ちぎれた鎖と光の切れ端

著者 :
  • 講談社
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感想 : 190
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  • Amazon.co.jp ・本 (464ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065328460

感想・レビュー・書評

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  • 長編でクローズドサークルで大量殺人、、、
    好みの小説だった^⁠_⁠^

    ひとつ、真莉愛が紀田のことを兄と呼び一緒に暮らしていることには違和感がある。
    無理っぽい設定だなぁ、と。
    まぁでもそれはそれでも面白かったので星★5つ(⁠^⁠^⁠)

  • 緊迫感がたまらんです。
    これがデビュー2作目なんて末恐ろしい。

    冒頭から、あれ⁉︎犯人目線のストーリーか⁉︎とにやり。しかし読み進めていくと何だか流れがおかしい。殺してないのに次々と殺される人。ここからの緊迫感が文字だけでもヒシヒシと伝わってきます。

    デビュー1作目も読みましたが、この作家さんが描くクローズドサークルのピリついた空気感がたまらなく好きです。上手く表現するのが難しいですが、人間が気を動転させつつ正気を保っている感じと言うのでしょうか。その緊迫した様子に圧倒されます。次回作のミステリーも楽しみにしてます。

  • 読みました~!
    賞を獲ったデビュー作が若い勢いが力強く、とてもヨカッタので。
    今作は、ザ·推理小説!前作からのさらなる進化を感じます。
    今後も大活躍する姿がイメージできる作家さんです。

  • 「Z世代のクリスティー」という触れ込みにつられて手を出してみた本書。
    (それにしても“クリスティー”ってフリー素材なの?と、思う程“○○のクリスティー”って多い気がするかも・・汗)

    島原湾に浮かぶ孤島、徒島(あだしま)にある海上コテージに集まった8人の男女(内1人は“コテージ管理人”)。
    その1人である樋藤清嗣は、自分以外の全員を殺害する計画をたてていました。
    それは、彼らが過去に犯した罪・・・樋藤の先輩に対しての“仕打ち”への復讐の為でしたが、樋藤が計画実行を逡巡している内に、他の誰かによって参加者の1人が殺されてしまいます。
    さらに追い打ちをかけるように、次々と他のメンバーも殺されていき・・・。

    本書は二部構成となっていて、第一部は孤島での連続殺人・・所謂クローズドサークルの緊張感あふれるミステリを堪能できますし、第二部は第一部の事件から三年後の話で、所謂ミッシングリンク的な連続殺人から、第一部の事件との関連も絡めて展開する流れとなっております。
    正直、樋藤の復讐の動機が弱いというか、それほどの関係性か?という点など強引に感じる部分もありますが、全体的なストーリー構成が面白く、話が進むにつれページを繰る手が止まらなくなっていました。
    特に第二部は、第一部の伏線回収も兼ねて、どのような繋がりを見せてくるのか・・という惹きつけ方が上手くて、気が付いたらのめり込んでいたという感じです。
    第二部のメインキャラ、真莉愛と新田刑事とのある種友情のような関係も、“一般人に情報開示しすぎでは?”等というツッコミどころはあるにせよ、二人のキャラ性のお陰か微笑ましく思えました(個人的に、真莉愛はちょっとクセツヨな印象ですが、新田さんは好きなキャラです)。
    犯人に関しては割と容易に解りますが、そこに至る背景が明かされる過程は読ませるものがありましたし、ラストは明るい感じの終わり方で、やるせない内容のわりに、思いのほか読後感が良かったのも高ポイントですね。
    ということで、ヴォリュームを感じさせないストーリー展開で楽しませていただきました。
    江戸川乱歩賞受賞作でもある、荒木さんのデビュー作『此の世の果ての殺人』も読んでみたくなりました~。

    • ひまわりめろんさん
      あやごぜさん
      こんばんは!

      女性ミステリ作家さん見つけたらすぐクリスティー言うの止めなさいよ党のひまわりめろんです

      ほんとどうにかなりま...
      あやごぜさん
      こんばんは!

      女性ミステリ作家さん見つけたらすぐクリスティー言うの止めなさいよ党のひまわりめろんです

      ほんとどうにかなりませんかね

      だいたい荒木あかねさんとクリスティー作風ぜんぜん違うわ!
      つかお前らクローズドサークル書いたらすぐクリスティークリスティー言うけどクリスティーのクローズドサークルなんて『そして誰もいなくなった』だけだわ!
      お前らのせいでクローズドサークルばっかり書いてた人みたいに誤解されとるわ!
      Yahoo知恵袋でクリスティーの『そして誰もいなくなった』以外のクローズドサークル教えてくださいとか質問されとるわ!
      すみません取り乱しましたm(_ _)m
      2024/01/11
    • あやごぜさん
      ひまわりめろんさん。 コメントありがとうございます♪

      いやもう、“ホンマ、それな!”という感じで、荒ぶるお気持ち、お察しします~。
      ...
      ひまわりめろんさん。 コメントありがとうございます♪

      いやもう、“ホンマ、それな!”という感じで、荒ぶるお気持ち、お察しします~。
      作風無視で“○○のクリスティー”つけちゃう問題。マジ濫用禁止でお願いしたいですよね。
      (私のように、そのコピーにホイホイされちゃうヤツは“思うツボ”なんでしょうな~(● ̄▽ ̄●;)ゞ)
      「女性ミステリ作家さん見つけたらすぐクリスティー言うの止めなさいよ党」
      ↑↑
      私も入党希望でございます~。
      2024/01/12
  • 前作には、阿蘇が登場、今回は天草の離島が舞台。熊本の人たちは、さらに楽しめる。
    無人島のコテージで起きる連続殺人、被害者の宿泊客たちには、過去に共通の秘密を抱えていた。
    この話は、ぜひ映像化してほしい、天草の海の景色、無人島のコテージの閉塞感、そして月日が流れた3年後のストーリー。映像が次から次に浮かんでくる。
    地域密着型の小説、次回はどこが舞台になるのだろう、、、

