月下の一群 2 (集英社文庫(コミック版))

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  • 集英社
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感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (296ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784086176705

感想・レビュー・書評

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  • 気恥ずかしい感想だが……、なんておしゃれなんだッ……! と身悶え。

    作者のデビュー間もない作品。
    名作「少年は荒野を目指す」前夜。
    そこまで深層心理学にカブれていないころ?
    あるいは好みを抑えて読者に向けている?

    単行本が1983年というから私の誕生年。
    作者は1959年生まれなので、ほぼ母と同い年。
    果たして当時こんな大学生活があったのか……!?!?

    私は意地が悪いので、凡百の作品ならば糞スカしてやがると云い捨ててしまいそうな題材だが、いかんせん、登場人物全員が大変好ましいのだ。
    結果的に中心となるカップルの男女それぞれが、ハーレム状態(愛され状態)になるのに、全然嫌味じゃない。
    ああ……身悶え……こんな大学生活を送りたかった人生だった。

  • 1/6 再読
    政親の見合い相手だという主子(しゅうこ)は中性的な美人で、家のことも絡んでいるために政親は無碍にできない。主子は危なかっしく、飄々としているようで傷つきやすい。根っこの部分が政親と似ていて、だからこそ政親は主子を放っておけなくなる。主子は愛車で事故を起こし、政親が見舞いに通って結婚するらしいことを聞いて、毱花は距離をとる。しかし政親は主子に別れを告げ、毱花を選ぶのだ。
    人を愛すること、独占したい気持ちはかなりエゴに近く、扱いが難しい。吉野朔実の描く恋愛漫画を読むと、ほとんど他人に惹かれたことない私はますます恋愛という概念への謎が深まるのだが、一様ではない複雑なものだろう。ただ、互いを思いやらないと持続しないというのが分かったような気がする。主子に惹かれた気持ちがあったことをはっきりと毱花に告げる政親の誠実さは好ましい。

  • でもってこれで完結するのだけれど、私の記憶にある生パンはお腹壊すだとか(これはpart 2の冒頭)、あるいは花火のシーンだとか(クライマックスだね)は、おそらくpart 2だけはコミックスを買ったという事じゃなかったのかなと推理する(もうね、記憶が曖昧で)。花火はぶーけで見たのかも知れないな。

    思うところあってというのは、吉野朔実について、熱心に連載を追いかけたのは、「少年は荒野を目指す」からで、その前をちゃんと読んでないなということが気になったからなんだが、こういっちゃなんだけど、あのころ、漫画って雑な絵を描いても許されてたねぇ、という感じ。気合いをいれて書き込むコマはあるけれど、そうでないところは手を抜く、書き込みだけじゃなく、構図やデッサンも含めて。でも、その緩急というか、ギャップが良いんだろうね。旨く緊張を緩和するようになってて。思えば、軽井沢シンドロームなんかもこの時代だし。

    wikipediaでは、吉野朔実と言えば双子がどうのこうのと言いたがる人が書いたようだけれど、このころでは、もちろん姉弟の関係はあるけれど、重要なのはむしろ親(特に、父親)との関係性じゃないかというところ。で、それは当然だったんだよね。あのころ、まだ、家族というものはそんなに希薄じゃなかったし。

  • 図書館で読みました。
    淡々とした雰囲気が好きだと思いました。
    でも、10代の時とかに読んだらあまり好きではなかったかもしれない。

  • 「月下の一群」は、大学のサークルボックスで誰かが買ってきた「ぶ〜け」で読んでいました。四半世紀前のこと。あの頃、どんな気持ちでこの毬花たちの物語を読んだのだろう? 同じ大学生だっただけに自分たちとは違う彼らに憧れ、羨んでいたのではないかしら。頼りない毬花が、少しずつ自己主張できるようになるのが微笑ましい。学生寮、三角関係、花火。青春よのう。

  • Part2では世を拗ねた主子(しゅうこ)が政親に絡んで、期せずして渦巻く三角関係。面と向かって闘うのではなく、意を強くして離れてしまう茉莉花のスタンスにすごーく共感した記憶は、今も鮮明。

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