異人館画廊 盗まれた絵と謎を読む少女  (コバルト文庫)

著者 :
  • 集英社
3.58
  • (89)
  • (209)
  • (211)
  • (43)
  • (10)
本棚登録 : 1978
感想 : 177
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784086017886

作品紹介・あらすじ

独自の意味を背景や小物として描きこんだ絵画=図像(イコン)。英国で図像学(イコノグラフィー)を学んだ千景は、画廊を経営する祖父の死に際し帰国するが、ある図像を鑑定するように依頼され…。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 図像学という研究分野を初めて知った。興味深いが怖がりな自分には難しい学問かもしれない。

    千景の過去の事件。両親のことを愛せない。その分、祖父母はよくしてくれた。日本では変わった子でしかなかった千景。イギリスで飛び級で修士号が取れるくらいの秀才。それでも年上の人に交じって学問を追及する大変さがあったようだ。

    今回は盗まれた絵を奪還するお話。何やらその絵には謎の図像があるようで・・図像学者の千景に協力依頼が入る。幼いころ、千景を救ってくれたのは?
    すごく大人な女性のように話すが、主人公は18歳の設定なんだ。飛び級するだけある。もっと18歳らしく生きれればいいのにね。

  • 帯にある書店員さん達の感想通り面白かった。図像学とは初めて知りました。リバティ,モリス、紅茶等イギリス好きなので、ツボです。
    透麿と千景の会話が好きです。千景の書いた絵に心を奪われたままなんですね。何かしらのメッセージが込められていたんじゃないかと。千景は図像術の書けるんでしょうね。誘拐犯も千景の絵を見て自殺してしまったのかと…深読みかしら。
    カゲロウさんとは何者かしら?
    千景って名前と関連アリかしら?
    千景のパパさんだといいな。
    シリーズ化するでしょうね。2人の糖度も少し出てくるのを期待して。

  • 「思い出の時修理します」がとても好きな本なのと、表紙イラストに惹かれて購入。図像術という今まで知らなかった分野に興味が湧いた(ダヴィンチコードみたいなもの?)。ただ、千景が天才だとしても18歳で修士取得済みというのは流石に飛び級させすぎでは?22歳で取得ならなんとなくわかるが、、おばあさんの影響や過去のこともあり言動もとても大人びているので、18歳設定にしなくても…と思う。透真が千景を思う気持ちも説明があったが、それだけで生涯守ると思える?もう少し説明がほしかった。ただ今後の展開も気になるので続編も読んでみようかな

  • 本屋さんで特集が組まれていたので試しに買ってみた本。キャラも魅力的で、絵画の隠れた魅力も知ることができて、続きも早速買ってきた。

    主人公のツン加減が良いです。

    2022.8.13
    112

  • 主人公どちらかの一人称で書いた方がよかったのかも?と読み返して思いました。千景ちゃんのキャラが意味不明すぎてまるで入り込めないので・・・。慣れたら面白いと思えるかも。全体の雰囲気自体は少女趣味的で素敵。人物紹介の巻ですね。思い出の~シリーズの方が個人的には合っているようです。

  • 宗教画を見るときに誰なのかを判別するために持ち物に注意していたけど、図像学という言葉をは、の本で初めて知った。危険な図像があるかどうかはともかく、図像のことや登場人物の過去がストーリーに上手く絡ませてあって読みやすく面白かった。もっと勉強して、作者が絵に込めたものを読み取れるようになりたい。

  • [内容]
    独自の意味を背景や小物として絵画に書き込む手法、図像。英国で図像学を学んだ千景は、祖父の死を機に日本に戻ってきた。祖母が経営する画廊には一風変わった仲間たちが集っており人付き合いの苦手な千景は戸惑うばかり。そこで千景はある盗難絵画の鑑定を依頼されるが、仲介者が昔から気の合わない幼馴染みの透磨だと知って…!?

    ---
    嫌いではないけど、それほど好き!ってわけでもなかったかな。千景も可もなく不可もなく…あまり感情移入はできなかった。一冊でお腹いっぱい、次回作はちょっと見送り。

  • すれ違いまくりの二人の行方が気になります。

  • タイトルで誤解されそうですが、ミステリというより少女小説です。
    このお話を好きになるかは透磨にときめけるかどうかがすべてだと思います。図像学というのも面白いですね。実際にある学問らしいです。ただ、それで死にいたる絵というのがファンタジーかかってます。設定は面白いけどストーリーがほんの少し残念な所もありました。絵を守るはずなのにあの対処はよいのかなとか。透磨と千景の過去や今後が気になるので、お気に入りになるかは続編次第です。
    後、京兄さん、空気読めなさすぎです。悪い人じゃないを差っ引いてもお釣りがきますよ。
    それから、表紙絵も好きです。俯きがちで視線を合わさず、椅子一つあけた二人の距離感とぎこちなさが良くでていると思います。

