- Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
- / ISBN・EAN: 9784065328743
作品紹介・あらすじ
ずっとそこにあって、続いてきたもの。その漠然とした感覚を直視してみようと思った。1982年生まれ。物心ついてから今まで、遠くて起きていたこと。近くで起きていたこと。その記憶を重ねて、「社会」を語るためにも、まずは「感じ」を考えてみようと思った。〈今回の本は、自分の体験や思索を振り返るようにして、この社会に染み込んでいる「いやな感じ」はどういう蓄積物なのかを見つめようとした記録である。…同世代が読めば通じやすい話も出てくるが、特に世代論ではない。主題は史実や思い出ではなく「感じ」である。〉ーー「まえがき」より【目次】・なんか不穏・特有のウザさ・ケジメとは・土埃・まだずっと未来を見ている・遠くで起きていた・近くで起きていた・坂の上の家・見抜かれちゃうぞ・選ばれるとは・管理されたい・学ばないほうが・つながりたくない・自転車だから・Have Passion !・調整さん・ハイタッチ・ナンバーワン・オンリーワン・記憶とは現在・自分の責任だよね・社会の歩み方・自分語り・You・どげんかせんと・お前らにはわからないだろうな・ガールズストリート・私を信じて・震災の日、東京で・決めるのは自分・人権を消そうとする・悪口禁止・いやな感じ
感想・レビュー・書評
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ラジオを聴いて、いつも気になっていた方
初めて著書を読む。
時代の中で起きたことと自分の身の回りで当時起きていたことの間にある点を、少しずつ浮き彫りにしていくような感じ、一つの視点から見て、また別の視点からの否定や肯定を繰り出してくるリズム。読んでいて武田さんの語り口が脳内再生される。
違和感をどう見ていくか、いつも感じるあれは何なのだろうかと、たぶん全然違う感覚なんだろうけど自分のことにも置き換えてモノを見てみる。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
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<訪問>「なんかいやな感じ」を書いた 武田砂鉄(たけだ・さてつ)さん:北海道新聞デジタル
https://www.hokkaido-np.c...<訪問>「なんかいやな感じ」を書いた 武田砂鉄(たけだ・さてつ)さん:北海道新聞デジタル
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/945447/2023/11/28
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骨のある本です。何といっても「群像」に「「近過去」としての平成」(2020年4月号~2023年4月号)に、連載されていたものです。
この前桑田真澄がテレビで「自分は常に、常識を疑うことから発想していた」と。まさにこの武田砂鉄さんの論評は、常に本筋とずれたこと、簡単には共有できないこと、新聞を読んでも、テレビを見ても、ネットを眺めても、そこには「一体、これからどうしたらいいんだろう」という、不安だけが渦巻いている。
でも、自分で考え、自分で決めなければ、何も本当の「社会」「世の中は」見えてこない。
考える、いましばらく、絶対多数的な意見を一度立ち止まって考えてみることにします。 -
読了後、しばらく目を閉じる程ぐったりした。なんかいやな感じを読書中ずっと感じていたからなのか。*△の状態に慣れるというのが大人になるということなのか。*過去について考えることは「過去について考えている現在について考える」ということなのだ。*私はこの先を知っている、私の方がよく知っている、私は前もって知っていた、そればかりが繰り返されている。*視界はぼやけているけれど、それを見ようとする眼力をなんとかして保ちたい。
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世の中に「いやな感じ」っていっぱい転がっている気がする。いやの感じ具合は人それぞれ。20歳違いの著者のいやと僕のいや、どんな差があるのか確かめるために読みたい
#なんかいやな感じ
#武田砂鉄
23/9/28出版
#読書好きな人と繋がりたい
#読書
#本好き
#読みたい本
https://amzn.to/3rtQYlC -
砂鉄さんの新刊。昭和最後〜最近まで、当時のニュースと当時の自分を振り返りながら語っていく本です。タイトルどおり、ずっと曇天みたいな語り口なんですけど、たまにクスッとする突風が吹いてくる感じがクセになります。
砂鉄さんが自分と同い年なので、読みながら当時の自分も振り返って、高校生のときバーバリーのマフラー買ってもらったなぁ。とかビールのラベルは上って習ったなぁ。とか色々思い出しました。今は痛烈な批評をする砂鉄さんも新人時代は郷に入れば郷に従いまくってたと知って、なんか嬉しくなりました笑
こないだラジオの相談で砂鉄さんが、「誰かに嫌なこと言われて瞬時に言い返せなくてもいい、嫌なやつだなとずっと腹に溜めとく、誰かを自分の一言で変えてやろうと思わない」って言ってて。
我慢強い人だなぁ、と思ったけど砂鉄さんは文章に書くことで報復してるんだなーと思ったり。つい、やられたらそいつにやり返す、って考えちゃうけど、なんかおかしくね?ってぼんやり周知する行動で溜飲下げるっていうのは、情けは人のためならずな的な効果あるなと思いました。
私も自分の人生振り返って世相が自分に与えた影響とか考えたら面白いかもなーと思った本でした。 -
いつもの武田節。今回は、自身の人生とほぼ重なる、平成時代の振り返りを通して、現代の”感じ”を論考するもの。嫌な思い出もいい思い出も、自分が覚えておきたいことしか覚えていない訳で、当然、そこからこぼれ落ちているあれやこれやは数多存在する。旧友との会話など、何かのきっかけでってのはあるけど、基本的には”無かったこと”になってしまっているあれこれ。注意が向かない方に積極的に注意を払い、記憶から消したいことをこそ心に留め置く。そんな心がけからこそ見えてくる、他者の気持ちもありますわな。
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スッキリしない読後感がいいです。何度か読むことになりそう。
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さすがラジオで入試に採用された際、その問題を著者自らが解いたら不正確だったとコメントがあったのがよくわかる。
武田さんの著作は繰り返し読まないと理解できないな。
読んだ感じ…これもなんかいやな感じ。
だからしばらくしたら読み返してみよう。 -
筆者の過去は社会の情勢や地域の情景に絡めると、途切れながらも “いやな感じ” が発露する。そこに共感を求めていない。あくまで向き合っている自己に “迷い” や “違和感” を温存していく。結論はない。”感じ” はその形状を流動として捉え存続する。カテゴライズすら拒絶する。古い言葉で ”ファジー”、だが決して肯定的に落ち着いてはならない。なにせ、なんかいやな感じ、なのだ。