チェックメイト〈後編〉―ブラック・キャット〈4〉 (コバルト文庫 あ 2-17)
- 集英社 (2003年12月25日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
- / ISBN・EAN: 9784086003629
作品紹介・あらすじ
家政婦・田原忍に出会って挨拶してしまい、やむなく髭を剃り落とした明拓とともに岸和田美術館に下見に現れた広瀬千秋。絵画を盗むべく侵入しようとしたら、そこには長期休暇を取った私服の刑事・山崎ひろふみがいた。互いのいちばん大切な人を守るため、メンバーとあのひとの命懸けの戦いが始まる-!!果してキャットたちの未来は?素子ワールド炸裂の感動の最新作、終幕へ。
感想・レビュー・書評
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ようやく読み終わり あとがきの日付が平成15年で初版が2004年1月
確認したらシリーズ最初の本の初版が1984年1月、ということはシリーズ完結まで20年!!
80〜90年代 途中受験やらなにやらいろいろしてたら読み逃してるのもありやなと実感
図書館で新井素子で検索かけてあれ?これ最後まで読んでないよね?とシリーズ通して読み直してみてスッキリした!これで著書新井素子の本は全て読了だと思う(アンソロや雑誌のみ掲載分は手が回ってないけど)
物語の感想は終わりよければ全てよしなハピエンにもっていったなぁ 山﨑ひろふみキャラの力技w
珍しいノンSFかと思っていたら
ラストにキャットがテレポーテーションの超能力者設定出てきた そういえば伏線は貼られてたよねと思いつつ伏線に気づけないほどのシリーズ刊行ペースで私のように途中離脱してる人も多そうでもったいない作品詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ブラックキャット 完結
久しぶりに読み返して
懐かしかったなぁ
あの人、とか、指示語が多いのがちょっと面倒w
山崎ひろふみ、いい味だしてる(^^)
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うん、これ、読んでなかったよ。
しかし、設定がすごいよな~。
といいつつ、楽しんで読みました。 -
コミック・ラノベ・BL
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カバー絵 / 四位 広猫
本文イラスト / 山崎 博海
装丁 / 中島 慶章 -
18年ごしのシリーズ完結。
なので、これは読むしかないでしょう(少女だった私がもはやオバさん)。
このシリーズの一貫したテーマは“家族愛”
―だと思う。
親に恵まれない主人公・千秋と、家庭を知らず恋人に裏切られた(と思っている)キャット、虫も殺せないスナイパーの明拓。この3人がトリオを組んで泥棒しながら、擬似家族しているうちに、いつしか本物の家族になっていく物語。
家族への愛と、男女(恋人)への愛は“違う”のだ。
質が違う―
という話で…
でも、最後はもっと深い人と人の愛というか信頼感を描いたのだと思う。
遠く離れていても、会えなくても、それでもその人が好き、愛している、また会える(この世じゃなくても)、という信頼感じゃないだろうか。
それは人間の素、という感覚に通じると思う。
深刻になりそうなテーマに笑いを添えている「山崎ひろふみ」。彼が出てくると一見おちゃらけているようにみえる筆致になっちゃうけど、今回は最終話で、最終対決という重いテーマなので
これは大事な要素だったと思う。
惜しむらくは、コバルトさんの嗜好だ。
…最近はカバーがほぼすべて“マンガ風”になってしまっている。
昔はもうちょっと落ち着いたイラストで、読むものの想像を掻き立てるものがあった。ファンタジーがあった。
あまりに露骨な表現は、想像力が減ると思う。
若者に好まれるように配慮したのかもしれないが、“文学少女”だった私から言わせてもらえば、この表現はかえって食傷となる。
せめて中堅の作家さんたちのカバーは、もう少し考えて欲しいものがある。 -
ブラックキャットシリーズ第4弾。後編。
面白い面白くないで言えば、情緒的……だなぁ。
むむむ。なんというか文体ではなくキャラクターの乱れが激しい。それは挿絵の関係でもあるような気がするし、山崎ひろふみ現象のような気がする。
あとがきによれば、山崎ひろふみにより、主要登場人物が2人減ったそうな。12話ありそうな話が4話になったそうな。
元の話どんなんだったんだろ。
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完結する日がくるとは・・・。読み始めたのは確か中学生の時?
この発売を知ってアマゾンで購入しましたが、当時そんなものが出来ようとは想像もつかなかった。 -
……今でも読み返せないです。
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「ブラック・キャット」シリーズ、ほんとの最終巻です(笑)。
オペレーション「チェックメイト」の決行日が近づいてくるわけですが、それにかかわる人物すべてに、「意外な事態」が少しずつ起こってきます。これは不測の事態であったり、個人レベルでの計画変更であったりして、当初の計画とはちょっと変質してくる。でも走り出した計画を止めるわけには行かず、ソフトランディングの可能性も考えられず…と新井さんの物語ににしてはハードな感じです。「星へ行く船」シリーズの「通りすがりのレイディ」にちょっと似ているかもしれません。
とはいっても、黒木さんとその相手がライフルのスコープをはさんで対峙するとか、キャットが千秋を傷つけるなどといった緊迫感あふれる(ある意味かっこいい)ドラマチックさとは違う、甘やかさを含んだ緊迫感ですね。舞台となるある部屋での、この終盤は非常にドラマチックで美しゅうございますー。それにどかーんと花を添えちゃうのが山崎刑事だ(笑)。バッド・エンディングもありかなと思いましたが、これでよい終わりかただと思います。キャットがある欠点を抱える理由、千秋をパートナーに選んだ理由が明かされますが、これも新井さんらしい味付けです。
この作品を読んだのは本当に久しぶりなのですが、お茶やお食事のシーンが多いことにあらためて気づきました。この間読んだ、阿川佐和子さんの「スープ・オペラ」の温かさに通じるように思います。後書きも楽しく読みました。山崎刑事は新井作品のキャラの中で、唯一ライフデザインができているキャラだそうで、「そうなの?」という小ネタが書かれており、新井作品をもう一度読んでもいいかな、と思いました(機会があればね:笑)。「もしも御縁がありましたならば。/いつの日か、また、お目にかかりましょう―。」という締めも懐かしく本を閉じました。
クライムノベルとすればヤワな部類のストーリーテリングですが、むやみに人が死なない(ちょっと例外があるけど)点が私の好みでもあるのでこの☆の数です。ありがとうございました。
☆感想をシリーズで並べておきたいので、「たまにこぼれてくる記憶」のノートにもアップします。