魔人探偵脳噛ネウロ 世界の果てには蝶が舞う (JUMP jBOOKS)
- 集英社 (2007年7月20日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
- / ISBN・EAN: 9784087031836
作品紹介・あらすじ
ネウロ&弥子が笹塚刑事と街で出くわしたある日、一匹の蝶が舞う。蝶は、笹塚に遠い日の出来事を思い出させた。10年前、南米。笹塚はひとりの少女に出会い、マフィアがらみの事件に巻き込まれる。笹塚と少女が南米の街を疾走する!笹塚衛士の過去を描く小説版。
感想・レビュー・書評
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笹塚刑事とサイの関係を本編とは別に補完する外伝にふさわしいノベライズ。それにしても、漫画原作だからというか、少年ジャンプからの派生だからなのか、読み安すぎて、すぐ読み終えてしまうのが、ちょっと哀しい
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笹塚さんの事件後の空白期間がきになると思ってたらここで回収されてるとは!良いスピンオフだ。
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笹塚さん好きは読むべき
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“「でっかい蝶すね」石垣がやってきて、蝶をのぞきこんだ。「あれ?翅になんか書いてませんか?アルファベットと数字みたいすね」
「......アサギマダラだよ」
「は?」
「春に北上、秋に南下、それを毎年くりかえすんだ......こいつも、いまから台湾あたりまで飛んでいくんだろうな」
「蝶が海をわたるってことすか?」
「......直線距離で千五百キロ移動したやつもいるらしい。翅に書いてあるのはマーキングといって、移動距離を調べるためのものだ......くわしい生態はまだ謎だが」
「『謎』ですか?」
そう言って首をにゅっと差しこんできたのは、桂木弥子魔界探偵事務所の助手、あのネウロとかいう変な男だ。
そのせいで、蝶がふわりと花から離れた。
「こんにちは、笹塚さん」弥子ちゃんもいる。「あれ、お花を買うんですか?」
「やぁ、弥子ちゃん......」
「こらこらこら!」あの吾代とかいうチンピラ風の男がつっかかってくる。「勤務時間中になに油売ってんだよ?」
「......」
「なんとか言えよ、おら。てめぇらの一分一秒はなぁ、俺らの税金でまかなってんだぞ。ちゃんと働け、この野郎」
「まぁまぁ」助手が笑顔でチンピラを壁にグシャッと押しつける。「いま、『謎』とおっしゃいましたよね?」
「ああ、蝶のことだよ」”
笹塚さんの過去の、家族を殺された後の空白の間の話。
“「エマ、道を教えてくれ!」
「そこの信号!」エマがフロントガラスを指さす。「右に曲がって路地に入って!」
俺はエマの言うとおりにステアリングをさばいた。
車一台がやっととおれる路地をぬけ、道をふさぐトラックにボディをこすりつけ、サイドミラーをはじき飛ばしながら走った。
が、噴水広場まであと二キロのところで、またしても渋滞に捕まってしまった。
道路の先には、どこまでも車のテールランプが連なっている。
「走るぞ、エマ!」
俺たちが車をすてて走りだすと、ドライバーたちのイラだったクラクションがそこかしこで炸裂した。
俺とエマは手をつないで、車のあいだを駆けぬけた。
「トガシは、君をたすけるために、ナツメ・ファミリアから破門してもらったんだ!」乱れた呼吸の合間に、俺はエマに言った。「フジカワを狙撃したら、トガシは自分も死ぬつもりなんだっ!」” -
話が凝ってておもしろかった!
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笹塚さん(´;ω;`)
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笹塚さん…!!
出てくる人みなさん、ご家族を誰かに殺された人たちばかりでしたね。
ずいぶん文章はライトでしたが、その境遇は深く比較してみるとそれぞれ味わいのあるものだったのかと。
笹塚さんは優しい人なんだなぁと改めて感じた一冊でした。笹塚さんに乾杯。
こんな感じの過去エピ、たくさん見てみたいです。