うたかたモザイク

著者 :
  • 講談社
3.34
  • (46)
  • (146)
  • (211)
  • (62)
  • (8)
本棚登録 : 2033
感想 : 177
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065307212

作品紹介・あらすじ

『スモールワールズ』で話題の著者、一穂ミチのきらめきの欠片を集めた作品集。
人生の喜怒哀楽を繊細に掬いあげる、「恋」と「愛」と「性」と「怪」。
特別に書き下ろしたショートストーリーも収録。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 一穂ミチさんの短編集。
    13編の短編が入っています。
    苦手な恋愛系も多かったけど、『うたかたモザイク』というタイトルがぴったりな奥ゆかし気なモザイクのような短編集でした。


    私が好きだと思った何編かを紹介すると
    『人魚』は僕の恋人は人魚らしいーという一文で始まる恋愛ものだけど童話のようなお話。

    『ごしょうばん』は
    この短編集の白眉かと思いました。
    ごしょうばんという食事時に出てくる妖怪の出てくるまだ戦時中の話。

    『Still love me?』
    はBLの話を初めて読んだ気がしますが、好きな話でした。

    『Sofa&』
    ソファの独り言の話ですが、人生の日暮れのかんじがよく出ていると思いました。

    『神さまはそない優しない』
    死んで猫に生まれ変わって自分の嫁に拾われた猫の話。
    笑わせる場面もありましたが、最後は泣けました。

    『透子』
    最後は予想がつきましたが、これもいい話でした。


    『スモールワールズ』程のインパクトはなかったけれど、タイトルの『うたかたモザイク』のようなひらひらとしたモザイク画のような一冊でした。

  • 以前読んだ「スモール・ワールズ」のほうが読み応えがあって、読んだぁ〜って感じがしたかもしれない。
    でも、これはこれで良かった。
    本作は、スパイスをきかせたショートストーリー×13話。
    サラっと読むと「えっ?!これだけ…??」となりがちだけど、色々なテイストがあって一穂ミチさんて多彩な方なんだなぁと思った。

    そしてラブシーンの描写が素敵でした。
    よくある生々しいのに非現実的な官能小説とは全っ然違うっ!!
    どう違うのか上手く言えませんが、女性じゃないと描けないと思う。
    現実的で理想的で少しもくどくない(∩ˊ꒳​ˋ∩)・*

    ラブシーンの無いボーイズラブの物語もありました、言葉には出せない思いがとても多くて切ない物語でした。
    ネットで続編のショートストーリーも探して読みました、もっと続きが読みたい〜。
    ミステリー風、ホラー風、妖怪風まで、色々な味が楽しめた一冊でした。

    • あゆみりんさん
      メルカリにありますね(*ˊᗜˋ)σミッケ♡
      完全版ね๛ก(ー̀ωー́ก)メモメモ…
      メルカリにありますね(*ˊᗜˋ)σミッケ♡
      完全版ね๛ก(ー̀ωー́ก)メモメモ…
      2023/06/30
    • みんみんさん
      雪よ林檎の香のごとく
      こちらデビュー作だけど文章美しいです♪
      わたしは適当レビューだけど笑
      他の方を参考に\(//∇//)
      雪よ林檎の香のごとく
      こちらデビュー作だけど文章美しいです♪
      わたしは適当レビューだけど笑
      他の方を参考に\(//∇//)
      2023/06/30
    • あゆみりんさん
      美しい文書…
      惹かれます、๛ก(ー̀ωー́ก)メモメモ…
      美しい文書…
      惹かれます、๛ก(ー̀ωー́ก)メモメモ…
      2023/06/30
  • うーんなんだろうね

    一穂ミチさんは自分の中でかなり特異なポジションにいる作家さんです

    おそらくBL以外の著作は全部読んでるんだけど、☆5評価は未だ一冊もなし
    「好きな」作家さんというわけではなさそう
    なのについつい読んでまう

    なんでだろう?

    それはたぶんすごくいろんな色をもってる作家さんで、しかも次々と新しい色を見せてくれる作家さんだからかなと思います

    次はどんな色を見せてくれるんだろう?って思うとつい手にとっちゃうんだよね
    で、おおーってときもあるし、えええ?ってときもある

    今回は連作じゃない純粋な短編集
    おおーってのもあり、むむむ?ってのもあったりでした

    • ひまわりめろんさん
      お、一晩たっていい表現が
      「期待させる」作家さん
      これどう?
      で、期待に応えてくれたりくれなかったりw
      お、一晩たっていい表現が
      「期待させる」作家さん
      これどう?
      で、期待に応えてくれたりくれなかったりw
      2023/04/22
    • みんみんさん
      器用すぎて方向性が定まってない?
      バカ当たりしない?
      できたらお仕事小説で行ってほしいなぁ!
      器用すぎて方向性が定まってない?
      バカ当たりしない?
      できたらお仕事小説で行ってほしいなぁ!
      2023/04/22
    • ひまわりめろんさん
      大田泰示的なあれだな(わかる人にはわかる)
      未完の大器と言われ続けて日ハムへ
      大田泰示的なあれだな(わかる人にはわかる)
      未完の大器と言われ続けて日ハムへ
      2023/04/22
  • 13の短編集。
    恋や愛や性についてのいろいろ。
    『スモールワールズ』の短編集は好みだったけれど今回のは、ちょっと違うかなぁ…。
    あまり共感できず…というところ。
    意外なところで、おぉっと思ったのは「神さまはそない優しない」。
    生まれ変わって猫になり、妻に拾われるが…。
    ちょっと驚くラストだった。

