裏家電

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 211
感想 : 21
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  • Amazon.co.jp ・本 (282ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065268728

作品紹介・あらすじ

高校生の萌絵の将来の夢は、父とともに働き、実家の「トージョー電器」を大きくすることだった。
だが、父が病気を患い、お店を閉じることになってしまった。
「トージョー電器」を立て直すためには、私が力を付ければよいのではないか。
「お客様満足度業界ナンバー1」が売りの全国チェーン・R電器に入社するが、この電器屋、何かがおかしいーー

電器屋を舞台に起こる事件と衝撃の真実。
「福ミス」受賞作家、新境地の1作!

感想・レビュー・書評

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  • これは実話を元に描くお仕事ミステリー!だそうで。帯にありましたが、一体どこまでがですか!!と突っ込みたくなるくらい、共感したり同情したりムカついたりしながら読みました。
    面白かった!が、これは大半が脚色されていてほしい。
    ところどころ、読点少し多いなと思ったけど、全体的に読みやすく、展開も気になって一気読みでした。

    舞台は北海道の家電量販店。1人の女の子が主人公か…と思いきや、視点が変わっていろんなものが見えていきます。
    どの辺がミステリーになるのかなー?と思いつつ結構進みますが、ただの家電量販店のお話で終わるわけがなかった。すっかりミステリーって単語に釣られて読んでいたことを忘れていた頃に展開が大きく動いて納得の終わり。スッキリ。

    もう一度読み返したい本が増えました。

  • 家電量販店の裏側、ものすごく大変だなぁと。
    萌絵の接客はすごくいいけど、組織の中では受け入れられないし、こういう新人がいたら歯痒い思いをしそう…。
    でも最後は水上にとっても萌絵にとってもハッピーエンドで終わってよかった。

  • あああああああ萌絵の接客あかんやつーー!!とエクセルの使い方を教わりに通ってくるお客様への接客を見て胸が痛くなり…
    理想とする接客があるのはわかるけど理想が先走りすぎていて、それが若さと情熱なんだよなあ。眩しくもつらい!
    パソコン売って調子こいちゃってるのも若さが丸出しでつらい!

    そして水上編、読みすすめるのが困難なレベルでキツかった…あまりにも…胃痛が…
    そして萌絵が実は疎ましがられていた事実が明らかになってもそらそうよとしか言葉が出ないし…

    せ、関内〜〜〜!!!関内という救世主が現れたときに私も泣きそうになってしまったのに関内!!おまえ!!!絶対ブローカーの一味じゃん!!と思ったらブローカーとしてでさえある意味水上の救世主になるという…

    そんでもってここに入れ替えトリックまであったなんて……………すごすぎる………最後まで退屈させない、予想外を起こし続ける展開………
    み、水上が救われてよかった本当に(泣)

    最後に萌絵が成長してることもわかってよかった。萌絵ー、マニュアルはマニュアルで大切なんだよ…!
    水上の真摯さも最後は萌絵に伝わってくれて本当に良かった

  • この新人は頑張り屋だけど手に余る。係長が大変で大変で。倒れなくて良かった。

  • 面白い!!!
    表紙の絵に惹かれて読み始めたものの、想像以上にハラハラムカムカして最後の結論には納得できた!
    精神的な余裕を持って働くことはとても大事だけど、自分一人余裕があっても意味がない。
    部下のことを重んじてくれる上司のもとで働けたら幸せだなあ

  • -感想-
    東城萌絵が実家のトージョー電器を
    立て直すために家電量販店で働いて力を
    身に着け見事に実家の電気屋を復活させる
    サクセスストーリー的な物語かと思ったら
    大型家電量販店の大変さやパワハラ問題、
    挙句のはてには闇ブローカーまでwww
    そもそも裏家電とは家電量販店の
    ちょっとした裏側的な事かと思ったら
    そっちなんっ!って思ってもいない展開。
    (ってそもそもお仕事ミステリーって書いてたなっwww)

    寺田店長と石動副店長のびっくりな計画や
    アルバイトの関内良太の本来の計画など凄い
    展開だったけど、榊原統括部長&童門渉外課長
    の出現で話が一気にラストに向かって進んで
    いったのであっという間に読んでしました。

    そして何より水上係長や東城萌絵も
    救われた結末にすっきり!あぁ~面白かった。

    身近にある家電量販店が舞台だったので
    内容的にはちょっとダークな部分もあった
    けど個人的にはすごく読みやすかった。

    でもこれ筆者が実話をもとに書いたって・・・
    どこまで?パワハラ?闇ブローカー?
    店長と副店長の計画の話?
    全部が実話なんかな?・・・恐ろしい!


  • とある家電販売店での超パワハラ店長による単純なブラックな物語かと思いきや、中盤以降のどんでん返し的展開に存分に楽しませてもらいました。序盤に出てきた街の電気屋の女性は、それだけ?と思っていたら、ちゃんと仕掛けもあり、エンディングはとても気持ちよいものでした。実際にはこんな店舗がないことを祈ります・・・。

  • 家電が好きだ。

    買い替えの時は、事前に価格、機能、デザイン、サイズなど事細かに下調べをしてから家電量販店に向かい、お気に入りの担当さんと相談しながら購入を決める。

    そんな家電量販店で、この物語の様なブラックな事が行われている事を想像しただけで胸が悪くなる。

    実家の電器店の立て直しの為に全国チェーンの家電量販店「R電器」に入社した萌絵、今にも倒れてしまいそうな係長・水上、名前だけの店長と副店長、其々の視点から描かれた本作はお仕事ミステリでありながら、人として大切な事を教えてくれる。

    大好物の勧善懲悪物で爽快な読後。

  • 実家の電気屋さんを再開させるため、高校卒業後、全国チェーンの電気店に就職した新人女子社員の奮闘記かと思いきや…「え!あの人が!!」「あれはそういう事か!」などなど、話は思いもよらぬ展開へ。電気店を巡り、影で暗躍する不穏な動き…そして、遂にある計画が実行される!次の展開が気になって、一気読みのミステリーだった。

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著者プロフィール

1977年北海道旭川市生まれ。北海学園大学卒。2010年に『キョウダイ』が島田荘司選 第3回ばらのまち福山ミステリー文学新人賞優秀作となり、デビュー。他に『セカンドタウン』(講談社ノベルス)『裏家電』(講談社)などがある。

「2023年 『漂流都市』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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