愛よいま、風にかえれ(後) まんが家マリナ黒鈴事件 (まんが家マリナシリーズ) (コバルト文庫)
- 集英社 (1988年1月8日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (248ページ)
- / ISBN・EAN: 9784086111218
感想・レビュー・書評
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ガルネリにアマティ、ヴァイオリンの名器の数々と
美しい音色が聞こえてきそうな優雅な背景とは真反対に、
どんどん苦しみが深く濃く…。
愛する人の死が迫る中、死と向き合い
それを音で表現しきるなんて。
あまりに苦しく過酷な課題曲を前に、
絶望の淵から希望の光へと変換し、
生死を越え優しく豊かな愛を讃える曲へと
解釈を変貌させるシーンは圧巻。
たとえ肉体はなくなろうとも、自由な魂となり、
終わりのない風へと還り、永遠の愛となる。
愛とはエゴで、美しい側面だけを持ちうるものではない分
苦しみも葛藤も多く、罪深い。
苦しい…と嘆き悲しんでいるところに
当時もすごく楽しみだった、ひとみ先生の「あとがき」で、
次は軽妙な作品だから「ファイトぉ!」と励まされ癒される♡
忘れてるもんだなぁ。がんばろう![笑]詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
愛するが故に悲劇が悲劇を呼ぶ。ただ想うだけでは自分を抑えきれず、苦しみぬいた上での行動とはいえ、それぞれがあまりにも切ない結末へと向かっていく。タイトルにもある「風」に関わる詩(正確には手紙の文章だけれど)は何度読んでも胸が痛くて、溢れる涙を止める術がみつからない。風に還って、あなたのそばにずっといたい…積み重なった罪があまりにも重すぎるからこその言葉でもあるかもしれない。ラストで更なる衝撃の事件が!!…読んでて本気で心臓が痛くなる。
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