超・進化論 生命40億年 地球のルールに迫る

  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (268ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065283516

作品紹介・あらすじ

「人間は最も進化した生き物」という「進化論」を、根底から揺さぶる生物の驚くべき営みが今、次々と明らかになっている。私たちが見ている世界とは全く異なるもうひとつの世界とは!? 
植物・昆虫・微生物を繁栄させた知られざる力を最先端科学が解明。
そこには、弱肉強食を超えた、共助を実現するスーパーネットワークまである。種類の違う日陰の木や若木に栄養を送るマザーツリー。昆虫では、なんと知能の確認も相次ぎ、蜜蜂には餌の伝達のためゼロの概念があるとわかった。微生物は「すべての生物は微生物なくしては生きられない」といわれるほどで、宿主と共棲する驚異のメカニズムを持つ。
カラー口絵とともに、NHKスペシャル全3集を本書に一挙収録。加えて、世界的研究者らによる貴重なロングインタビューも収録。常識を覆すような生命の神秘や多様性の戦略などを読み解きながら、私たち人類がこれから選択するべき道が語られる。

感想・レビュー・書評

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  • さいきん、生物に関する本を何冊か読んで、この分野で新たな知見が次々と見出されていることを知りました。

    『昆虫学者、奇跡の図鑑を作る』
    https://booklog.jp/users/makabe38/archives/1/B0BF41DSZ6

    『これからの時代を生き抜くための生物学入門』
    https://booklog.jp/users/makabe38/archives/1/B08JV1LBN1

    『生物はなぜ死ぬのか』
    https://booklog.jp/users/makabe38/archives/1/B091PTTHVM

    興味が高まったので、関連する本をさらに読もうと思い書店で探したところ、このタイトルが目に留まりました。

    『NHKスペシャル』で放映されたシリーズを、書籍化したものだそうです。
    このテレビ番組は視聴しなかったのですが、「(テレビなので)興味をそそられるテーマを、わかりやすく紹介しているだろう」と期待して、読んでみることにしました。

    地球に住む生物の中から3つを取り上げ、3章にわけて、最新の研究成果を紹介しています。

    第1章は植物について。
    ずいぶん前に、「クラシック音楽を聴かせた野菜は育ちが良い」という話を聞いたことがありました。
    この章に載せられた最新の研究結果を読んで、植物は音に限らず、人間が感じることが出来ないものも含め、外界の情報を取り込み、対処しているのだ、と知ることができました。
    植物に対する見方が大きく変わる、想像以上の内容でした。

    第2章は昆虫について。
    サナギの中では、どうのようなことが起こっているのか?
    小耳には挟んでいたのですが、詳しい解説を読んだのは、本書が初めてでした。
    昆虫がなぜ“完全変態”ができるようになったのか? 生物の進化というのは不思議だなと思いました。
    また、体は小さくても数が多い昆虫という存在が、広い地域の環境や人間生活に影響を与えているという話も、興味深く読ませていただきました。

    第3章は微生物について。
    プラスチックを分解するなど、特殊な能力を持つ微生物の探索・研究が、ずいぶん進んでいることに驚きました。
    ただし人間社会への活用については、デメリットの検証も含め、まだ乗り越えるべき壁がありそうですね。
    人間の細胞の数よりも、人間の体内にいる微生物の数のほうが多い。
    自分の意思で選択したと思った行動が実は、微生物の影響を受けていた可能性もある。
    これらのことを知ってしまうと、”自分”さらには”個体”という概念すら、考え直さなければいけないように感じました。

    新しい技術の活用もあり、生物に関する研究がかなり進んできているということを、本書を読んで再認識しました。
    これまで人間には見えていなかっただけで、植物、昆虫、微生物たちは驚くべき"能力"を、持っているのですね。

    「人間が進化の頂点にいる」という考えは、改めなければならない。
    様々な生物が相互に影響しあっている中で、種を大量に絶滅させているという人類のふるまいは、取り返しのつかない結果を生む可能性がある。
    本書のメッセージは強く印象に残りましたし、多くの人が共有すべきことだとも思いました。

    ますます興味が高まったので、この分野の本は今後も継続して、読んでいこうと思います。
     .

  • 虫に「食害」された植物の反応をリアルタイムで視覚化した実験は、すなわち生きている証として、紙面からでも充分インパクトがあった。植物同士のコミュニケーションや、自己保存反応など、目視で測り得ない事象が、技術の発達によって証明されつつあるのは、まさに世界観を変える出来事。その驚きを見つけるだけでも読む価値ある一冊。見えているものだけが事実ではない。

  • 進化と言えば、人がその最先端かと思いきやとんでもない。
    本書では、全生物の重量で95%を占める植物、全生物種の半分を占める昆虫、そして人体に生息する約100兆の微生物について解説されている。
    植物、昆虫、動物が会話していると聞いてもピンとこないと思う。そこには人知を超えた驚異の世界が広がっている。地球上に生きとし生けるものが密接に関わりあっているのだ。

  • 請求記号 467.5/N 77

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著者プロフィール

長年「ひきこもり」をテーマに取材を続けてきたメンバーを中心とする、全国で広がる「ひきこもり死」の実態を調査・取材するプロジェクトチーム。2020年11月に放送されたNHKスペシャル「ある、ひきこもりの死 扉の向こうの家族」の制作およびドラマ「こもりびと」の取材を担当。中高年ひきこもりの実像を伝え、大きな反響を呼んだ。

「2021年 『NHKスペシャル ルポ 中高年ひきこもり 親亡き後の現実』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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