水玉の履歴書 (集英社新書)

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  • 集英社
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  • Amazon.co.jp ・本 (176ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087206920

作品紹介・あらすじ

前衛芸術家として世界の美術界の頂点に君臨する草間彌生だが、そこまでの道程は平坦なものではなかった。本書は、草間がこれまでの人生で発してきた魂の言葉を集め、自らの闘いの軌跡と哲学を語る。

感想・レビュー・書評

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  • 御年90歳になるのに、今でも現役で活躍する草間彌生氏。個人的にファンではないが、仕事柄、彼女の作品を見る機会も多い。とても奇抜で、斬新で、興味がなくても、やはり魅了されてしまう、不思議な芸術家。
    その彼女のこれまでの軌跡を描いた一冊だが、始まりの「子供のころから死ぬことばかりを考えていた」の一言で読むことを決めた一冊。
    死ぬことの延長線上に見えた幻覚が、現在の彼女の原点であることが、同じく「死ぬことばかり考えて」生きている人間には勇気を与える。
    決して体調が良い訳ではないようだが、これからもまだまだ斬新な作品を発表し続けて欲しい。

  • 草間さんは、南瓜に特別な思いがおありだったんですね。直島でもう一度あの南瓜を見たい。

  • 2018年9月9日読了。

    ●円が平面で活発な動きがないのに対して、水玉は立体で
    無限です。そして、水玉はひとつの生命であり、月も
    太陽も星も、数億粒の水玉のひとつなのです。これは
    私の大きな哲学です。

    ●社会のなかで自分の置かれた立場を振り返り
    新しい歴史を作っていく。
    それが前衛ということだと思います。

    ●ジョージア・オキーフに手紙

  • 2017年2月22日(水)- 5月22日(月)に,国立新美術館で開催されていた,草間彌生展「わが永遠の魂」を観に言ったので,草間弥生について,読んでみようと思った。
    草間弥生の短いフレーズを標目のようにして,さまざまなテーマについて語る。
    第1章 芸術
    第2章 闘い
    第3章 人生
    第4章 社会
    第5章 生・死・愛
    作品だけみていると,単に奇抜なだけに思えるかもしれないが,その裏にあるメッセージを知ると,作品はとたんにその表情が変わる。
    だから,芸術って,面白い

  • 「やっぱり好き!」と言ってしまう、草間ワールド全開。作品を見たくなる。

  • 「時よ待ってくれ 私はもっとよい仕事がしたいのだ」

    この帯の言葉に魅かれて購入。草間さんの世界、芸術、作品に対する哲学を堪能出来る一冊になっています。

    その中でも、草間さんの前衛芸術に対する解釈がとても素晴らしいです。

    「前衛とは、未来に対する膨大な希望をもって現実の問題に向かう立場のことです。自分の大いなるメッセージを通して、生命の置かれる位置とはどういうものであるかを振り返ってみること。これが現役の前衛作家としての思想だと思っています。」

  • 松本市美術で草間彌生作品と出会い、その後読了。
    量販店で服を買い、時間がないとコンビニでご飯をすまし、働き続ける。徐々に個性を失っている自分。
    個性を取り戻すエネルギーをもらえる一冊。

  • 草間彌生の作品に感動して本も読んでみました。
    草間彌生の水玉だけで世界に立ち向かう姿。
    一貫された単調な反復が無限を感じさせ更に前衛的に進化し続ける。
    正に水玉の履歴書でした。

  • ジョゼフ・コーネル

  • 昭和6年生まれ!?びっくりした。渡米するまで親の説得で7年かかったって、、他にも興味深いことが多いので色んな人に読んでみて欲しい。
    生き方も考え方も語り口も好き。

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著者プロフィール

前衛芸術家。小説家。1929(昭和4)年長野県松本市生まれ。10歳の頃より水玉と網模様をモチーフに絵を描き始める。57年渡米、翌年ニューヨークに移り、ネット・ペインティングを発表。73年の帰国後も彫刻、映像、パフォーマンス等、自らの表現を追求し続けている。

「2012年 『クリストファー男娼窟』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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