- Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
- / ISBN・EAN: 9784086800013
作品紹介・あらすじ
ブロンズィーノの贋作の噂を聞いた千景と透磨は、高級画廊プラチナ・ミューズの展覧会に潜入する。呪いの絵画の鑑定を依頼された千景は、その絵が展覧会にあった絵とタッチが似ているのに気付き…!?
感想・レビュー・書評
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危険な絵の図像を読み解き,贋作事件を解決する。千景と透磨の屈折した関係と微妙な距離感。二人が肝心な所で協力しないため,危険な目にあうのが残念だ。
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今回は贋作師との対決。といっても、実際に相対する訳ではないけれでども。西ノ宮画廊さん以外にも同業者が出てきて、なんだか緊張感が走る。。千景の過去のことも少しずつ分かってきた。贋作を生業としている人がいる?望月先生のホームズシリーズに出てくる円生を思い出した。
今後、千景と透磨がどうなっていくのか、気になる。 -
美術に絡んだ探偵もの。
ミステリというには軽く、ぎこちない恋愛の行き違いもあったりと若々しいけど、芸術の暗部を扱う陰影も含んでいます。
表紙イラストに惹かれて読みました。
じつはシリーズ2作目だったんですね。
最初ちょっと入りづらいと感じたのはそのせいでしょう。
千景は、英国で図像学を学んだ早熟な天才。
祖母と暮らすために、帰国しました。
祖母は屋敷の一部を改装して「異人館画廊」とし、祖父の絵を展示し、常連のためにささやかに喫茶もやっています。
千景は幼い頃に両親が離婚、その時どちらにも望まれなかったことがトラウマになり、祖母以外の人間にはなかなか心を開かなかった。
とはいえ、この頃には既に友達というか~仲間はいるんですね。
若き画商の透磨も仲間の一人。
子供の頃から知り合いの透磨は、千景と顔を合わせるたびに憎まれ口を利いてしまうが、傍目には特別な存在なのはありあり。
お互いにまだ全然、恋愛とは思っていないのだけどね。
イタリアの画家ブロンズィーノの贋作が出回っているという噂があり、千景は展示を見て回ることになる。
高級画廊の展示会にまぎれ込んだが、贋作は見つからない。
死の舞踏がテーマの絵には、ある秘密が隠されているという‥
関係者に事件が起き、さらに‥?
「思い出のとき修理します」と同じ作者なんですねえ。
普通の子と優しい彼が主人公だった「思い出‥」とは、話も雰囲気も真逆かも。
これぐらいのふり幅はあったほうが楽しいかな。
最初の刊を読まなくちゃ☆ -
瑠衣さんが好きです。
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贋作師の作品を挿絵で見たくなる。
千景と透磨の絶妙な距離感が好き。
お互い素直になれない所と鈍い?性格がすれ違いを生むことが多い。
千景の気持ちや心理展開に共感を得る。
巻末で二人の心の距離が少し縮まる際の光景が好き。 -
一作目ほどグイグイではなかったのですが、こちらも面白かったです。
こう言う作品もあるんだ、という発見やら、主人公たちの不器用の一言では片付け難い関係性もいいスパイスで。
主人公が卑屈すぎじゃない?と思えなくもないけどそれなりの過去を持ってるだけにその設定もすんなり入る。
2022.8.14
114 -
1作目同様、千景と透磨の関係といい、話の道筋といい、分かりやす~い展開。
図像術やキューブメンバーにもっとフォーカスしてほしいな。もっと各メンバーを掘り下げないともったいない気がする。
ミステリーと言うよりは少女漫画。 -
贋作がある、という噂を聞いて、真実を確かめるため
動き出したはいいものの…。
この二人の屈折したというかなんというか…。
関係性、最後の方には多少動いてますけど
他からみたら、ほぼ動いてないに等しい状態。
幼馴染の警察は、確実にあと一歩どころか
やろうと思う所で阻止されまくりそうです。
発見された絵に、画廊に、昔の彼女。
色々掘ったら出てきました状態なのに
本人達が掘り下がらない…!
事件だけが掘り下がって、発掘されて終了。
そのついでに、と双方の感情がでてきたりしますが
この温度差、というか気になり具合の違い差。
うん、これはさっさと別れて正解です。
相手に失礼。
付き合う事を選択した時点で、結構失礼。
事件としては、出てくる人間限られてるので
分かりやすいというか、何かある、と。
感情って、すごい。 -
1作目よりふたりの関係と気持ちに変化が現れはじめていて、たびたびもっと背中を押したくなります。とはいえ過去がまだはっきりしていないので、次回作も読みたいですね。今回はやきもちを焼き余計なことをしてしまう千景がかわいいです。そして自覚のない千景に翻弄される透磨もかわいいです。