- Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
- / ISBN・EAN: 9784065318003
作品紹介・あらすじ
世界文学の旗手が紡ぎだす
国境を越えた物語(サーガ)の新展開!
失われた国の言葉を探して
地球を旅する仲間が出会ったものは――?
【本書の登場人物たち】
Hiruko ヨーロッパ留学中に「母国の島国」が消滅してしまった女性。同じ母語を話す人間を探して世界を旅する。
クヌート デンマークに住む言語学者の卵。Hirukoと出会い、彼女の旅に同行する。
アカッシュ ドイツに留学中のインド人男性。女性として生きるため、赤いサリーを身にまとう。
ナヌーク グリーンランド出身のエスキモー。語学の才能豊かで、日本人を演じていた。
ノラ 博物館に勤めるドイツ人女性。行き倒れていたナヌークを救う。
Susanoo 福井で生まれた日本人。ある時から歳を取らなくなり、言葉を喪失する病気になった……?
Hirukoがつくり出した独自の言語、〈パンスカ〉が見知らぬ人々を結びつける。
分断を超えた希望を描く、全米図書賞作家の新たな代表作。
文庫解説 岩川ありさ
感想・レビュー・書評
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題名に反して設定は風変りだが、登場人物たちの会話が深く、魅力的。母国や母国語について考えさせられる。『星に仄めかされて』という題名の意味が分かる終盤が素晴らしい。 I
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同じ母語を持つ男性と出会ったものの、彼は失語症に陥っていた。治療のため入院した病院へ、仲間は様々な方法で国境を越え集結する。鋭利な悪意を持った言葉は、思考を操り掻き乱すこともできる。でも、それにより思考の奥底にある感情を引き出すきっかけにもなるが、そんな無意識に葬った記憶を表面化する必要はあるのか?作品の本質とはずれるけれど、そんなことが頭に浮かんだ。言葉にするという行為は意外に力を要するものかもしれない。分断を超え、彼らの旅はどこに行き着くのか?最終巻を早く読みたい。
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試みは面白いけど、流石に世界観が突飛すぎてついてけないな…って思い始めた頃に、表現が心に纏わりつきだして続きが気になってしまう。新感覚の読み味
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「そして、あなたは彼女に魅力を感じている。」「言語学的な魅力だよ。」「それは強い魅力じゃない?」
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相手のことなどどうでもいい。相手にどう思われているかもどうでもいい。自分が真実だと思うことを正直にそのまま口にするだけの話さ。
直進するのは落ちていく星くらいだろう。僕たちは落ちていくわけじゃないのだから、ためらわずに蛇行しようよ。