威風堂々惡女 (集英社オレンジ文庫)

著者 :
  • 集英社
3.94
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本棚登録 : 221
レビュー : 22
  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784086802178

作品紹介・あらすじ

瑞燕国で虐げられる尹族の少女・玉瑛は、聡明な知性があったにもかかわらず、その出自から貴族の屋敷で下女として働いていた。
原因となったのは、尹族出身だった皇帝の愛妾・柳雪媛。皇帝の寵愛を得て絶大な権勢をほこり、謀反を起こそうとして誅された女だ。
以来、瑞燕国では尹族の地位は最下層となってしまった。不遇に耐え懸命に生きていた玉瑛は、しかし、皇帝が発した「尹族国外追放」の勅命により屋敷を追われた。
あてもなく山中を彷徨う玉瑛は、騎兵に追いつかれ斬られ、柳雪媛への恨みを胸に意識を失ってしまう。
ぼんやりと意識を取り戻したとき目に入ったのは、見知らぬ女。高価な調度品。そして、女が玉瑛に呼びかけた。
「雪媛様」と――。玉瑛は時を逆しまに超え、憎んでいた女に生まれ変わっていて!? 中華幻想復讐譚!

感想・レビュー・書評

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  • 緊張感。
    妖艶なる緊張感が漂う、蠱惑的な物語だった。

    瑞燕国の尹族の少女・玉瑛。尹族は、皇帝の愛妾であった柳雪媛が謀反を起こそうとして誅されたことで、以来、最下層の奴婢の身分に落とされていた。
    玉瑛は貴族の屋敷で下女として働くが、人格のない「物」として扱われる辛い日々の中、唯一の楽しみは、粗末な庵で暮らす「先生」からの学びの時間。
    しかし、ある日玉瑛は、尹族追放の勅令により捕まり、逃亡しようとしたところを老将軍・王青嘉に斬られ、尹族を貶めた雪媛への恨みを胸に事切れる。
    …意識を取り戻した玉瑛は、柔らかな寝具に横たわっていた。そして、自らがあの柳雪媛と呼ばれていることを知る。
    雪媛となった玉瑛は、歴史を変えようと動き出し、護衛には、玉瑛を斬った若き日の青嘉を指名する。

    雪媛の時代は、玉瑛の時代から遡ること約50年。雪媛となってからは、玉瑛の仇敵である青嘉視点にうつる。
    『無心を己の血とせよ』を家訓とし、忠義の塊のような青嘉は、戦場ではなく皇宮に、それも雪媛の護衛という役目に内心反発し、心から仕えることができない。しかし、次第に雪媛の違う側面を知るようになって…。

    ………ぶはぁ!
    いや、真面目にレビューしようとしたのだけど、マスクの奥で鼻の穴が広がって仕方ないぜというくらい、ムフムフムフ、私好みぃぃー!の中華ファンタジーだったもので、以下、例の如くやや壊れ気味です!
    ここからネタバレもありますのでご注意を。


    中盤部分は省略するが、青嘉は、雪媛が玉瑛という少女であること、そして老いた自分が玉瑛を殺すことを知るに至る。皇帝が崩御し、実家に戻ってなお、男を寝所に入れている彼女に対して青嘉は言う。

    「独り寝が寂しいというならーー私で我慢していただけますか、と申し上げました」

    この伏線には、仕え始めてまだ間もない頃、寝所に他の男を招き入れる雪媛の不忠を青嘉が諌め、雪媛に「では、お前が相手をしてくれるか?」とからかわれるエピソードがある。この時青嘉は、冗談だと笑う雪媛に対し、怒りに震えていたのだ。
    そんな無骨で愚直で遊びのない男から発せられる、この台詞。個人的に、この本のハイライトである。
    頭の中ではいっちゃえいっちゃえ!と両手に扇子を持って煽っていたのだが、雪媛は拒絶する。その後、雪媛は青嘉におぶられながら夜の散歩をするのだが、肌と肌の距離は近いけれど、実は心も通い合っているのだけど、結ばれないこのもどかしく甘やかな時間がね…


    もー、めっちゃいいー!!!


    そして心の内をあかす青嘉と、揺れながらも身を預けられない雪媛の、二人の間で交わされる緊張感溢れる問答もね…


    もー、めっっっちゃいいーー!!!(うるさいわ)


    そう、こういう結ばれない愛!結ばれない美というものがあるのよ!(落ち着け)
    ラスト、皇帝崩御後、新たに皇帝となった碧成の后として、雪媛は再び宮中に迎え入れられる。雪媛に忠誠を誓う青嘉は、彼女の護衛として仕える。

    国を内側から変える…雪媛の野望は始まったばかりだ。そしてこの生殺し状態はいつまで続くのか!
    続き!早く続きを読みたい!

