オリーブの実るころ

著者 :
  • 講談社
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感想 : 72
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065279502

感想・レビュー・書評

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  • 家猫
    ローゼンブルクで恋をして
    川端康成が死んだ日
    ガリップ
    オリーブの実るころ
    春成と冴子とファンさん

    愚かな母親、バツイチの息子、生前モラハラだった父親、離婚して幸せになった息子の元嫁。息子の打算的な今カノが実は一番世間を知っているのではの「家猫」
    終活と称し、愛した人の面影をその娘に見る「ローゼンブルクで恋をして」
    母親の気持ちをもっと知りたかった「川端康成が死んだ日」
    ファンタジー。「ガリップ」
    覚悟や潔さが足りない。「オリーブの実るころ」
    人生には色々な形がある。「春成と冴子とファンさん」


    様々な結婚と家族と真実の愛をめぐる短編集。
    それぞれの立場によって考え方が違う結婚。
    愚か、打算、終活、面影、末期の眼、三角関係(白鳥とだけれど)重婚、とらわれない形。


    一つとして同じ結婚はないし、いわゆる普通だと考えられている結婚も保守的な考え方に過ぎなく、ただの幻なのかも。表向きは静かに見えていても、夫婦となり家族となればその実は当事者にしかわからない事ばかり。
    どんな形であれ、後悔を少なく、心を通わせ、この人と一生一緒に生きて行きたいと心から思える結婚生活が望ましいのだけれど。

  • ガリップの話が面白かった。
    ガリップが嫉妬で主人公を階段で落として流産させたのは酷いと思ったが、それはガリップの卵を捨てたことに同じという言葉にハッとした。
    晩年ガリップと一緒に北海道に行ったのは素敵だった。

  • なんと言っても、家猫が怖かった〜。ある結婚生活にたいして夫の視点と妻の視点と夫の母の視点から描いてます。夫と妻ではこうも認識が違うのか。私も日々実感してるので、やはりどこでもそうなのかと納得、ではないけど諦めというか何というか。

  • 様々な結婚が題材になった短編集だった。
    「家猫」は立場が違うと同じ事象でも全く別のものになってしまうのか、なんて考えてしまった。どこにでも転がっていそうな話だったけど。
    いちばん印象に残ったのは「かリップ」。傷ついた白鳥を助けた男性とその妻とその白鳥の不思議な長きに渡る生活。
    白鳥が男性の妻に嫉妬しているらしいというのが怖いようでありえなくもないかなと思ってしまう。
    犬や猫ならなくもないかなと思うが、白鳥でもか、と思うと鳥が大の苦手な私には怖いとしか言いようがない。
    結婚の形は人それぞれだろうし、何が正解なんてのもないだろう。
    それぞれが心穏やかで暮らせればいいのだ。

  • 短編集。白鳥と一夫多妻するお話が好き。

  • さらっとして読みやすかった。ガリップはちょっと怖かった。

    「オリーブの実るころ」が心に残った。どうしても結婚したくて、強行策に出た二人だが、居場所を突き止められ、引き剥がされたが、二人ともその後お互いを探そうとしなかったのが不思議。だが、二人ともお互いの幸せを願っていたんだろうなと思い、切ない思いとなった。

  • ファンタジー?
    でももっとシビアで
    人の一生は一筋縄では行かない。

    少々怖かったり
    こんな人生もありかなと思ったり
    悲しかったり

    短い作品ではありますが
    それぞれ濃密で無駄がなく
    感情を動かされる文体は
    上手いなって思う。

  • 「家猫」「ローゼンブルクで恋をして」「川端康成が死んだ日」
    「ガリップ」「オリーブの実るころ」「春成と冴子とファンさん」
    結婚をテーマにした6話収録の短編集。

    全話個性的で面白い。

    メルヘンチックな装丁から、ほのぼのとした物語をイメージしていると良い意味で思い切り裏切られる。

    1話目の『家猫』なんてまるでイヤミス。
    家猫と化け猫に挟まれる自己中男。
    家猫の正体には思わずニヤリ。

    表紙のコハクチョウが登場する『ガリップ』も背筋がヒヤっとする。
    妻VSコハクチョウと、コハクチョウを助けた夫。

    その三角関係の行方を確認して欲しい。

  • ガリップちょっと怖い。

  • 2023.1.31

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著者プロフィール

1964 年東京都杉並生まれ。小説家、エッセイスト。出版社勤務、フリーライターを経て、2003 年『FUTON』でデビュー。2010 年『小さいおうち』で第143 回直木三十五賞受賞。同作品は山田洋次監督により映画化。『かたづの!』で第3 回河合隼雄物語賞・第4 回歴史時代作家クラブ作品賞・第28 回柴田錬三郎賞を、『長いお別れ』で第10 回中央公論文芸賞・第5 回日本医療小説大賞を、『夢見る帝国図書館』で第30 回紫式部文学賞を受賞。

「2022年 『手塚マンガで学ぶ 憲法・環境・共生 全3巻』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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