星に仄めかされて (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 338
感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065318003

作品紹介・あらすじ

世界文学の旗手が紡ぎだす
国境を越えた物語(サーガ)の新展開!

失われた国の言葉を探して
地球を旅する仲間が出会ったものは――?

【本書の登場人物たち】

Hiruko ヨーロッパ留学中に「母国の島国」が消滅してしまった女性。同じ母語を話す人間を探して世界を旅する。
クヌート デンマークに住む言語学者の卵。Hirukoと出会い、彼女の旅に同行する。
アカッシュ ドイツに留学中のインド人男性。女性として生きるため、赤いサリーを身にまとう。
ナヌーク グリーンランド出身のエスキモー。語学の才能豊かで、日本人を演じていた。
ノラ 博物館に勤めるドイツ人女性。行き倒れていたナヌークを救う。
Susanoo 福井で生まれた日本人。ある時から歳を取らなくなり、言葉を喪失する病気になった……?

Hirukoがつくり出した独自の言語、〈パンスカ〉が見知らぬ人々を結びつける。
分断を超えた希望を描く、全米図書賞作家の新たな代表作。

文庫解説 岩川ありさ

感想・レビュー・書評

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  • 日本が存在しない世界、移民となった女性は旅をする 多和田葉子『星に仄めかされて』が描き出す、越境の物語|Real Sound|リアルサウンド ブック(2020.06.16)
    https://realsound.jp/book/2020/06/post-569160.html

    【書評】使用言語の異なる9人はどう対話するのか ~『星に仄めかされて』 書評:『星に仄めかされて』多和田葉子・著|教養|婦人公論.jp(2020年07月23日)
    https://fujinkoron.jp/articles/-/2318

    多和田葉子さん「星に仄めかされて」 インタビュー 多言語のはざまで旅は続く|好書好日(2020.06.17)
    https://book.asahi.com/article/13448633

    星に仄めかされて 多和田 葉子(著/文) - 講談社 | 版元ドットコム
    https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784065318003

  • 題名に反して設定は風変りだが、登場人物たちの会話が深く、魅力的。母国や母国語について考えさせられる。『星に仄めかされて』という題名の意味が分かる終盤が素晴らしい。 I

  • 同じ母語を持つ男性と出会ったものの、彼は失語症に陥っていた。治療のため入院した病院へ、仲間は様々な方法で国境を越え集結する。鋭利な悪意を持った言葉は、思考を操り掻き乱すこともできる。でも、それにより思考の奥底にある感情を引き出すきっかけにもなるが、そんな無意識に葬った記憶を表面化する必要はあるのか?作品の本質とはずれるけれど、そんなことが頭に浮かんだ。言葉にするという行為は意外に力を要するものかもしれない。分断を超え、彼らの旅はどこに行き着くのか?最終巻を早く読みたい。

  • 試みは面白いけど、流石に世界観が突飛すぎてついてけないな…って思い始めた頃に、表現が心に纏わりつきだして続きが気になってしまう。新感覚の読み味

  • 「そして、あなたは彼女に魅力を感じている。」「言語学的な魅力だよ。」「それは強い魅力じゃない?」

  • 相手のことなどどうでもいい。相手にどう思われているかもどうでもいい。自分が真実だと思うことを正直にそのまま口にするだけの話さ。

    直進するのは落ちていく星くらいだろう。僕たちは落ちていくわけじゃないのだから、ためらわずに蛇行しようよ。

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著者プロフィール

1960年東京都生まれ。小説家、詩人、戯曲家。1982年よりドイツ在住。日本語とドイツ語で作品を発表。91年『かかとを失くして』で「群像新人文学賞」、93年『犬婿入り』で「芥川賞」を受賞する。ドイツでゲーテ・メダルや、日本人初となるクライスト賞を受賞する。主な著書に、『容疑者の夜行列車』『雪の練習生』『献灯使』『地球にちりばめられて』『星に仄めかされて』等がある。

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