炎の蜃気楼シリーズ(38) 阿修羅の前髪 (コバルト文庫)

著者 :
  • 集英社
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感想 : 14
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784086002820

作品紹介・あらすじ

禁忌大法完成の『国譲り』を行うため内宮に現れた信長の前に立ちはだかったのは、弥勒の時空縫合を破り"遙か未来のイセ"から帰還した直江だった。『魂核死の手形』を得るために信長の真の僕となるか、布都御魂を得るために戦うか、直江に選択の時が迫る。伊勢の市街地では景虎方と織田方の怨霊が激闘を繰り広げ、一方"黄泉"の世界では、礼が、流された天孫方の神々を集め始めていた。

感想・レビュー・書評

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  • 炎の蜃気楼38

    いよいよ後3冊か…。

    直江VS信長は、また直江の苦悩がだらだら続いて退屈だった。

    高耶にしろ、直江にしろ、饒舌だよね。宝塚のセリフみたいで、私は萎える。

    でもまあ、直江が後ろ向きな結論にいたらなくてよかった。それでこそ直江。

    布都御魂が失敗したのは意外だった。えーー。

    譲はますます妖怪じみてきた。なにナリタ草って。おもしろすぎ。

    いろいろな武将が入り乱れての戦闘は、正直言って読んでて疲れる。話の筋を見落とさな
    いようにするのが大変だった。

    哲哉にしろ隆也にしろ、私にとってはほぼモブ扱いだったんだが、これだけ本筋にからんでくるということは、結末までになんらかの一活躍があるんだろうか。

    隆也は特に高耶とキャラがかぶっていて、苦手だ。

  • 勝ち取るために戦うこと、踏みにじられないために戦うこと、
    虐げられないために戦うこと
    高耶の言葉は、
    守られたり平和ボケしたりしている現代日本人にとって
    耳が痛いし、とても大切だと思った。

    高耶の言う「生きる資格のない人間などどこにもいない」という言葉を一度は肯定しつつ
    「だが生きていても意味のない人間はいる。
    己の人生に意味が見出せない、生きていても意味がない。
    そんな理由で自殺を選ぶような輩は
    生きたくても生きられない人間にその命を譲ってやるほうがいい」
    という 信長の目指す世界、言う言葉も、全くの間違いには聞こえないのだ。

    だがこれに対する高耶の回答がまた頷ける。
    「生存本能とは肉体に宿るものでは無く精神に宿るものだ。
    魂は誰もみんな生きる意志を持って生まれてくる。
    ただどんな環境に生きるかで、不幸にも削られていくものもいる。
    生きる意志がないんじゃない。生きたくても生きられないこともある。
    摩滅させられてしまう」
    だからこそ誰にも助けの手を差し伸べる。

    レビューで、信長は直江のいない高耶かもしれないという言葉を見て
    確かにそうかもしれないと思った。

  • 直江、高耶のそばにいられなくても千羽鶴で高耶を刺客から守る。執念だ。

  • 部屋でひとり折鶴を折る直江、その部屋を訪ねる高耶さん―。こんなにも静かな2人だけの時間って初めてなんじゃない?このまま時間が止まってしまえばいいのに、と年甲斐もなく本気で願った。高耶さんや直江の、存在に対する真摯な決意が切ない。

    ミラージュってさ、たくさんの人の人生を狂わせたんだろうけど(腐的な意味で)、その何倍もの人を救ってきたんだろうね。

  • ここにきて戦国武将が大にぎわいです。真田幸村、島左近、小西行長などなど。原点回帰なんでしょうか。伊達さんも加わって大変華やかです。

    久しぶりの高耶さんと直江さんの時間、静穏な時間ってかれこれ何巻ぶりだろう~。一瞬で終わってしまいましたが、貴重です!
    ミラージュキャラをみていると諦めないしぶとさやなにがなんでも次に繋ぐ執念深さに圧倒されます。
    できればその諦めの悪さで高耶さん生き残ってほしいなああ!
    なんだか高耶さんの次世代を担う隆也くん登場のおかげで、フラグがビンビンなんですけど~
    信長様は、直江さんのいない高耶さんなのかもしれません。
    あと2巻…!

  • 源平合戦・南北朝のビッグネームに遅れてやってきた豊臣さん家、相も変わらず入り乱れて賑やかに戦闘中。
    不覚にもN氏に心動かされる日が来るとは。

  • 熱冷めてきたし・・・

  • 炎の蜃気楼-38

  • 「……わかっちょる。わかっちょる!だがこの手で復讐しなければ、この怒りはどうにもならん!」
    -
    「自分が流された痛みより、愛した人たちを奪われる痛みのほうが、ずっと大きいんだ!」
    -
    諦めず、闘い続けることは苦しいだろうに。
    苦しいだろうに。

    言葉なんか、もうでてきやしない。針の穴にも満たない可能性に、身も心も投げ出すおまえに、オレはどんな言葉をかければいいだろう。なにを言ったらいいのか言葉が見つからない。おまえへの気持ちを表す言葉なんて、紡ぎすぎて、もうとっくに飽和してしまった。


    折り鶴。直江!
    幸村とか勝家とか大楠公とか将門とか清盛とか……なんなんですか。笑

  • 実はこれがリアルタイムのミラージュ1冊目でした。遅すぎる。
    個人的には表紙がお気に入りですv

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著者プロフィール

千葉県生まれ、東京都在住。中央大学文学部史学科卒業。「風駆ける日」で1989年下期コバルト・ノベル大賞読者大賞を受賞後、90年『炎の蜃気楼』でデビュー。同シリーズは累計680万部を超える大ヒットとなる。他の著書に、今作を含む「西原無量」シリーズ、『カサンドラ』、「赤の神紋」シリーズ、「シュバルツ・ヘルツ」シリーズなど多数。

「2023年 『遺跡発掘師は笑わない 災払鬼の爪』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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