」がどれだけ話されているかが読む価値を決めると思います。

    年配の偉人さんは、えてして話の中に自分のエピソードを入れて話がちなところがあるように思います。そして、そちらの方に新たな興味のある読者は、とても少ないはず。

    かつて羽生さんが世に出たとき、さまざまな方がこうした対談をしていたと思いますが、コンピュータで棋譜を管理していることに感嘆しながら、実際はその意味を分かっていた人は少なかったと思います。

    残念ながら、Z世代の偉人に、その上の世代がZ世代の特徴を語っているところなどは、違和感を感じずにはいられません。もっと、聞き出せることがあるだろうに、と残念に感じます。

    藤井さんの偉大さは、だれがどんな話をしても際立つことでしょう。それが藤井さんのお祖母様が与えたきっかけから始まったことが、この本の一番の発見だったように思います。

  • 将棋知らない興味なくても
    ぜひ若者に読んで欲しい
    これからの世界を作っていく
    若者に‼️

  • 教科書に載せて欲しいぐらい最高に素晴らしかった。

  • 感想
    思考に限界はない。後から考えたら気づけた。そんな場面では材料は揃っている。自分で限界を作っていた。足りないのは。諦めない心。

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著者プロフィール

2002年生まれ。2012年、6級で杉本八段門。2016年四段、2020年八段。
史上最年少で四段となり、さらにデビューから無傷の29連勝を達成。
2020年7月、史上最年少タイトルとなる棋聖位を獲得。同年8月、王位を獲得し史上最年少で八段昇段。

「2021年 『イメージと読みの将棋観ファイナル』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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