卯ノ花さんちのおいしい食卓 お弁当はみんなでいっしょに (集英社オレンジ文庫)

著者 :
  • 集英社
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本棚登録 : 202
感想 : 15
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784086800754

作品紹介・あらすじ

卯ノ花家に住まわせてもらうことになった若葉を、同じ施設で育った愛美が訪ねてきた。だが愛美は産んだばかりの赤ん坊を置いていなくなって…!? せつなくて、あたたかい、いろんな家族の物語。

感想・レビュー・書評

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  • 待ち時間に読んでいました。今回は、ありがちな話ばかりと言ってしまうと身もふたもないんですが、ほぼそればかりでした。

    幸せな家庭を夢見たはずなのに、妊娠出産してから恋人から連絡が取れなくなり、若葉の元へ訪れた友人の話等々。

    時間待ちに読むにはいい本なんだとは思います。悪意の塊の人物がいるわけではなく、物語は予定調和のハッピーエンドで終わりを告げる。

    可もなく不可もなくという感じでしょうか。嫌な気分になりたくない、純粋に優しい物語を望んでいる人にはお勧めします。

  • 一気読みしたので、レビューは3巻にまとめて書きます。

  • 人を大切に思うって楽しいだけではないのだな。
    それでもこの物語を読むことができてよかったです。

  • 「フレンチトーストの章」
    曖昧な態度を取り続けた末。
    一度も逆らった事の無い相手に立ち向かうのは怖いかもしれないが、最初から全てを諦めてしまっていたら駄目だろうに。
    本当に代理で来ているなら兎も角、勝手に人の人生を左右する出来事にまで口出しするのはどうなのか。

    「味噌汁の章」
    消えぬ記憶の中に生きる人。
    想い人であれど相手の先の人生を考えると自身の想いを殺してでも断るのが正解であり、今後も変わらない事なのだろうな。
    数日しか共に過ごす日も無ければ、帰ってくるか分からない様な場所に嫁ぎたいと思う人はいないのでは。

    「マロングラッセの章」
    綺麗な時の私の姿を覚えて。
    永年生き続けていた者には結果どうなるのか未来が見えていたからこそ、脅しにも屈せずに頑なに断り続けてたのかもな。
    種族の特性とはいえ生きる時間が永い程、出会いもあれば別れを人より多く経験してきているのだもんな。

    「秋のお花見弁当の章」
    会いたい気持ちと恐怖が。
    夢見ている出来事こそ実際に起こったとしたら、どうしたらいいのか分からず頭の中は真っ白になり混乱状態になるかもな。
    謝れば済む話ではないけれど、悔やんでいるのであれば自己満足になったとしても話はするべきかもな。

  • フレンチトースト、味噌汁
    マロングラッセ、花見弁当。

    置いて行かれた友人の赤ちゃん。
    それに関して何があったかというと…な話。
    納得するまで話をせねば、何があったのか
    何が起こったのか分かりませんから。

    味噌汁の話は、何だかもう楽しいような綺麗なような
    でも悲しい話、でした。
    最後の記憶操作は、連れてきた二人のため。
    けれど主賓の彼女のため?
    それよりも悲しいのは、3話目でしたけれど。
    どれほど愛していようとも、中身が変わらなかろうとも
    外見が変わっていくのは、とても辛い事。
    まして女性の方となると…。

    一転して、の楽しい花見。
    けれどその場所にいたのは…という状態。
    覚悟しても大変なのに、準備なくこの状態というのは
    かなり辛いものがあります。
    それでも選択して、答えを持ち帰れて
    しかもその答えは、泣かなくても大丈夫なもの。
    よかった、と言えます。

  • 【図書館】不老不死というものは時の権力者が欲したものではあったけど、実際その立場になってみれば、いつだっておいていかれるばかりでいいことなんて何にもないのよね。家族や友達との絆が深ければ深いほど精神を病んでしまいそう。マロングラッセ話、泣けたわ。彼にも一緒に暮らしてくれる人がいるといいのにな。

