- Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
- / ISBN・EAN: 9784065325339
作品紹介・あらすじ
『きみはいい子』『わたしをみつけて』『世界の果てのこどもたち』など、話題作を生み出し続ける著者、4年ぶりの新作!2016年本屋大賞3位、『世界の果てのこどもたち』には書かれなかったもうひとつの真実。満洲・新京で暮らす女学生、ひろみ。「尽忠報国」「一億玉砕」「五族協和」、そう信じていた――永遠に失われた、もう、どこにもない国。あの場所で見たこと、聞いたこと、そして、わたしに託されたことを、わたしは忘れない。終戦間際の満洲を、圧倒的な事実に基づき描く。これは、いまを生きるあなたのための物語。
感想・レビュー・書評
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中脇初枝さん/著と表紙で手にした。
一章の初めから、戦中の満州の物語であることはすぐにわかった。引き揚げの話しはよく耳にしていたことから、この物語の結末もなんとなく想像できた気になっていた。
主人公である女学生のひろみを通して、家族との暮らし、学校生活、満州のご近所さん李太太(リータイタイ)との交流などが書かれている。
同時に、戦争が終結に向かい悲壮感が増してゆく。
「日本の憲兵が満人の車夫を一喝する」事件は、各章において、さまざまな立場から書かれておりキーポイントでもある。
731部隊も関係するとは......。
孫のあかりが登場し、最後にタイトルを振り返ってみた。孫に伝えている風であるが、誰に[伝言]するのか。登場人物だけではなく、もっと大きく国民に向けて?(飛躍しすぎ?)
中脇初枝さんの文はいつも優しく、最後まで安心して読むことができる。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
重いテーマだがよんでみてよかった
段々と自分も年齢を重ねてくると
なぜか気になってきて図書館で
借りれたので読んでみた
読みやすく書かれていたので
よかった -
すぐに読み進む小説ではないのだか、ひとつひとつが積み重なって、どんどん重くのしかかってきた。
歴史を知っているから、行き着く先が分かるから、登場人物の態度とか言葉とか、気になって仕方ない。
読んでよかった。 -
岐阜聖徳学園大学図書館OPACへ→
http://carin.shotoku.ac.jp/scripts/mgwms32.dll?MGWLPN=CARIN&wlapp=CARIN&WEBOPAC=LINK&ID=BB00649824
満洲・新京で暮らす女学生、ひろみ。
「尽忠報国」「一億玉砕」「五族協和」、そう信じていた――
永遠に失われた、もう、どこにもない国。
あの場所で見たこと、聞いたこと、そして、わたしに託されたことを、わたしは忘れない。
終戦間際の満洲を、圧倒的な事実に基づき描く。
これは、いまを生きるあなたのための物語。
(出版社HPより) -
書かれていること自体に新味はないが、人気作家である中脇作品として上梓されることに意味があると思う。私含めて戦争の実際を体験していない世代が大部分を占める現在、庶民から見た満州国や戦争の実際が語られ、現在の我々に伝言として残されることに意味がある。
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優しい語り口で読みやすい。主に満州で暮らす少女から見た戦中戦後の生活。国ではなく、一人一人の人間として向き合い接することの大切さ、自分の判断基準をぶれずに持つこと。『伝言』…よいタイトル。しっかり受け取りました。
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読み進めるのが辛くなりながらも、『これは知らなくてはならない話』…と最後まで。
他作品も読んできたが、誰かが書かなければならない物語を書いてくれるひとだと思う。 -
あの人はどうなったの…
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星3.5
題材にはとても興味があるが、私が本を読み慣れていないからか、前半は特に時系列や登場人物がごっちゃになって、わかりにくいところがあった。
単行本化する時に少し整理して書き直した方がよかったかも。
当時のことを証言したりすると、それに対する誹謗中傷などがあり、家族を守るためにも口をつぐんでいる人がいるのもわかった。そして、今になって、少しずつ話し始めている人がいるのもこういう理由もあるのだなと思った。
戦時中のことを知っている人もどんどん亡くなっていくので、こういう本は貴重だと思う。