  • 一穂ミチさんの描く短編集、13編がこの一冊で読めます。それぞれのストーリーは独立していて一貫性もなく描く内容も全く異なっていて、読んでいて飽きを感じることはまずありません。読後もなんかいいなぁ~って思うものから、イヤミスのようなエンディングを迎えるストーリーもあったりします。13編の中から印象に残った作品を…

    Droppin’Drops:クラスメイトのアイドル女子を推すモデル女子のかわいいお話
    sofa &…:ソファーの視点から持ち主の女性を描くお話。
    透子:小さな書店に通う透子、本好きなら結構このお話好きかも…!

    一穂ミチさんは初読み、話題作の「光のとこにいてね」を読みたかったのだけれど、図書館では貸し出し中…でもこの新刊を借りることができました。ただ、すべてのストーリーに共感できたかというと、そうでもなくって読みにくかった作品もありましたが…これは個人的な感想なのであまり真に受けないでくださいね(^^;)

  • 長らく積読していたうたかたモザイク。
    一穂ミチさんの小説、温かくて本当に好き。短篇小説なので読みやすく、どれも温かい作品なので、次の作品も…と読み進めたら一瞬で終わってしまった。
    章立てとしては、sweet、spicy、bitter、salty、tastyの5章で、全13話。どの作品も、味覚のイメージとぴったりマッチしている。
    以下簡単な内容紹介。個人的に特に好きな作品は◆(黒)評価にしました。

    …… sweet ……
    ◆人魚
    彼女が人魚のお話。一穂ミチさんのこの世界観大好き。彼の告白のことばも、とても好き。
    「人魚でも魚人でもいい。心変わりするかもしれないのはお互いさまだろ? そういう不安にも、不安が現実になった時の修羅場にも、一緒に向き合っていきたい」

    ◇Melting Point
    ショコラティエ彼とチョコレートアレルギーの彼女の純愛。官能表現多くて一穂ミチさんの知らない一面を見た。

    ◇Droppin' Drops
    読者モデルと地下アイドル(同級生)の恋愛と友情、の狭間のお話。

    …… spicy ……
    ◆永遠のアイ
    彼氏を亡くした彼女が、彼氏の没後も、彼氏のウイルス感染したスマホと不思議なメッセージ交換を続けるお話。切なさと温かさが入り混じっていて、短いけれど個人的にとても好きな作品。

    ◇レモンの目
    一人暮らしの若い女性と猫(+飼い主の女の子)との短期間の交流を描いたお話。最後ほん怖要素あり。

    ◇ごしょうばん
    ご相伴(人の中に溶け込んで食事をする妖怪)のお話。食が豊かでなかった戦前から、食を残すことを躊躇わなくなった現代までの変遷の中での、食と人について、ご相伴の視点を通して描かれる。独身の孤食生活なので、こういう妖怪いたらそれはそれで愉しいかもしれない。

    …… bitter ……
    ◇ツーバイツー
    双子の兄弟と容姿のよく似た二人の女友達が、それぞれ結婚するが、その後レスとなった為、パートナーを入れ替えてエッチするお話。

    ◇Still love me?
    LGBTの”G”のお話。
    P136の一史のことばが真っ直ぐで響いた。
    自分が全てを失った時に、それまで胸に届かなかった声が初めて届き、その存在の大きさに気づかされる瞬間が訪れたりする。自分にも身に覚えがあるけれど、残酷なことに、こういうことはタイミングが一番大事だったりする。受け入れ態勢が整わないと、どんなに打っても響かない。だからこの二人も10年以上の時を経て漸く気持ちを確かめ合うに至った。この時間の長さを長いと捉えるか短いと捉えるか…。

    ◇ BL
    Boy’s Loveを主テーマに、その土台として知能教育、遺伝子操作、不老長寿などの近未来を描いたSF小説。SF小説は、現実離れし過ぎるというイメージがあってこれまであまり読んでこなかったが、本作は割と楽しむことができた。

    …… salty ……
    ◇玉ねぎちゃん
    コロナ禍の『不要不急』下における、父娘の物理的&心理的距離感がテーマのお話。超短編だけれど、この短い文章の中に、思春期の女の子と父親とのなんとも表現し難い関係性が詰まっている。私も小2の頃から父親が単身赴任だったので、一方通行の交換日記を書いたかと思えば会うと何を話していいかわからなかったあの頃を思い出して、思わず共感してしまった。大好きって感じじゃないけれど、やっぱり父親は頼りになるし、大事な家族なんだよね。

