- Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
- / ISBN・EAN: 9784087205565
作品紹介・あらすじ
現在のアメリカを理解するためには、その歴史を知ることが最短の道である。過去を学ぶことにより、今後のアメリカが進む道もみえてくる。本書は、多くの日本人が知らない、しかしアメリカ人にとっては常識ともいえる、さまざまな歴史の裏と表を紹介する。アメリカに対する漠然としたイメージを覆す、意外な歴史的事実から、この国の本質が理解できる。
感想・レビュー・書評
-
●「意外史」というだけあって、確かに「独立宣言はイギリス国王への悪口こそが目的だった」や「二大政党の政策は逆転していた」など意外に思える事柄を説明しており、なかなか楽しめた。
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
アメリカの歴史を綴った一冊。
南北戦争が奴隷解放のためのものではなかったなど、
今まで言われてた歴史と違い、政党史なども含め、色々勉強になった。 -
アメリカ史を紐解きながら、現代アメリカの政治、戦争を含めた対外政策について考えるもの。
「知られざるアメリカ社会党・共産党の活躍」という部分は興味深かったが、結局活躍できずに終わってしまいました、ということで、なーんだと思ってしまった。また、「ドッジ・ラインによって日本経済の立て直しを図ろうとしたアメリカは、等七時阿野情勢安定化という難問に直面することになった」(p.226)結果として、ベトナム戦争に介入した、つまり「ベトナム戦争の遠因は日本占領にあった」というのは、それだけが唯一の理由なのかどうかはよくわからないが、確かに意外だと思った。その他全体的には、ただのアメリカ史についての教科書的な記述が多く、少々退屈してしまった。(15/06) -
最初はどうかなあって思いながら読んでたけど、新書だし、一つ一つのテーマが短くて読みやすい。タイトル通り、色々なテーマの意外な部分が知れて良かった。
-
[ 内容 ]
現在のアメリカを理解するためには、その歴史を知ることが最短の道である。
過去を学ぶことにより、今後のアメリカが進む道もみえてくる。
本書は、多くの日本人が知らない、しかしアメリカ人にとっては常識ともいえる、さまざまな歴史の裏と表を紹介する。
アメリカに対する漠然としたイメージを覆す、意外な歴史的事実から、この国の本質が理解できる。
[ 目次 ]
第1章 アメリカ史の裏側(独立宣言はイギリス国王への悪口こそが目的だった;奴隷解放の戦いではなかった南北戦争;アメリカ国歌はなぜノリがよいのか;奴隷にも格差社会があった)
第2章 不可思議な政治・経済(二大政党の政策は逆転していた;知られざるアメリカ社会党・共産党の活躍;大恐慌を克服したのはニューディール政策だったのか?;四六〇〇万人の無保険者がいた不思議)
第3章 「アメリカの戦争」を検証する(謀略に満ちたアメリカの戦争;原爆は京都に落ちるはずだった?;戦争によって拡大した女性の権利;ヴェトナム戦争の遠因は日本占領にあった)
[ 問題提起 ]
[ 結論 ]
[ コメント ]
[ 読了した日 ] -
これも積ん読してた。読みやすかった。
ニュートラルな立場を保って書いてあるので、入門とか基本の確認に良い。ここから興味を持ったテーマを掘り下げれば良いのだからね。 -
旅行に備えて、アメリカの歴史に関する本を色々読んでいる。この本も、わかりやすそうなので図書館で借りてみた。
独立戦争、南北戦争の本当の原因、世界恐慌から第二次世界大戦のような歴史の話や、アメリカ人の国旗や国歌に対する強い思い入れはどこから来たのか、1960年代の公民権運動や、黒人差別女性差別の話など、アメリカを知る上での知識を整理できてよかった。 -
放送大学に「アメリカの歴史と文化」という講座があり、先に取っていた「中国社会の歴史的展開」、「北東アジアの歴史と朝鮮半島」という二つの講座が済んだらアメリカに移ろうと思っていた。しかしいまだに中国・朝鮮から抜け切れずにいる。そこで全てを極めてからというのも難しい話だし、遅くならないうちにアメリカにも着手する必要があると考え本書を手に取った次第である。
著者は本書を3章に分けて解説している。
第1章 アメリカ史の裏側
第2章 不可思議な政治・経済
第3章 「アメリカの戦争」を検証する
この3つの章建てをみるとどうしても政治・経済や対外戦争に興味が向かいがちだが、私としては第1章で取り上げられている独立戦争や南北戦争、奴隷問題に最も関心があった。
アメリカが13州の植民地時代に本国イギリスと戦った独立戦争は、イギリスが課した重税によって植民地人が経済的に行き詰まり一揆のような形で起こったと思われているが、それは誤解だそうだ。最大の対立点は重税ではなく、大英帝国における北米植民地の地位に関する認識の相違であった。「ボストン茶会事件」が発端となったといわれ、今でもボストンへ行くと観光客相手に、港に停泊している船から急進派の人々が積み荷の茶を海中に投げ捨てるパフォーマンスを見せてくれる。
なお、格調高いと言われている「独立宣言」であるが、第二章において本国の国王ジョージ三世の悪行の数々が述べられているそうだ。第一部は対外的メッセージであり、第二部は国内向けのものだったようだ。
南北戦争は奴隷解放のための戦いだったと思っていたら、どうやらそうではないらしい。当時は「奴隷州」と「自由州」とが並立しており、自由州が勢力を拡大しつつあった。これに危機感を抱いた南部の州が連合を組織し、連邦政府に対して攻撃を仕掛け南北戦争が始まったという。だから戦争勃発当初、その目的は奴隷解放ではなく、連邦の維持であった。あのリンカーンでさえ奴隷解放に対して心情的には共感していたものの、彼にとってより重要なのは連邦の統一という最大の目的を実現するための手段に過ぎなかったというのだ。
これまで私はリンカーンが奴隷解放のために南北戦争を戦った英雄だと思い込んできたが、実はちょっと違うということを知り、がっかりもしたし、目からウロコであった。