- Amazon.co.jp ・本 (608ページ)
- / ISBN・EAN: 9784065326800
感想・レビュー・書評
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2024年はこの一冊で始めようと31日から読み始めたのですが分厚さの割に読む手が止まらず、下手したら年内読み終わっちゃう、と焦るくらい面白かったです。そして感想がまとまらないくらいいろんな思いが溢れてきてます。ネダバレとまではいかないが、結末の一部分には触れてます。
この物語に出てくる人物はみんな一途。一途に誰かを思って思って思って思うからこそ残酷で厳しい道も進んでいく。それが狂おしい。
一巻からかなり時間が経った時代のこと。前作の主人公であるユリアとトリステンの気配もあまり見せないまま、物語は新しい主人公に受け継がれる。いきなり時代ぶっ飛んでキャラも変わって物語に入れるだろうか?というのは杞憂。
テッサ、ルーチェ、キリル、イザーク、新しい魅力的なキャラ達が物語を広げていく。
レーエンデを解放するため革命に身を投じる主人公達。彼らの原動力は大義より身近な誰かのため。テッサを除いて。テッサだけは身近な誰かを選べなかった。それを解放してくれたのが最後のキスなんて悲しすぎる。
個人的にはエドアルドがどうしても嫌いになれず、ルチアーノの異名もきっと何かこの先に繋がる意図があるのだろう、と願ってしまう。彼が壊れたとは思わない。きっと何か意図があっての残虐王だと。彼が40年も孤独を生きた意味があると。
あと、イザークが好きで好きだから彼の結末もしんどすぎた。残されるのはしんどい。
この巻では銀呪病が一巻とは扱いがだいぶと違ったな、と思ってます。恐ろしい不治の病から何か毒薬のような響きを孕んだなぁ、という印象。
続きは早々に読む。
2024.1.1
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連作物の2巻というと、どうしても小休符的な内容となってしまいがちですが、この作品は違いました。
私の中で最高峰のファンタジーとも思えた1巻をも凌ぐ重厚な仕上がりだと思います。
言うなれば、「凄絶な愛の物語」。
勇敢な愛、残酷な愛、絶望、、主人公たち各々が進む道には各々の"正しさ"が存在するはずなのに、
それでも立ちはだかる叶わないこと、やりきれないこと。。
全体としてみたら救いのない物語だった、のかもしれません。
けれど、私はそこに希望を見たし、彼らの行動からも言葉からも人間の根元にある大切なものを受け取れた気がします。
1巻とほのかに(がっつり?)交わる部分もあったり、、ヘクトルという単語が出るたびに嬉しくなる自分がいました笑
息を呑む展開多々、、クライマックスでは涙腺崩壊でした。
3巻を読むのが楽しみです。 -
「革命の話をしよう」で始まる大河ファンタジーの第二弾。前作に続いて幻想的な世界で繰り広げられる物語に魅了された。
物語は終盤まで王道を歩むが、第12章の「短い夏の夢を見た」という短い文章で劇的に転調する。
映像化するならロングショットにしかないと思われる最終盤の展開には賛否があるだろう。私もしばらく呆然としてしまったが「革命には、このような出来事はつきものなのだ」と理解することにした。
次巻の発売を待ちたい。 -
前作から連なるレーエンデに巻き起こる革命の物語。時はユリアの時代から約100年後、帝国支配が続く暗黒時代のレーエンデ。後に残虐王と呼ばれるルーチェと、村の娘テッサが出会い、レーエンデに大きなうねりが生まれる。
またしても圧倒的なファンタジーで度肝を抜かれ、没入して読んだ。本作も魅力的な仲間たちが登場し、レーエンデ解放のために命を賭す。
第三部の刊行も決まっており、この大きな物語はどう着地するのか。脈々と受け継がれる革命の火の行方は。民族や国家、迫害等、現実世界にも通ずる問題が根底にあり、読み応えがあった。人は革命の中でどのように行動するか、世論はどうなるのか、想像しながら読み進めることで、自分ならば…とファンタジーと分かっていながら考えを投影してしまう。それだけのめり込ませる物語だった。とにかくすごい物語だ。 -
1巻より厚い…
図書館の返却期限までに読めるかな〜
と思いながら読み始めましたが、内容も登場人物も1巻とは違うのに気付いたら夢中でした!
テッサが最初から最後まで本当にかっこよい!
女性としてだけではなく、人としてもすごく憧れます。 -
未来で革命と一言で表される史実にも人々の痛みや悲しみが含まれている事を痛感させられた。
今の世界が平和なのであればそれは過去に革命の為に生きた人がいるからなのではないか