ホテルクラシカル猫番館 横浜山手のパン職人 3 (集英社オレンジ文庫)
- 集英社 (2020年10月21日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
- / ISBN・EAN: 9784086803458
作品紹介・あらすじ
秋冬の繁忙期を迎えようとするホテル猫番館。専属のパン職人として、紗良は販売用の新作パンのアイディアを練っていた。
菓子パンよりも食事パンのほうが人気だとわかったので、ラインナップを考えなおしているのだ。
新作には猫番館ならではの要素を盛り込みたいと試作を続けているが、なかなかうまくいかない。
そんなある日、「自分は紗良よりもパン職人としての実力がある。
自分と紗良を比較して、ふさわしいほうを選んでほしい」という人物が現れて……!? 猫番館に、予期せぬ波乱が訪れる……!
秋のローズガーデンで開かれる、貴婦人たちのアフタヌーンティ、自信をなくした「同業」のお客様が選ぶホテルブレッド、12月の優しいまかないシュトレンなどなど。
今回もおいしいドラマが満載です。
感想・レビュー・書評
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前向きな主人公が好き。
合間のマダムも好き。
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シリーズ第三弾。
販売用の新作パンのアイディアを練って試行錯誤をしている紗良。
そんなある日、紗良の専門学校時代の同級生・秋葉が猫番館を訪れ、“自分と紗良を比較して、有能な方をパン職人として雇ってほしい”と言ってきて・・・。(「パン職人~ブーランジェール~とパン職人~ブーランジェ~」)
特に紗良に何をされた訳でもないのに、紗良の出目(良家のお嬢様)を勝手に僻んでいる秋葉に“なんて器の小さいヤツ!”と呆れてしまいましたが、そんな秋葉に邪険にされながらも、彼の腕を素直に認めて無邪気に接する紗良の姿に好感度アップでした。
結果的に秋葉くんも自分の態度を反省して、別のお店で頑張ることになり、良かったです。
個人的に、悩める“同業者”吉野さんが猫番館で過ごしたエピソード・三泊目「ホテリエの流儀」が好きでした。
ダブルブッキングというミスをどう切り抜けるか・・・猫番館スタッフ(特に要さん)の神対応に流石だな~と感心した次第です。
この巻は、今までのレギュラーメンバーに加えて、サブ料理人の早乙女さんや、ウエイター・桃田くん&フロント・梅原くんのバイトコンビ等、他の猫番館スタッフの一面を垣間見れて、皆何気にいい味出ていますね。
あ、マダムにも毎回癒されております~。
そして、猫といえば、四泊目「聖夜の魔術師」にメイン登場したマジシャンの甲斐さんの飼い猫・万福も可愛いかったなぁ・・。(本巻の表紙はマダムと万福ですよね?)
という訳で、今回もハートフルな猫番館を満喫させていただきました。
同著者の別の作品『ゆきうさぎのお品書き』とのリンクもちょいちょいあるようなので、そちらもいずれ読んでみたいですね。 -
秋葉も言われてすぐに修正できるところが素直。たしかに、仕事をする上でとても重要なことかなと思いました。
最後の紗良の着物が青というのがちょっと意外、赤の振り袖なのかなと思ったけど。 -
今回は紗良の学生時代のライバルが登場。紗良に対する一方的な妬みやライバル心が紗良の素直で純粋な態度でやわらいでいく。お互いを思いやる気持ちさえ持っていれば競いあうことも必要だということがよくわかったお話でした。
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追いかけているシリーズ3冊目。
今回のテーマは「嫉妬」なのかな。
嫉妬、憧れ、相反する感情。
負の感情をぶつけられると凹むものなのに、主人公のサラは前向きに捉える素直さを持ち、芯が強い。
ほかのストーリーでも、登場人物たちには広い心で受け止める許容量があって、負の感情の持ち主の方が自らの過ちに気づき、元気を取り戻していく。
こんな大人でいたい。
そう思わせてくれる。 -
小さな事件は色々起きるけど紗良が柔らかく受け止めるので、事件というほどの感覚を得ずに終わっています。なのでストーリー全体もゆったりしていて穏やか。ホテルで起きることがメインで人間関係にも変化は無いのですが、そのゆったりした感じが心地よくずっと読んでいたくなります。
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今回の中では、吉野さんの話が1番好き。
上司も後輩で心が疲れ切っても、猫番館のような場所が大きな救いになる。
素敵な時間の後の職場で待っていたことも嬉しい。
ああいうことの積み重ねがあるから頑張れる。
秋葉氏のことは、ものすごいひとりよがりであっけない終わりに「をいをい」だったけど、それも紗良の人柄ゆえってことでいいのかな。
それにしても、一生一度の贅沢で猫番館のスイートに泊まってマダムをモフモフしたいw -
紗良の専門学校時代の知り合いが、ホテルに来てライバルとして戦うはずが、仲良くなっていく。
紗良の育ちの良さがよくわかる話と、高齢の女性2人へのおもてなし、ホテリエから見た猫番館のおもてなしの素晴らしさに、クリスマスのショーの手品師の過去と未来への話。
今回もおっとり、楽しく美味しい話。こんなホテルに私も泊まりたい! -
シリーズ3作目。
今回は、同級生の秋庭くんが出てきて何やら掻き回し…と思ってたら、主人公はやはり芯がしっかりしている女性だからむしろこっちのペースに持っていっていて良い。
どんどん要さんとの距離が近くなっているので、期待。