自動販売機の文化史 (集英社新書)

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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087201871

作品紹介・あらすじ

自動販売機の歴史は意外に古く、そのルーツは古代エジプトにまでさかのぼる。その後、一九世紀のイギリス、二〇世紀前半のアメリカで発展。日本にはすでに明治時代からあったが(日本人による第一号は1888年)、あまねく普及するのは二〇世紀後半のことである。今日の日本では全国津々浦々に普及し、その数は五五〇万台を超え、年間売上金額は七兆円に上る。世界一の「自動販売機大国」なのである。自動販売機はなぜ日本で発達したのか。自動販売機が人間や社会に与えた影響は何か。自動販売機の歴史と文化を豊富な図版を使って述べる。

感想・レビュー・書評

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  • P48 1890年にしゃべる自販機
    P49 米国だから郵政公社だろ?と確認したら、郵政省で正しかった。
    P56 自販機レストラン。日本だとオートスナックとか言われていたような。一般論かどうかはともかく。
    P83 JRに民営化されたときに、券売機の記録が結構散逸という事実。
    P116 「オアシス」稼働する姿が動画にありました。見たことしかない悲しみ。
    P127 1967年に自動改札。関西の国鉄は早かったのね。
    P137 1975年 無人スーパー
    P140 1970年 中山工業が雑誌自動販売機
    商品がポルノ雑誌で
    P145 2001年 携帯電話+自販機 実験とはいえ……
    P149 次世代自販機 2003年時点とはいえ、2021年現在では……

  • 自販機業界を知りたくて。17年以上前の書籍なので直近の動向は記されていない。でも、タイトル通り文化史としてとても勉強になった。よく調べられていると思う。端的明快で読みやすい。一読することで自販機業界の変遷を知ることができる。
    自販機そのものだけでなく、その時代や経済、外交なども踏まえてまとめられている点が興味深かった。酒やタバコの規制については、現在ではもう過去の話だけど、環境や資源問題、人の意識、行動にかかる課題は今も残ってる。
    もう少し生々しい情報があればさらに良かったけど、それはまた別の書籍をあたってみる。

  • 問題:現在、日本国内における自動販売機の年間売上総額は次のどれか。
    (1)約七百億円
    (2)約七千億円
    (3)約七兆円

     日本が世界最大の自動販売機大国であることは想像に難くない。ではどのくらい大国なのだろう? 街にはいつからこんなに自販機が増えたのだろう? 正直言ってどうでもいい話だが、書店でこの本を見つけてなんとなく読んでみたら、興味深いデータが多数あって面白かった。

     世界初の自販機は古代エジプトにあったと言われているが、実用的なものはイギリスで発明され普及した。その後アメリカに伝播し、現在は日本がアメリカをも越えているという。現在の日本におけるその普及度は、歴史上どの国とも比較にならない。恐らく多くの日本人が想像する以上にこの国は極端な自動販売機大国だ。

     本書は自動販売機の歴史を主に文化の側面から解説している。現代日本において自販機と言えば飲料とタバコがまず思い浮かぶが、初期の自販機はガスや香水など様々な商品が試行錯誤的に扱われていたようで、想像するのは愉しい。後半では日本において著しく普及した要因を分析し、日本人そして日本という国の持つ文化が自販機の普及に最適だった理由が説明される。さらに今後の自販機のあり方や問題点にも言及する。

     言われてみれば今の生活の中で自動販売機の存在はかなり大きい。あえてそれを意識する必要は特にないのだが、ちょっとだけ気にかけてみるのも悪くない。

  • 日本の自動販売機の台数はアメリカに次いで世界第2位というが、人口や国土に比した密度では、間違いなく1位であろう。
    自動販売機が普及する日本特有の事情や国民性に突っ込んで欲しかったが、ありきたりな考察に留まっていて期待はずれだった。
    全般的に、歴史や統計などの資料性のある言及が多いものの、分析や考察が弱く、雑学以上の面白さが感じられい。ペリーが来て文明開化した歴史をおさらいしたり、酒やタバコの悪影響について説教されたりと、自販機と関係ない(遠縁ではあるが)話題で字数が埋められているのも残念。

  • 終章、読みごたえあり。

  • ガラパゴス化しているのは携帯電話だけではなかった。自販機も日本で進化を遂げている。それは日本の工業技術の高さの証明でもあるのだろうけれど、あっちにもこっちにも自販機って光景はそろそろ見直してもいいかも。

  • これは今読むと心が痛む本かも…
    そう、電力供給不足により
    自動販売機そのものが白い目で見られていますからね。
    確かに全体台数からすれば仕方のないことなのかも
    しれませんね。

    注目なのは海外では
    日本とは違って食品の自販機が多いと言うこと。
    そして日本では多いある嗜好品は
    外国では宣伝は厳しく規制されていること…

    そろそろ自販機も
    転換の時期なのかもしれませんね。

  • [ 内容 ]
    自動販売機の歴史は意外に古く、そのルーツは古代エジプトにまでさかのぼる。
    その後、一九世紀のイギリス、二〇世紀前半のアメリカで発展。
    日本にはすでに明治時代からあったが(日本人による第一号は1888年)、あまねく普及するのは二〇世紀後半のことである。
    今日の日本では全国津々浦々に普及し、その数は五五〇万台を超え、年間売上金額は七兆円に上る。
    世界一の「自動販売機大国」なのである。
    自動販売機はなぜ日本で発達したのか。
    自動販売機が人間や社会に与えた影響は何か。
    自動販売機の歴史と文化を豊富な図版を使って述べる。

    [ 目次 ]
    序章 「自動販売機」の見える風景
    第1章 自動販売機二〇〇〇年の歩み―古代エジプトから二〇世紀アメリカまで
    第2章 自動販売機大国への道―明治初期から今日まで
    第3章 国が違えば事情も変わる―各国の自動販売機事情
    第4章 日米に流行る理由、欧州に流行らぬ理由
    第5章 文明の利器か、文化の破壊者か

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    [ 参考となる書評 ]

  • 景観の話とか自由の話にまでもってっちゃうのがさすが、類を見ない本という感じ。

  • 新書のわりに図版が多くておもしろかった。

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著者プロフィール

鷲巣 力 (わしず・つとむ):1944年生まれ。東京大学法学部卒業。平凡社に入社し、林達夫著作集や加藤周一著作集の編集に携わる。雑誌『太陽』編集長、同社取締役。退任後はフリー編集著述業を営み、立命館大学加藤周一現代思想研究センター設立時に同センター長に就き、現在、同研究センター顧問。著書に『加藤周一を読む』(岩波書店)、『書く力──加藤周一の名文に学ぶ』(集英社新書)など多数。

「2023年 『丸山眞男と加藤周一 知識人の自己形成』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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