  • 島原湾に浮かぶ孤島に集まった8人の男女。
    そのうちの一人•樋藤は復讐のために同行したメンバーを殺害する計画を立てていた。
    ところが、樋藤が躊躇してる間に何者かによる殺人が発生し、その後も一人また一人と第一発見者が殺害されていく…
    その事件の3年後、クリーンセンター職員の横島真莉愛はゴミ収集の過程で、バラバラになった遺体を発見。被害者は最近起きた殺人の第一発見者で、第一発見者が殺害される事件が立て続けに発生しているのだった。真莉愛も第一発見者となってしまったため、次の被害者になるのを防ぐべく警察の監視下に置かれるが…

    クリスティの「そして誰もいなくなった」を彷彿とさせる第一部。同じくクリスティの某有名作品をオマージュとした第二部、の二段構えという珍しい構成の本格ミステリ。
    第一部は犯人視点の“犯罪小説”から探偵視点の“本格ミステリ”へと変調する予想外の展開が、否応にもリーダビリティを高める。
    第二部の主人公がゴミ収集業に従事する若い女性というこれまた珍しい設定で、女刑事を相方に据えて事件の謎を解いていくというプロットは新鮮。主人公•真莉愛のあけすけなキャラクターも気持ち良い。
    第一部と第二部の関連性は?というのが本書の大きな謎であるが、わりと早々に疑わしいキーマンが露呈する。その後もう一捻りあるのかな?と期待して読んだが、若干肩透かしにあったのでこの評価。内容の割には冗長で、動機や犯行プロセスの強引さは否めない。とはいえ、“Z世代”の若い作家でこの構成は野心的だし、大物感漂う。今後の作品にも大いに期待したい。
    ちなみに熊本出身の私からすると、作中に出てくる熊本弁は完成度高ゃーばってん、ネイティブな熊本弁ではなかごたる。そらしょんなか(笑)

    週刊文春ミステリーベスト10 13位
    このミステリーがすごい! 10位
    本格ミステリ・ベスト10 10位
    ミステリが読みたい! 15位

  • 「無人島に遊びに来た学生たちが、連続殺人事件に巻き込まれたー」って、これは『十角館の殺人』のオマージュではないかと気になり読書開始。

    第一部で無人島での殺人事件、第二部でその数年後が描かれていて、ちょっと無理矢理な設定もところどころ感じたがあっという間に読み終わった。

    作者がまだ二十代半ばの女性で、この作品が第二作目なんて驚き。これからますます活躍するのではないかと期待大。

  • ライトクリスティー。んー、割と楽しく読めました。
    読む前にどんでん返しがあるって知ったんですが、期待値が高過ぎたせいかそんなにどんでん返しがなかった。後半は特になかった。
    やや殺人に至る動機が弱い感じもする(九条の殺人動機はわかる。)けど、ヒューマンドラマ的な展開は、ミステリーというよりもゾンビ映画を見てるよう。
    舌を切断することでシリアルキラー味が出るのが肝心なんだけど、鋭利な刃物がない状態で舌をちぎるのはかなり至難の業だと思うし、そこにかける労力が動機と見合わない。
    前半部は、1人ずつ殺さずに一気に6人毒殺してからあとで死体を海に捨てて隠蔽するなり腐敗を進める工作をするなりできたんじゃないかなぁ。
    後半部の等身大の女性刑事は好感度高い。男社会でバリバリやる女性は、決してスーパーウーマンではなく職業意識の高い人間だと思う。令和の価値観が心地いい。

  • 大切な人を傷つけられた復讐のために殺人を計画した主人公が無人島に来たものの自分が手を下す前に復讐対象が次々と殺される。うん?どっかで似たような話を読んだような…思ったら「孤島の来訪者」でした。実際の進行は全然違いますが、そんなことで自分の人生を棒にふれるものなのか?と今回も思う。今回の主人公は殺害計画達成後は自殺する予定だったので尚更そう思いましたが、主人公自身も途中から思い始めてましたが異常な心理状態になっていたと。気づいてくれてよかった。。

    話が終わってしまいそうなのに本まだ半分なんですけど??と思ったら二部構成でした。二部のマリアちゃんといくこさんが好きでした。特にいくこさんの言葉が心に刺さるものが多かったです。一部と二部で話がどう繋がるんだろうと思ったら良い意味で予想を裏切られました。

    他の方も書かれてましたがマリアちゃんといくこさん、瀬名さんのキャラがとても良かったので続編出してほしいです。

  • 参加者全員を殺害するつもりで徒島旅行にやってきた、清嗣。
    ところが計画を実行する前に、人が殺されはじめ……。

    無人島というクローズドサークルでの連続殺人。
    警察がやってこれない状況での、推理合戦。

    ザ・ミステリという感じで、推理小説らしさを楽しめる。

    しかも、普通のミステリなら徒島の事件だけで終わるところ、さらなる事件に発展するなど、盛りだくさんな1冊。

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著者プロフィール

1998年福岡県生まれ。九州大学文学部卒。2022年第68回江戸川乱歩賞を本作で受賞しデビュー。

「2022年 『此の世の果ての殺人』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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