    • マリモさん
      地球っこさん♪
      毎度すみません、暴走野郎ですこんにちは!
      いつもコメントありがとうございます。

      またときめいてしまいました!でも浮気じゃな...
      地球っこさん♪
      毎度すみません、暴走野郎ですこんにちは!
      いつもコメントありがとうございます。

      またときめいてしまいました!でも浮気じゃないの、みんな本命なの!(前も似たようなことをのたまっていた気が)
      そうなのです、とてももどかしくて、キュンです!でも『わたしの幸せな結婚』のような、甘くて純度100%なキュンではなく、この雪媛と青嘉は、ピリッとした緊張感のある関係でもあり…。青嘉は、最初反発しますし、皇帝への忠義を尽くそうとするのですが、だんだん雪媛に翻弄され、気持ちを抑えられなくなるんですね。上のシーンは、ついに雪媛の前に陥落した…という感じがして、興奮しました(≧∀≦)鼻血。
      最近読んだ八咫烏シリーズの和風ファンタジーもとても面白かったのですが、トキメキ度はこちらの方がだいぶ高くて、続きが楽しみです(((o(*゚▽゚*)o)))♡

      …と、ここまで私の戯言にお付き合いしていただいたのに申し訳ありません、私は最近ほとんどドラマ見ていなくて、韓流ドラマは冬のソナタ以降アップデートできていないという事態…!俳優も何も知らない状態ですみません。
      でも軍服が似合うと見た瞬間にググりました笑
      めっちゃ素敵です、いいですねぇー(о´∀`о)
      何度も観て泣けるなんてとても素晴らしいドラマ。是非見てみたいです。
      本は逃げませんから、存分に楽しんでくださいませ!
      2021/02/04
    • 地球っこさん
      マリモさん、こちらこそ、いつもキュン・レビューには強烈に反応してしまって、我を忘れたコメントを送ってしまい、ごめんなさーい(。-人-。)
      ...
      マリモさん、こちらこそ、いつもキュン・レビューには強烈に反応してしまって、我を忘れたコメントを送ってしまい、ごめんなさーい(。-人-。)

      そうですよ。みんな本命ですよね~
      それは、よーくわかっておりますよ♪

      なんと翻弄されて陥落されてとは……
      きゃあ、た、お、れ、そ、う。
      いい! いいです、その展開!
      大好きですよ(*>∀<*)
      これからもマリモさんのレビュー、胸を高鳴らせながら楽しみにしてまーす。

      『愛の不時着』まで、ちゃんと調べていただいてありがとうございます。
      ヒョンビン様。格好いいでしょ?
      こんなに軍服似合う人、今まで見たことないです。ひっさびさに俳優さんにトキメキました。

      わたしもマリモさんと一緒で、韓流ドラマは第一次ブームの最初の方で止まってたんですよ。
      それから数十年、このドラマでいきなりハートを撃ち抜かれ……
      でも、わたしはこのドラマとヒョンビン様に盛り上がってしまったので、ここから再び韓流ブームへと向かうエネルギーはないかもしれません 笑
      たぶんこのドラマが、わたしにとってのラブストーリー第1位になると思います♡
      2021/02/04
    • マリモさん
      地球っこさん、とんでもない!
      反応いただけるの超嬉しいです(о´∀`о)ありがとうございます。

      さっき、この本の後半部分を読み直したのです...
      地球っこさん、とんでもない!
      反応いただけるの超嬉しいです(о´∀`о)ありがとうございます。

      さっき、この本の後半部分を読み直したのですが、後半部分の青嘉とのやりとりは何度読んでも本当、た、お、れ、そ、う、です!!
      次の巻もテンション高めかと思いますが、生暖かく見守ってくださいませー!

      地球っこさんも再燃した韓流ブームだったんですね。ヒョンビン様の迷彩服、確かに似合ってかっこいい!!
      あぁ!ハート撃ち抜かれた瞬間ってわかりますよね!ズキューンと。トキメキは心の栄養です。栄養いっぱいとってツヤツヤになりましょう(*゚∀゚*)フフフ
      2021/02/04
  • かなり前から読みたいと思っていた本書。

    転生もの、タイムリープ?

    判断に迷います。

    続きを読むか、どうかが非常に悩む所ですねぇ。

    何となく同じ内容の繰り返しのような気がして。

  • レビューで見かけて気になっていたが、非常に面白かった。転生+死に戻り。
    自分の氏族が虐げられているのは謀叛を起こした皇帝の妃のせいだと怨みながら死んだら、それは自分自身だった。
    しかも妃が謀叛を起こす前からその氏族は蔑まれていた。

    転生元に死に戻ったのでやり直し、自分を殺した将軍を手元に置いたら別の要素で失敗。したと思ったらその将軍が死に戻ってそこからまた始まる。

    雪媛のトラウマを抱えながらも凛とした姿と、愚直な将軍の関係性が徐々に変わっていくのがとても良い。
    雪媛であっても玉瑛であっても男からはその美貌を求められるだけだったのに、前の人生で自分を殺すはずの男だけが彼女の本質に触れてくる。
    雪媛の野望は叶うのか、失敗したらまた死に戻るのか。彼らがこの先どうなっていくのかとても気になる。

