鬼恋語リ (集英社オレンジ文庫)

著者 :
  • 集英社
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784086803052

作品紹介・あらすじ

鬼と人間の対立を巡る、恋と陰謀の和風幻想譚。
泥沼化していた鬼と人間の争いは、戦いの最前線となっていた椿ノ郷の若き郷長・雪疾の死を以て一時休戦となり、郷長の妹・冬霞は和平の証として雪疾を討った鬼の頭領・緋天へ嫁ぐことになった。
そんな冬霞を早霧皇子は心配し、「助け出してみせる」と宣言する。
しかし、雪疾がかつて言っていた「自分の首を取る者がいたら、それは親友だ」という言葉から、冬霞は兄の死になんらかの陰謀が絡んでいると感じており、自ら真相を探ると決めていた。
いざと嫁いでみれば鬼族も一枚岩ではなく、人間との和平に関しても不安要素は多い。
緊張状態が続く中、少しずつ真相へ近づく冬霞は、不器用な緋天の心に触れて――?

感想・レビュー・書評

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  • 冬霞が年のわりに冷静だったり、緋天が少々天然で、冬霞を子供扱いしている事もあって、全体的に温度が低い印象。
    年齢差もあって恋愛的糖度はほぼ無いんですが、恋愛的な部分以外でも冬霞があまり感情を揺さぶられないので淡々としていて、色々もったいない気もします。

  • 賢い女の子大好き。朴念仁な鬼もとてもよい。

  • 同じオレンジ文庫で法廷ものを書いている永瀬先生の作品ということで、和風ながらも交渉術、謎解きなどの要素が濃くてたまりませんでした。
    それを行っているのがまだ数えで十二歳という幼女(少女と呼ぶべき年齢でしょうが、ここは敢えて幼女と呼びたい)
    何せ旦那は口下手の朴念仁。
    女心がまるで分っていない上に、鬼たちとすらうまく渡り合えていないという有様。
    そりゃ嫁もたくましくなりますわ。

    和風の雰囲気も大変好みでしたが、それ以上に上記の通り交渉術・話術で危機を乗り越えるところ、最終的には鬼対人間の戦を詭弁で丸め込んでしまうところが面白くて面白くて。
    キーアイテムになる「鬼喰」は何処にあるのか、その謎解き・謎かけもしびれるほど面白かったです。
    和風でこういう話を書いてくるのは、流石永瀬先生……!
    恋のライバルが実は……なところ。
    当初から怪しいと思っていた人が実は……なところ。
    悪役の転落っぷりも相まって、どんでん返しや意外性も楽しい作品です。
    特に「あの人」の話は最後の最後で背筋が凍りました。
    そう、当初から怪しかったんだ。
    でもそこまでの狂気までは想像していなかったんだ。
    恋する人はこんなにもたくましく、そして……恐ろしいものなのですね。

    シリアスの中、キャラクターたちには適度にコメディ要素が入っていたのもよかったです。
    コメディというか、可愛い部分があるというか。
    あの青鬼ですらご覧の有様でしたし(詳細は割愛)
    その辺のメリハリもよかったです。

    たくさんの魅力に溢れた作品です。
    一度で様々な要素が楽しめる贅沢、堪能させていただきました。
    満足!

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著者プロフィール

第11回角川ビーンズ小説賞奨励賞・読者賞受賞。「精霊歌士と夢見る野菜」(全3巻)でデビュー。

「2023年 『やり直し令嬢は竜帝陛下を攻略中6』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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