愛よいま、風にかえれ(後) まんが家マリナ黒鈴事件 (まんが家マリナシリーズ) (コバルト文庫)

著者 :
  • 集英社
3.60
  • (8)
  • (10)
  • (23)
  • (1)
  • (0)
本棚登録 : 108
感想 : 4
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (248ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784086111218

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • ガルネリにアマティ、ヴァイオリンの名器の数々と
    美しい音色が聞こえてきそうな優雅な背景とは真反対に、
    どんどん苦しみが深く濃く…。

    愛する人の死が迫る中、死と向き合い
    それを音で表現しきるなんて。
    あまりに苦しく過酷な課題曲を前に、
    絶望の淵から希望の光へと変換し、
    生死を越え優しく豊かな愛を讃える曲へと
    解釈を変貌させるシーンは圧巻。

    たとえ肉体はなくなろうとも、自由な魂となり、
    終わりのない風へと還り、永遠の愛となる。
    愛とはエゴで、美しい側面だけを持ちうるものではない分
    苦しみも葛藤も多く、罪深い。

    苦しい…と嘆き悲しんでいるところに
    当時もすごく楽しみだった、ひとみ先生の「あとがき」で、
    次は軽妙な作品だから「ファイトぉ!」と励まされ癒される♡
    忘れてるもんだなぁ。がんばろう![笑]

  • 第1巻で描かれた、許されない愛。抑えてきた愛。我慢して我慢して我慢して、遂に自身が耐えきれなくなって起こった事件。
    すれ違っていた2人の心が繋がるこの話。

    昔読んだ頃は最推しの薫メインの話うれし〜!くらいに読んでいたが大人になって読むと、巽の深い愛に涙ぼろぼろ。薫…薫…!

    もちろん許されることではないけど、どうか巽も薫も来世で幸せになりますようにと願わずにはいられない。そしてそこまで登場人物に感情移入できる藤本ひとみの文章に拍手。

    巽さんからの手紙は昔も今も泣きますね。素敵な文章なのでここに記録させていただきます。

    『子供のころ、人が死ぬと、地・風・火・水のどれかに還ると聞いたことがあるだろう。
    僕は風に還るよ。
    この四つの中で風だけが、始めも終わりもなく、永遠だからだ。
    僕は風に還る。
    そうしておまえの傍に戻るよ。
    その後は、もうおまえから二度と離れることはない。』

    『愛よいま、風にかえれ』 …題名にまた涙。

    そしてマリナ。あなたは和矢に対してもっと素直に優しくなりなさい。

  • 愛するが故に悲劇が悲劇を呼ぶ。ただ想うだけでは自分を抑えきれず、苦しみぬいた上での行動とはいえ、それぞれがあまりにも切ない結末へと向かっていく。タイトルにもある「風」に関わる詩(正確には手紙の文章だけれど)は何度読んでも胸が痛くて、溢れる涙を止める術がみつからない。風に還って、あなたのそばにずっといたい…積み重なった罪があまりにも重すぎるからこその言葉でもあるかもしれない。ラストで更なる衝撃の事件が!!…読んでて本気で心臓が痛くなる。

  • <div class="booklog-all" style="margin-bottom:10px;"><div class="booklog-data" style="float:left; width:300px;"><div class="booklog-title"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4086111217/mikeneko07-22" target="_blank">愛よいま、風にかえれ―まんが家マリナ黒鈴事件〈後編〉</a></div><div class="booklog-pub">藤本 ひとみ / 集英社(1988/01)</div><div class="booklog-info" style="margin-top:10px;">Amazonランキング:位<br>Amazonおすすめ度:<img src="http://booklog.jp/img/0.gif"><br></div><div class="booklog-link" style="margin-top:10px;"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4086111217/mikeneko07-22" target="_blank">Amazonで詳細を見る</a><br><a href="http://booklog.jp/maoribook/asin/4086111217" target="_blank">Booklogでレビューを見る</a> by <a href="http://booklog.jp" target="_blank">Booklog</a><br></div></div><br style="clear:left"></div>

全4件中 1 - 4件を表示

著者プロフィール

長野県生まれ。西洋史への深い造詣と綿密な取材に基づく歴史小説で脚光をあびる。フランス政府観光局親善大使。著作に、『新・三銃士』『皇妃エリザベート』『シャネル』『アンジェリク緋色の旗』『ハプスブルクの宝剣』『王妃マリー・アントワネット 華やかな悲劇のすべて』『幕末銃姫伝』『i維新銃姫伝』など多数。青い鳥文庫ではKZのほかに「妖精チームG(ジェニ)」シリーズ、『マリー・アントワネット物語』『三銃士』も手がけている。

「2019年 『探偵チームKZ事件ノート 特装版 校門の白魔女は知っている』 で使われていた紹介文から引用しています。」

藤本ひとみの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×