歴史学者という病 (講談社現代新書)

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  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065260975

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  • 東2法経図・6F開架:B1/2/2670/K

  • 289.1||Ho

  • <目次>
    はじめに
    第1章  「無用者」にあこがれて
    第2章  「大好きな歴史」との訣別
    第3章  ホラ吹きと実証主義
    第4章  歴史学者になるということ
    おわりに

    <内容>
    歴史学者・本郷和人の半生記。彼は近年やたらと教養書を書いている(一方で研究書は少ない、というかかなり少ない)。まあ、東大教授と言っても史料編纂所の教授なので、通常の学者とは少し違うのだろうが、異端と言ってよい。「なんで?」という疑問も含めて読んでみた。自分も歴史好きから文学部史学科に入った口なので、大学入学時の話はうなずけた。彼はとても優秀な感じなので、そこを乗り越えられたわけだが、今の異端の位置に就くまでの過程も面白かった。学界の様子も垣間見られ、どこも役立たずがのさばっている様子が分かった。その職場で生きていくに必要な能力のある者は少なく、意外とそういう人がその職場を引っ張ることもない。彼のような強心臓?ならば、意に関せず(たぶん結構のストレスだと思うが)に我が道を行けるのだろうが…。歴史学界の「実証主義」の行き過ぎ(むろんきちんとした史料の読み解きは必須なのだが、そこから先が「歴史」なのだと自分も思う)の弊害を説いている。こうした本を書かざろうえないところに、歴史学界のみならず、日本全体の衰退が感じられた。

  • 本郷さんの gacco での講義を受講した事があり、それからの気になる方でした。歴史の真実は深いのだなぁと、その時思いました。その時の論調があり、楽しく読めました!

  • 学問的な新書ではないから、こんなことを言うのもどうかと思うが、オビのような要約は果たして意味があるのだろうか。これは「奥も闇も深い」ことを支えているのか?
     
     史学の学者の回想記といえば良いのだろうが、できれば最後に示されている3点について、新たな新書を一冊と望む。
     ①「一つの国家としての日本」は本当だろうか。
     ②実証への疑念
     ③唯物史観を超えていく

     第四章が一番学ぶところが大きい。 
     調べることと、考えることは違うということも再認識する。

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著者プロフィール

1960年、東京都生まれ。1983年、東京大学文学部卒業。1988年、同大学院人文科学研究科博士課程単位取得退学。同年、東京大学史料編纂所に入所、『大日本史料』第5編の編纂にあたる。東京大学大学院情報学環准教授を経て、東京大学史料編纂所教授。専門は中世政治史。著書に『東大教授がおしえる やばい日本史』『新・中世王権論』『壬申の乱と関ヶ原の戦い』『上皇の日本史』『承久の乱』『世襲の日本史』『権力の日本史』『空白の日本史』など。

「2020年 『日本史でたどるニッポン』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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