    それにしても、雪媛に戻って玉瑛を虐げた男は赤児のうちに殺したはずだが、2回目の玉瑛は誰に虐げられていたのだろう。
    実は赤児は死んでいなかったのか、その穴を埋めるように他の者に虐げられていたのか。それが少し気になった。

  • 久しぶりにヒットした中華風ファンタジー小説。
    主人公は雪媛なのに、彼女の心情描写はほとんどなく、それを読者が青嘉とともに推測しながら読むという形だが、そこに想像の余地があり、余白があることでこの小説は面白さがある。

    主人公2人ともがとても魅力的なので、続きを知りたい気もするし、一方でこれはこれで綺麗に完結しているし。
    とにかく読んで損はしない小説だと思います。

  • あらすじを読んだときは、昨今ネット小説などによくあるタイムリープものかと思ったのだけれど、何となく表紙の絵に惹かれて買いました。
    でも、よくあるリープものではなく、雪媛として目覚めてからの玉瑛の視点はほとんどなく、青嘉からの視点で物語が進んでいたので、先が気になって一気に読みきってしまいました。次にタイムリープするのは玉瑛ではなく青嘉。遡る時間も以前のものとは違う。主人公が納得いくまで何度も繰り返す、というありきたりなものとは全然違ってよかったです。

    恋愛要素も薄く、意思の疎通すら怪しい二人の、それでも相手を気にかけている姿がよかった。あからさまに思い合うのではないからこそ関係性がよく思えました。

    何故タイムリープするのか。どのタイミングで誰がタイムリープするのか、その辺りの謎?は一切解明されないので、気になる人はすっきりしない終わり方かもしれません。
    続編を希望している方もいらっしゃいますが、私はこの終わり方でよかったと思います。
    この先またタイムリープするのか、その先に望む未来があるのか。二人の関係はどうなるのか。文章としてはっきり書かれなくてもいいんじゃないかなぁ。

  • 武則天のドラマにはまった身としては、これもまた美味しくいただけました。

    はじめから先を考えては、どうするのー、これー、と何度も思い、しかも禁じ手の後ろをチラ見するまで発動させたのに、さっぱり意味は通らず、結局のめり込んで一気読みしてしまいました。

    文章も固めで節度があり美しく、構成もきれいにはまっていて、無駄なところがなく感服。

    これは、それぞれが玉瑛のことを知った第三の未来に辿り着いたということで、もしかしたら先々どちらかが死ぬ展開になっても、女帝が誕生するまで白昼夢が続くという螺旋のような展開になるのでしょうか。
    たくさんのパラレルワールドのうちの一つから、あまたの選択肢を経て形成される未来。
    発端の第一の未来は当初のものだとして、さて。
    当初の歴史を形作る柳雪媛の物語もあるはずですが、鶏卵かな。

    この先を想像するに、白昼夢の多さからして茨の道となるでしょうが、女帝誕生の未来、もしかしたら玉瑛が存在しない未来が到達点なのかもしれません。

    歴史も進化するのかも。

  • 尹(いん)族の少女、玉瑛は、瑞燕国の最下層の奴婢。
    貴族の家で下女として働いている。
    なまじ美少女であるが故、主人の寝所に呼ばれる…。
    玉瑛には抗う術はない。
    尹族がそうした扱いを受けるのは、過去に一族の柳雪媛(りゅうせつえん)が謀反を起こしたから。
    雪媛は皇帝から寵愛を受け、宮廷内での権力も増していったという。雪媛の謀反の失敗により、尹族は永久に奴婢の身分となった。
    ある日、皇帝から尹族国外追放の命令が出て、逃げた玉瑛は将軍、王青嘉(おうせいか)の手にかかり命を落としてしまう。

    ところが、玉瑛が気付いた時には、見知らぬ部屋で「雪媛さま」と呼ばれていた…。


    記憶を持ったまま雪媛として生きることになった玉瑛は、自分の警護役に王青嘉を指名します。軍人としてプライドもある青嘉はそれが不満でした。しかも玉瑛は奔放なところがあり、それが青嘉にとっては皇帝への不誠実な態度に思えるのでした。

    そりが合わない二人ですが、今度は、雪媛の危機を救えず生涯を閉じた青嘉の時が戻ります。玉瑛のように過去の記憶を持ったまま…。


    謀反に失敗すれば一族の不遇が待っていることを知っている玉瑛は、雪媛として陰謀渦巻く宮廷の中で権力を手にすることが出来るのでしょうか。
    また、雪媛が望むなら二人で逃げてしまってもいいとまで思う青嘉の真直ぐな愛が今後報われることはあるのでしょうか。
    続きがとても楽しみです。

  • 最近読んだ後宮ものの中では最も難易度ハード。慈悲なし。

  • なるほど!こんな流れなのね。転生、そしてまた転生。少しずつ歴史は変わってくよなぁ。軌道修正ではなく、新たな良き時代にするために少しずつ。ただ、これは危険と隣合わせなので少しでも判断を間違えるとその時点で試合終了。さて、今ある国を滅ぼし、新しい国を作ることができるのか否や。

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