    ◆sofa & ...
    ソファ(家具)の視点で持ち主(独身女性)を描いた作品。恋人よりも、家族よりも、一番に自分のだらしない部分を見ているのは、部屋にある家具たちだということに気付かされた。私自身は高1から一人暮らしだから、当時から使っているものたちはこれまでの私の半生を見守ってくれていたことになる。とてもありがたい気持ちになった。物にも魂が宿ると言うけれど、これからもよろしくねの気持ちで、明日からも大切に使おうと思う。

    ◆神さまはそない優しない
    夫が電車事故で亡くなった後、猫に生まれ変わって元妻と生活するお話。生まれ変わった猫(夫)によって語られる無くなる直前の夫婦関係、後悔、妻によって語られる真相がたまらなく切ないけれど、どこか温かさも感じられる。夫の関西弁語りが重めの物語に柔らかさを加えている感じ。

    …… tasty ……
    ◇透子
    両親に捨てられた少女と近所の本屋のお爺さんとの交流を描いた作品。

  • 講談社発行だけど収録短編は12作がそれぞれ出版社がバラバラ。ジャンルもバラバラ。
    sweet/spicy/bitter/salty
    それぞれ3作ずつのオシャレな構成♪
    まるでチョコレートBOX(^^)
    好きだったのは

    〈人魚〉わたしは人魚なのと言う彼女に母親を紹介すると連れて行かれたのはまさかの「秘宝館」‼︎笑
    ところがどっこいの切なくて可愛い純愛物に!

    〈ごしょうばん〉奇譚物。妖怪ごしょうばんの不思議な話がラストでは今の世の中をチクリと風刺

    〈Still love me?〉車の中での数時間の物語…たった16ページにBL作家としての凄さをみた!

    タイトル通りに一穂ミチのカケラ達がモザイクになりキラキラしてました。
    どの話もラストにちょっとの驚きありでやはり短編上手いなぁと…

    下世話ですがこの方のエッチなシーンは流石です笑
    この感想はわたしだけでしょうか( ̄▽ ̄)





    でも今さらですが私は…
    やはり一穂ミチさんはBL作品の方が好きなんだとつくづく思いました(〃ω〃)

    • まことさん
      みんみんさん♪

      投稿がかぶってたみたいです。
      「note」はどうやって探すかが、残念ながらわからないです。
      みんみんさん♪

      投稿がかぶってたみたいです。
      「note」はどうやって探すかが、残念ながらわからないです。
      2023/04/24
    • みんみんさん
      一穂ミチ note
      って検索すれば出ると思いますよ♪
      「こばなしたち」の中に
      September blue moon ってタイトルで載ってま...
      一穂ミチ note
      って検索すれば出ると思いますよ♪
      「こばなしたち」の中に
      September blue moon ってタイトルで載ってます
      見つかるといいなぁ_φ(・_・
      2023/04/24
    • まことさん
      みんみんさん♪

      ありがとうございます!
      やってみます。
      みんみんさん♪

      ありがとうございます!
      やってみます。
      2023/04/24
  • いろんな方の本棚で見つけ図書館予約

    〈 スパイスをきかせた13の物語で味わう一穂ミチの魅力〉

    「スモールワールズ」「光のとこにいてね」が大好きで。
    期待しすぎたかな

    短編、それぞれにつながりがなく味わいが違う
    一人の作家さんで!すごいなあと思う
    好きなのとそうでもないのが混ざってるけれど

    ラストの「神さまはそない優しない」いいなあ

    ≪ 人生は 甘く苦くて 美味しいよ ≫

  • 一穂ミチ『うたかたモザイク』たくさんの世界観がどこか寂しくもある|Rirako|note
    https://note.com/rirako29/n/n544695e8ec96

    『うたかたモザイク』(一穂 ミチ)|講談社BOOK倶楽部
    https://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000373833

  • バラエティに富んだ13の短編集。

    恋愛、BL、官能、ファンタジー、SFなど、ジャンルもテーマも様々。
    まるで何人もの作家さんが書いたかのようで、幅広さに驚かされました。

    「光のとこにいてね」が好きで、ブックリストの「2023下半期ベスト」に選んだくらいだったのですが…
    こちらは私にはあまり合わなかったかも。
    期待し過ぎてしまったのか。
    好みのものが少なかったような気がします。すみません。

全177件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

2007年作家デビュー。以後主にBL作品を執筆。「イエスかノーか半分か」シリーズは20年にアニメ映画化もされている。21年、一般文芸初の単行本『スモールワールズ』が直木賞候補、山田風太郎賞候補に。同書収録の短編「ピクニック」は日本推理作家協会賞短編部門候補になる。著書に『パラソルでパラシュート』『砂嵐に星屑』『光のとこにいてね』など。

一穂ミチの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×