細川ガラシャ夫人 (三浦綾子小説選集)

  • 主婦の友社
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  • Amazon.co.jp ・本 (349ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784072301258

感想・レビュー・書評

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  • 戦国時代を駆け抜けた夫人の生き方に感動しました。改めて明智光秀のファンになりました。

  • 明智光秀の家臣でありひそかに玉子に思いを寄せていた初之助の想いが一切玉子に伝わらなかった。そういう関係性好き
    個人的な推しは、玉子はもちろん、佳代と煕子
    戦いでの殺し合いとか疑い合いが教科書で触れるよりもずっとそれぞれの家長の覚悟とか愛が関わっているのね。裏切っていないか推し量るために、嫌疑のある武将の家族を主君へ差し出すっていう制度が地獄すぎる。あの場面で玉子を人質に出していれば...!ってなった

    細川忠興の玉子への愛し方は異常とか狂気的だなって思ってて、最初はここまで愛してくれる夫はこの時代そうそういないし、幸せだなーって感じていたんだけど、
    玉子が忠興に信仰を告白した時、侍女の鼻と耳をそぎ落とすエピとか朝餉に髪の毛が混入していたから厨当番?の首を玉子にあげたエピとか、愛とか関係なく愛した人以外への心の傾け方どうなってんの笑

    明智光秀にしろ石田三成にしろ悪者ポジションだと思われる人って、語り手が誰の臣下なのかによってかなり本人の印象変わるよなー。今回は明智光秀の娘目線だったから明智光秀については家族思いの忠義固いお父さんっていう印象だし、人質を差し出せと言った石田三成は間接的に玉子を殺した最悪な人の印象。
    反対に、「関ケ原」の映画を見た時は、島左近とか大谷刑部とか三成の家臣目線とかだったからこんなに忠義を尽くした人だったんだ!感激!って思ってた私笑

    氷点の時も、キリスト教の根本の原罪について深く書いてあって、この細川ガラシャ夫人でも人が生まれながらにして持つ罪についていろいろ問答してたな。三浦綾子さんの考えをもっと知りたいと思った。

  • 苛烈な戦国時代に生き、男たちの野望に翻弄されることなくその信仰をまっとうしたガラシャ夫人の生涯を描く歴史長篇

  • 「三日天下」の明智光秀の娘 玉子の一生。 
    人の幸せって、自分の気持ちに正直あることなのか、生きながらえることなのか、愛する人が喜ぶことをすることなのか、いろいろ考えちゃう作品です。

  • 細川ガラシャ夫人、素晴らしい女性です。

    ただただ感動しました。この一言で十分です。

  • 細川忠興の妻であり、キリシタンでもあった玉(ガラシャ)が主人公の小説です。
    若干、主人公である玉に偏った解釈が見られましたがそれでも十分面白いです。

    しょっぱなから明智夫婦のラブラブっぷりにやられた。

  • ガラシャの生き方がとても良く描かれていると思います。
    三浦綾子さんの作品の中で、最も好きな1冊です。

  • 劇楽「細川ガラシャ」を演奏した事で、何か一冊読んでみたいなぁと思ってたまたま見つけたのがこの本。
    (普通、逆ですね…)

    お玉は私のイメージとは異なり、結構気の強い女性として描かれていました。
    (勝手に、物腰柔らかでか弱い人かと想像していました)

    女性視点での戦国時代が背景としてあり、女性の複雑な気持ちや悩みが細かに描写されていました。
    たまに出てくる男女の事は、女の子受けしそうな甘い感じでしたね。
    冒頭の、お玉の母が光秀に嫁ぐ時のエピソードとか。忠興がお玉に送った金のカルタとか。

    運命に翻弄され様々なことを経験していく中で、信仰に光を見出していき、徐々に身分の隔ての無い愛にあふれる生活を送るようになるのですが、私自身が無宗教なのでこのあたりの境地は正直分かりません。
    けれど戦乱の中、自らの苦しい思いが救われたのなら、手段が何であれ、お玉にとっては良かった事なのでしょう。


    ただ、巻き添えに鼻とかそがれちゃった侍女達はかなり気の毒…。

    時代は移り変わっても、人の思いには大差ないなぁと感じました。

  • 光秀って理想的な男だなぁと、読んでいると思う。娘の視点だからよけいそう思えるのかもしれないけれど。読んでいてどうして宗教を信じる人が人をあんなに勧誘するかの仕組みがとってもよくわかった。

  • 徳川将軍時代まで力を持った武将、細川忠興の妻、玉子こと洗礼名ガラシャ夫人を主人公とした歴史小説。三浦綾子初の歴史小説ということだったが、すばらしくおもしろかった上に、安土桃山〜戦国時代の何がなんだかわからない武将相関図が巧みなキャラ立ちと共にわたしの頭の中に出来上がりました。スバラシイ。
    この玉子夫人は信長の逆臣、明智光秀の実の娘であり、明智といえば主君を裏切った後天下を平定することもなくあっさり秀吉に討たれた「三日天下」と揶揄されるのが一般的で大河ドラマでも良いイメージが全くないのだが、そんな教科書的な固定観念はなんのその、この本の中では教養もあり心も美しく誠実で優秀な武将であった。信長によって切腹させられた亡き武将の声を幻に聞き、信長を討つ、という心を初めて抱く夕日の坂本城での場面が秀逸。

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著者プロフィール

1922年4月、北海道旭川市生まれ。1959年、三浦光世と結婚。1964年、朝日新聞の1000万円懸賞小説に『氷点』で入選し作家活動に入る。その後も『塩狩峠』『道ありき』『泥流地帯』『母』『銃口』など数多くの小説、エッセイ等を発表した。1998年、旭川市に三浦綾子記念文学館が開館。1999年10月、逝去。

「2023年 『横書き・総ルビ 氷点(下)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

三浦綾子の作品

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