宝石商リチャード氏の謎鑑定 祝福のペリドット (集英社オレンジ文庫)

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  • 集英社
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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784086801430

感想・レビュー・書評

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  • リチャードの過去がまた少しずつ、出会いから、幼少期の盗難など、重たいけど、前向きな形で解決していってるので、よかった。

  • 本作ではリチャードの過去があらわになる。
    師との出会い、母親や家庭教師など、実家の話など…優しさであったり、考えられないくらいの苦しみであったり、それらが今のリチャードを形作っていることがよくわかる。
    人は皆過去を元に作られていく。
    優しさも賢さもそしてそれを総括した「美しさ」も。

    「挑むシトルリン」は叶わない恋の物語だ。
    いうことは簡単だが言わないことはその何十倍も苦しく、自分を律しなければならない。
    そして、自分が思うほど相手は自分を思ってはくれないこともある。
    だが、相手が生きる世界を、相手が大切にしている世界を愛することはできる。
    愛とは、人間とは、なんと複雑なのだろう!

    「ジルコンの尊厳」では、「美とは『ある』ものではないのです。『見つける』ものなのですよ」(206頁)
    「祝福のペリドット」では、
    「自分が今まで何をしてきたのかと厳しく考える時には誰しも、己がうつろに思えるものだが、実際には自分で思っているよりもいろいろなものが入っているし、逆に考えれば、まだまだ詰め込む余地があるということでもあると。」(282~283頁)
    とこの本は伝えてくる。
    美の基準であったり、自分自身の評価であったり、そう言ったものはなかなか高くは評価できず、低い評価のままになりがちだ。
    そんな苦しみを少し和らげてくれる。
    少しずつ少しずつ、本は私を救ってくれる。
    薄皮一枚ずつが積もって、以前よりずっと苦しまなくなった。
    たくさんの言葉に触れること、それは必ず自分の救いになる。

  • リチャードと正義の掛け合いがこの巻も面白くてぐんぐん読める。リチャードがだんだん素直になっていってる。この巻のある場面で谷本さんが好きになった。ダンディなゴルゴ。

  • リチャードが師匠シャウルと出会い、宝石商を目指すことになったきっかけ。リチャードが甘味好きになったきっかけ。リチャードの昔話が盛りだくさんだった。

  • 今回はリチャードの過去がさらに明かされ、人との出会いで救われて現在があるのだなとわかる
    インドの結婚話は過酷でつらかった…
    それにしても宝石商師弟の会話はこちらの知識が試されているよう
    正義がいてくれての会話が読むのに調度良い

  • 乙村さんの話は切なかったな。亡くなった方は戻ってこないけど、その想いは伝わった。
    シャウルさんの話はさらっと読めたけど結構重たい話題だったな。
    運命のような智恵子さんとの再会。まさか穂村さんの結婚相手があの方だったなんて!?正義のファインプレーでリチャードの肩の荷が少し下りたのかな。

  • リチャードのインドでの回想録がつらい…篠田さんの「インドクリスタル」読んでてフィクションじゃないぞと思った。リチャードも最初はダメ男だったのね。

  • リチャード氏のスリランカや子どもの頃のお話しなど。今回も楽しく読了

  • 日本に帰ってきた二人の日常。開き直ってきたリチャードは少し態度が変わって、二人の関係も少しずつ変化しているよう。旅立ちへの準備期間。そんな感じのお話でした。穂村さん、三度目の正直で結婚できて良かった!

  • リチャードも日本へ戻ってきたし、正義の就職活動はあるものの通常営業だな(^^)と思っていたら、まだまだ出てくるリチャードの過去話(゜゜;)そしてリチャードの年齢が判明!Σ(゚ロ゚;)

著者プロフィール

9月24日生まれ。神奈川県出身。『時泥棒と椿姫の夢』で2014年度ロマン賞を受賞。受賞作を改題・加筆改稿した『螺旋時空のラビリンス』で文庫デビュー。

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