  • 図像術そのものが、文面だけでは、なかなか伝わってこないのが、少し残念だった。千景と透磨との恋の行方は、予想通りの展開だった。

  • 絵を読み取る勉強をして海外から戻ってきた少女が、幼馴染の透磨と一緒に事件を追う話。まだシリーズ始まりだからか、イコノグラフィーを読み解くシーンが、最後の最後でやっと出てくるので、途中までただの女の子状態でもう少し早く違う絵でも発揮してほしかったような。なかなかないから仕方ないのかもですが。二人の距離感が少しだけ縮んだようなので、この関係がどうなっていくのか続きは気になります。

  • 絵画に込められた独自の意味を読み解く“図像術”
    ものすごーく興味深い!
    が、話の内容的には分かりやす~い展開。
    もっと図像術にフォーカスした内容を期待してたので、ちょっと残念。
    少女漫画のような軽さで、サラッと読める。

  • 出だしや設定は好みで、ふと気づけば物語の中に引き込まれている谷瑞恵さんの文章は相変わらず魅力的だったけれど、お話自体の面白さとしては微妙なところ。

    主人公にいまいち共感できず、他の登場人物も個性的ではあったが十分に活かしきれていないと感じた。

    「そもそも、図像術で本当に人を殺せるのだろうか……?」と引っ掛かりを覚えてしまったあたりで、この作品を純粋に楽しむことが出来なかったのかもしれません。

    本作で回収されなかった伏線が気になるので、取り敢えず続刊に期待。

  • 美術的なことは興味深いけど、まあ、コバルト文庫だなーって感じの軽さ(いい意味でも悪い意味でも)。キャラが強すぎて少女漫画っぽさを感じた。恋愛小説として読めばかわいい。ミステリにしてはちょっと物足りない。

  • ★3・5ぐらい。
    図像学の専門家である少女が、盗まれた絵画をめぐったトラブルに巻き込まれる。

    美術ミステリーを謳っていて、それなりにラストに蘊蓄も出てくるのだが、絵画鑑賞の目が弱いのか、いまいち。それを除けば、中高生向けのライトノベルとしては面白い。大人が読む小説としては片手落ち。

    主人公の性格が悪く(幼い頃の事件と家庭環境が原因らしいが)あまり教養がなさそうなのに、十八歳で英国の大学で修士号で、しかも現地で研究職にあった、という設定にかなり無理があったので、前半部は白けてしまう。登場人物も、アニメか漫画のキャラっぽいテンプレ。

    こういう教養系ミステリは、売れ筋だと思って編集者が二番煎じで企画したのかもしらんが、作家のその手の素養がかなりないと、うまく題材を料理できない。それが悪く出ている感じ。

    そもそも表紙が画廊っぽくなく、ただの絵を飾った英国風喫茶店という感じ。描かれた絵が、ただの模様みたい。こんな画廊あるか!

    タイトルは「乙女イコノグラフィー」とか、そんな軽いので良かったんじゃないか。表紙と裏の粗筋から、祖父の遺言した相手が誰だか分かってしまうのでおもしろくない。

    ミステリのわりに、あまりドキドキはらはらしなかったなあ。

  • 図像というテーマに興味がわきました。

  • 魅力を感じない主人公に、振り回されている他キャスト、、、イライラするわぁこの構図。

  • 恋愛ものとして読むと可愛らしいカップルで微笑ましいのですが、物語の中核になってる絵に関しての描写、考察、専門知識等が浅いので、恋愛ものとしてしか楽しめない感じ。

  • 題材が図像術というのが、斬新で面白かった。
    谷さんの文章はどこか温かさがあるし読んでて
    ほっとするのだけれど、ストーリーは図像術以外、簡単に解けるようなものだったし、続編のための伏線をはりすぎて若干散らかり気味だった感じは否めない。

  • 好きな作家さんだけど、発売に気付かなかった☆不覚

    良かったです!

    「図像学で絵画を読み解く」なんて、どんな小難しい物語(笑)になるんだろう?と思ったのですが、
    途中で詰まることなく話にのめり込むことが出来ました。

    この話、きっと続くよね?
    続いて欲しいなぁ *^_^*♪

全177件中 1 - 20件を表示

著者プロフィール

三重県出身。『パラダイスルネッサンス楽園再生』で一九九七年度ロマン大賞佳作に入選しデビュー。「伯爵と妖精」シリーズ、ベストセラーとなった「思い出のとき修理します」シリーズ、「異人館画廊」シリーズ、『がらくた屋と月の夜話』『まよなかの青空』『あかずの扉の鍵貸します』『ふれあいサンドイッチ』など著書多数。

「2023年 『神さまのいうとおり』 で使われていた紹介文から引用しています。」

谷瑞恵の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×