  • 今回はメインの登場人物と関わりのある人達の話しが多かったけど面白かった。

    若葉が母親と遭遇した時、実際だったら怒りや悲しみ、喜びなどでもっと混乱し、そのまま会わないという決断にはならないんじゃないかと思ったけど、母親の幸せを願う若葉が出来すぎというか…(笑)
    若葉本人が今幸せだから、憎い相手、だけどずっと待っていた母親の幸せを願うことができるのかなぁ。

    2017.9.7読了

  • 前回も思ったけど、著者の「別名義」って何なんやろう・・・。読んでみたい・・・。

    このシリーズは、食べ物ももちろん登場するしおいしそうやし、とにかく私が好きな
    「食べ物にまつわる人と過去を読み解く連作短編集」。

    文句なし!
    食べ物がおいしそうというよりは、
    人間の一生って何て短いんやろう
    と、しみじみ思う・・・。

    月一族に関わった人たちの人生を客観的に語られるので、私が好きではない伝聞調での説明のみのうえに、
    「〇〇になる」
    「〇〇になる」
    の、羅列で、物足りないはずやのになあ。

    実際、日暮旅人シリーズや綾崎隼氏の小説はこういった「〇〇になる」の文章が羅列するのに
    「もうちょっと表現の方法はないのか・・・」
    と、集中をそがれるのに、このシリーズは先を知りたくてぐいぐい読んじゃう・・・。

    前作は、年を取らない月一族の切なさを中心に書かれていたけれど、今回はそんな月一族に恋をした人間の、老いるという恐怖が書かれていて、
    「どっちも、怖いなー」
    と、思った。

    だってー・・・。フレンチトーストの章の愛実ちゃんはハッピーエンドやったけれど、晴顕も愛実ちゃんも、ふつうの人間やったもんね・・・。

    ちゅうか、愛実ちゃん・・・。

    手切れ金をもらって、養育費も保証してくれるんやったら、何も文句ないけど・・・、と、本気で思ってしまってすいません。
    ほんますいません。
    むしろそれが最高の選択ちゃうかすら思ってましたすいません。

    でもそんな目先の自分の都合のことばかり考えなかったら、こんなにもすべてがうまく収まる結論に至れるのね。
    きっと、晴香ちゃんにとっても、波子にとっても、そのほうが幸せやったよね。
    結局晴香ちゃんにデレデレになってる波子さんが目に浮かぶわ。それはそれで、幸せー。

    ほんで、若葉ちゃんにもひとつの結末があった。
    大切な人の幸せを素直に喜べるのは、自分自身も幸せやからやねんね・・・。
    ちゅうことは、やっぱり、大切なのは自分自身の幸せなんかもなあ。

    他人を蹴落としたり騙したりして得た幸せではなくて、自分にあった、「何もない日常」が続く幸せというのは、確かに、あるかも・・・。
    実際、月一族にも、月一族に関わった人たちにも、「何もない日常」を手に入れることが難しくなるんやもんね・・・。

    毎日、しんどい。
    もっともっと余裕をもって過ごせればいいのにと思う。でも、この生活は永遠には続ないんだわ。それは、ちょっとだけなら私も実感している。

    常に受け入れるのは難しいけれど、身の丈を知ってすごしていきたいな。
    あれもこれも望むから、あれもこれもと思いすぎて余裕がなくなるんやものね。
    ひとつずつ、ひとつずつ。
    けれど時間は無限にあるわけではないから、大切なものを見落とさないように、しっかりと、ゆっくりと。


    ■■■■


    ■玄孫

    孫の孫。曽孫の子。やしゃご。


    ■本枯れ節

    生のカツオが鰹節になるまでには、

    生切り=解体、切り分け

    煮熟(しゃじゅく)=煮る

    焙乾(ばいかん)=いぶす

    修繕・整形

    日乾(にっかん)=天日干し
    カビ付け
    などいくつもの工程を経て作られますが
    (上記以外にも細かな作業工程がたくさんあります)

    燻す工程までのものを「荒節」

    その後カビ付け(熟成)したものを「枯れ節」


    (2017.04.01)

  • 意外と他のキャラの話がたくさん出てくるというか、若葉があまり関係ない話が多くて、短編集のように読めた。
    もっと四人が活躍するのかと思っていたけど、これはこれで嬉しい誤算みたいな気分で最後まで読みました。

  • フレンチトーストが食べたくなりました。

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