今日よりよい明日はない (集英社新書)

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  • 集英社
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  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087204988

作品紹介・あらすじ

世界中を席捲している未曾有の経済不安の中で、どうしたら地に足のついた生活を送ることができるのか。「すでに成熟した社会」に生きる知恵と、人生八十年時代の処方箋について、田園生活を実践する著者が、健全なるライフスタイルを提唱する。今日よりよい明日はない、と思い定めれば、毎日最高の今夜がやってくる。なぜもっと今を楽しもうとしないのか。今ここにないものを求めて、なぜ次の夢ばかり探そうとするのか。本書は、現実を見据えた視点から、閉塞した状況を生きる世代に贈る熱いメッセージである。

感想・レビュー・書評

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  • 自分自身のことをいろいろ振り返って、思うことを述べている。夫婦で立ち上げたワイナリーのこと、夢なんてないこと、温暖化や食糧問題のこと、すし、日本文化とフランス文化の比較、病気歴など。ふーんて感じだったが、ポルトガルの「今日よりよい明日はない」という言葉はいい。今日の新聞の曾野綾子の本の広告に「過去はどうでもいい。未来もよくわからない。しかし今日の現実が優しく感じられればいい」なんてあったけど、同じようなことかな。

  • 題名だけ見ると、人間は日々どうしようもなくなっていって
    最後にはまじ腐った存在になるみたいな感じがするけど
    決してそういった論旨の本ではない。

    明日はどうなるかわからない、
    もしかしたら死んでしまうかもしれないから
    毎日の生活の中にわずかでもいいから喜びを見出して
    日々を楽しく生きていこう、とする本である。

    ちょうど去年の今頃から今年の4月まで
    私は就職活動というものをしていた。
    それを通じて多くの自己啓発本を読んだ。

    それらに記述されていることの多くは、
    自分にとってとても参考になることが多かったが、
    ひとつだけ、自分にとって受け入れがたい考え方があった。
    それは、「夢を持って生きていけ」という類のことだ。

    生きていく上で、人生を賭してなしとげるべきひとつの夢を掲げる。
    その大きな夢を成し遂げる時期を設定し、
    そこからの引き算で、今から5年後、10年後、15年後に達成すべき目標を設定する。
    そうすれば、今何をすべきなのかがわかる、というもの。

    多くの人々は、自分の人生を賭して成し遂げるべき夢なんて持たないだろう。
    子供の頃に、トラウマになるような強烈な体験をしている人や
    「金メダルを取りたい」「大リーガーになりたい」などの目標を硬く掲げる人は
    そういった類の夢は持っているだろうが。

    だから、なんかふわっと軽い理由をつけて、
    なんとなく夢っぽいひとつのことを掲げなくてはならない。
    それに向かって人生を賭して努力を重ねなければならない。
    そんなん、出来ないでしょ。

    その手の本には、「途中で夢を変更してもいい」とか書いてあったし。
    夢ってそんなんじゃないでしょ。

    この本では、夢を掲げることを否定する。
    そのかわり、自分自身の人生を決定付けるようなチャンスは
    突然にやってくるから、そのチャンスをいつでも捕まえられるよう、
    フットワークを軽くしておくことを薦めている。
    この本いわく、流木論というそうだ。
    この方が、自分の性格ともあっているし、生きやすい人生が送れる気がする。

    今日よりよい明日はない、
    だとしたら私たちは今与えられた現在を素直に楽しめばよいのです!(本書, p188)

  • とりとめがなさすぎてなんと形容したらいいのか分からない…という現代の徒然草。

    内容は酷い。
    持ち味の豊かな知識と経験が全く生きていない文章。毒にも薬にもならない文章は個人的に嫌いではないのだが面白くも無いのが致命的。
    おっさんの居酒屋政論そのもの。分からないなら黙ってるか、調べるかしてから言えばいいのにってことばっか。
    この人の良い本をたくさん持っているだけにガッカリな一冊。

  • 玉村豊男さんのレシピで作った料理はすごく美味しいの
    料理家としての彼のファンだけど、ちゃんとしたエッセイ読んだこと無いなあと思って手にとりました。
    エッセイストとしてのほうが有名だよね?

    日本と外国の文化の違いとか、高度成長期が終わり成熟期に入った現代社会の生きかたとか、豊男さんが考え出した適当な感じの意見が多いけど(笑)面白かった。
    例えば・・
    「ワインと女は古い方がよい」というフランスと、「女房と畳は新しいほうがいい」という日本。
    ワインやチーズなど熟成させる文化に対し、日本は魚や野菜など新鮮なものを好む。新米・初かつおなど初物大好き。
    だから女性も若いことがもてはやされる。ってそこまではいいけど、そのうち飛躍して日本人はロリコンなんだ!とか言ってる(笑)

    でも、今は「今日より明日」と夢を追う時代じゃない。今日を楽しめれば明日も生きられる。今日を大事に、小さな満足を重ね、老いとも上手に付き合って生きていこうね、というメッセージに新鮮さは無いけど、うんうんうなずけました。。

  • タイトルに惹かれて購入、ポルトガルの諺らしい。
    夢至上主義・新品礼賛・若さの優越が何よりも嫌いな筆者が原子力問題から理想的な死に方まで縦横無尽に語るエッセイ。
    仕事と生き方に関する話が多く出てくるので、今の自分に疑問を感じている人は是非。

  • 最近読んだ本で共通しているのは「今ここ」が大事だということ。
    相変わらず文章はうまい!

