君は僕の後悔 2 (ダッシュエックス文庫)

  • 集英社
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感想 : 3
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  • Amazon.co.jp ・本 (296ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784086314428

作品紹介・あらすじ

浅田結弦は、中学時代の恋人、水野藍衣と再会し、数々の対話を経て再び心を通わせた。
一つの『後悔』を乗り越え、平穏な日々を取り戻した結弦。しかし、落ち着いたのは束の間、今度は読書部員の『小田島薫』の様子がおかしくなり始める。
部活に来なくなるのを皮切りに、学校も無断欠席し始める薫。
薫を大切に思うのと同時に、彼女の『事情』の一端を知る結弦は、薫のために奔走し始めるが……薫はことごとくそれらを拒絶した。
薫の心に生まれた新たな『後悔』と『孤独』が、二人の関係性を大きく変えてゆく。後悔を抱えた少年少女の、恋と対話の物語――第二弾。

感想・レビュー・書評

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  • 初めて表紙のイラストを見たときには衝撃が走りました。いつも飄々としている小田島薫。そんな彼女の内側に、これほどまでに歪んだ表情をさせる激情が秘められていたとは…。家族との関係性と弓弦への気持ちの両面からグチャグチャになる薫の心の動きに打ちのめされた今回でした。そして全てを理解していそうな藍衣は一体何を考えているのだろうか…。読書部の幽霊部員である名越先輩が存在感を出してきて、この先彼女が物語にどう絡んでくるのかが気になります。続きがとても楽しみです。

  •  2021年11月刊。高校生・結弦(ゆづる)が、中学時代に別れた、不思議ちゃん系の恋人・藍衣(あい)と高校で再会し、彼女との対話を経て、互いの距離感を掴むに至ったのが、前巻。
     本巻は、結弦と同じ読書部に所属する同級生・薫の家庭の事情にまつわる物語だ。彼女が何かしらプライベートで問題を抱えているのは、前巻で匂わされていたが……。
     本巻で明かされたのは、彼女の母親の放埒な男性関係という、かなりヘビーな事情だった。しかし「母親の愛人に、薫が性的関係を強要される……」という最悪の状況にまではいってなかったので、そこは一安心。
     閑話休題。「結弦と藍衣が心を通わせた以上、結弦に恋愛感情を抱いている自分は、彼に苦境を訴えることできない」と自分の気持ちに蓋をし、自縄自縛のまま、苦悩する薫の心情がいじらしく、読んでいて辛かった。
     そんな彼女が、結弦との海への逃避行の果てに、彼の献身(お節介ともいうが)によって、かたくな心の壁が決壊し、互いの心情をぶつけ合い、二人して号泣する場面は、本書の白眉だ。そこから万事が円満解決のエピローグへ至る道筋は、そこまでの展開に、あまりにも閉塞感があふれていただけに、カタルシスが半端なかった(薫の常食であるカップラーメンという小道具の使い方も絶妙で、感心した)。
     自分の恋情と唇(笑)を、結弦にぶつけた薫。本妻(?)・藍衣も、薫に正々堂々と渡り合う構えなので、どちらを結弦が選ぶのか、今後の展開を注視したい。
     次巻は、本巻より登場した、自傷癖のある李咲(りさ)先輩に、結弦が関わる話になるのだろう。これまた先輩は、相当ヘビーな事情を抱えていそうなので、結弦が、どのように彼女を「解放」するのか、楽しみだ。
     また本来、天然系の藍衣が、李咲を「怖い人」と評したのが、かなり意外だったし、何故、そう評したのかが気になったのだが、果たして……?

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