- Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
- / ISBN・EAN: 9784065280881
作品紹介・あらすじ
中学三年生の悠人は、高校受験を控えている。
優秀な兄・直人や、家族を置いて家を出ていった父親、悠人でなく直人に大きな期待をかける母親、といった家族のなかで、
自分の存在意義を見出せない悠人は、日課にしていたランニングの途中、公園のブランコに座る少女・朱音と出会う。
どこか影のある表情の朱音に、次第に惹かれていく悠人。
朱音が、病気の母親の介護や幼い妹の世話、家事をひとりで背負う“ヤングケアラー”であることを知った悠人は、
彼女の力になりたいと考えるようになるが……
感想・レビュー・書評
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児童書として出版されて、2021年度の読書感想文コンクールの課題図書になった作品。
中学生男子が主人公の物語。
友達、部活動、学校の先生のこと。
進路のこと、塾でのこと。
親、兄弟のこと。
そして、好きな人のこと。
中学生の日常が描かれていた。
その日常の中に主人公が見たことも聞いたこともない『ヤングケアラー』について知ることになる。
主人公の好きになった人がそうだったのだ。
ヤングケアラー。
物語では、あまり重い感じでは語られては無かったので爽やかに読み終われました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
サクサクと読むことができました。小中学生向けのシンプルで読みやすい文章ですが、大人が読んでも楽しめます。
ヤングケアラーについての話をすると、どうしても固い感じになりそうですが、中学生の恋愛小説と絡ませると、子どもたちにもスッと入ってきて、とてもよいのではないかと思います。 -
中3の悠人が夜の公園で出会った少女は母の介護を担うヤングケアラーだった。
児童文学として発表されたそうですが、ヤングケアラーという社会問題が描かれていることもあり、大人が読んでも読みごたえのある作品でした。
中学生の悠人と朱音の恋を縦軸に、ヤングケアラーをはじめとした家族の課題を横軸に、物語が展開するので深みのある作品となっています。
それは、青春時代を思い出すかのような甘酸っぱい味わいであり、また、ヤングケアラーだけでなく、いつの時代にもどこの家庭でもあるような家族のすれ違いであったりします。
二人がしっかりと向き合い、新たな一歩を踏み出す結末にさわやかな読後感を味わうことができました。
人を慮ることの大切さも感じました。 -
家族の介護や家事の役割を中心に担うことで、自分自身の生活や勉強がままならなくなってしまう子どもたち。
ヤングケアラーという言葉を知ったのは、そんなに前のことではない。
「家の手伝いじゃない」と憤る朱音の姿に、ああ、多分私も同じように思ってしまっていたな、と苦しくなった。
家のお手伝いをするのは美徳で、ひと昔前は、学校よりも家事や仕事を選択しなければならない時代もあった。……と思うのは、当事者ではない人間の、勝手な納得だと思う。
なぜ、教育は義務なのか。
朱音のように、自分の家のことだから「当然」だと思わなければならない。言っても分かってもらえないとか、恥ずかしいと思う気持ちは、一体誰が作ってきたのか。
そんなテーマの中で、でも、単に悠人と朱音がお互いに居場所になっていくだけの話でなくて、良かったように思う。
比べられてきた秀才の兄、兄ばかりを大切にしてきた母。でも、それは悠人から見た世界のことで。
言葉を交わすことで、世界は変わる。
悠人にとっての物語でもあるのだから。
朱音に向けて、悠人の母が「知る権利」を説き、「自立とは一人で頑張ることではない」ことを丁寧に伝えるシーンが、とても良かった。 -
ヤングケアラーの苦悩が取り上げられている
小さな肩に背負い込む大きな負担
恥ずかしがらずに声をあげて周囲に援助を そして支援の強化を
そんな大変な状況でも恋をしちゃうお年頃
中学生の恋愛が初々しい…
恋の行方は読んでからのお楽しみ
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中学生の恋愛小説でありながら、ヤングケアラーについて知れる現実的なリアルな体感がある小説。
思ってたよりサラッと読めた -
さらっと読めました。
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中学三年生の悠人は、高校受験を控えている。
優秀な兄・直人や、家族を置いて家を出ていった父親、悠人でなく直人に大きな期待をかける母親、といった家族のなかで、
自分の存在意義を見出せない悠人は、日課にしていたランニングの途中、公園のブランコに座る少女・朱音と出会う。
どこか影のある表情の朱音に、次第に惹かれていく悠人。
朱音が、病気の母親の介護や幼い妹の世話、家事をひとりで背負う“ヤングケアラー”であることを知った悠人は、
彼女の力になりたいと考えるようになるが…… -
夜の公園で出会ったちょっと気になる少女。彼女は母の介護を担うヤングケアラーだった。
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文庫