  • 目標に向かう道のりは途中の景色が楽しいのです。その景色が楽しめれば実現できるかできないかはたいしたことではありません。どうでもいい、とはいいませんが、おまけのようなもの、、と考えれば気がラクです。

    私達は他人から見ればたいしたことのない仕事であっても自分にとっては面白い、他人から言われなくても自ら進んでやりたいと思うような、ほかの誰にもまかせることができない仕事を見つけてその仕事を死ぬまで続けたいものだと思います。

    流木論
    自分の人生を決定づける何かは流木のように流れてくる、というイメージを持っていました。
    一生流れに身をまかせていれば誰でも二本や三本の流木はつかめるでしょう。流木をつかんだら、それがどんなサイズの流木であっても私達はそれを使って自分の人生を組み立てていかなければならないのです。
     人生の中で自分自身で選べる要素は極めて少ないものです。自由な選択というのは幻想でしかありません。結婚にしても、職業の選択にしても、私達はほんのわずかしかない与えられた選択肢の中から消去法とまではいいませんが、少しはましな解答を探しているだけなのです。
     私はどんな場合でもいま自分の目の前にある状況がベストである、と常に考えるようにしています。与えられた現実は動かしようがありません。
    望みが叶わずちんけな流木がつかめなかったら、その流木でなんとかするしかありません。与えられた流木がその時点ではベストの流木なのです。問題はその流木を選びなおすことができるかどうかです。
    私はつかんだ流木は離さずに自分の意思で選びなおし、それをどう利用するかを考えます。そしてその流木で家を組み立てているうちにもっといい流木が目の前に流れてきたら躊躇無く前の流木を捨てて新しい流木をつかむでしょう。

  • ライフスタイル、生き方に関する成熟したエッセイ。
    肩肘張らずに読めて、とても読みやすい。

    個人個人の目指す生き方をしなやかに重ねて行けばよい
    というメッセージのように思える。

    特に都会で働く人が、いつもの観点から違って
    自分の人生を見つめてみるきっかけになると思う。

  • [ 内容 ]
    世界中を席捲している未曾有の経済不安の中で、どうしたら地に足のついた生活を送ることができるのか。
    「すでに成熟した社会」に生きる知恵と、人生八十年時代の処方箋について、田園生活を実践する著者が、健全なるライフスタイルを提唱する。
    今日よりよい明日はない、と思い定めれば、毎日最高の今夜がやってくる。
    なぜもっと今を楽しもうとしないのか。
    今ここにないものを求めて、なぜ次の夢ばかり探そうとするのか。
    本書は、現実を見据えた視点から、閉塞した状況を生きる世代に贈る熱いメッセージである。

    [ 目次 ]
    はじめに 人生八十年時代の戦略
    第1章 なぜ夢を見なければいけないのか
    第2章 今日よりよい明日はない
    第3章 スシが世界で流行る理由
    第4章 ワインと女は古いほどよい
    第5章 病気自慢の健康指南
    第6章 掃除をするときはゴミを残せ
    あとがき 今夜が最高!

    [ POP ]


    [ おすすめ度 ]

    ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
    ☆☆☆☆☆☆☆ 文章
    ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
    ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
    共感度(空振り三振・一部・参った!)
    読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • 明日(未来ではなく)に楽しみを残すことの豊かさ、謙虚さ。

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著者プロフィール

1945年東京都杉並区に生まれる。都立西高を経て東京大学フランス文学
科卒。在学中にサンケイスカラシップによりパリ大学言語学研究所に留学す
るも紛争による休講を利用して貧乏旅行に明け暮れ、ワインは毎日飲むもの
だということだけを学んで1970年に帰国。インバウンドツアーガイド、
海外旅行添乗員、通訳、翻訳を経て文筆業。1983年軽井沢に移住、
1991年から現在の地で農業をはじめる。1992年シャルドネとメル
ローを定植。2003年ヴィラデストワイナリーを立ち上げ果実酒製造免許
を取得、翌2004年より一般営業を開始する。2007年箱根に「玉村豊
男ライフアートミュージアム」開館。著書は『パリ 旅の雑学ノート』、『料
理の四面体』、『田園の快楽』など多数。近著に『隠居志願』、『旅の流儀』。
『千曲川ワインバレー| |新しい農業への視点』刊行以来、長野県と東御市
のワイン振興の仕事に専念してきたが、古稀になった今年からは、少しスタ
ンスを変えてワインバレーの未来を見渡していきたいと思っている。

「2016年 『ワインバレーを見渡して』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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