- Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
- / ISBN・EAN: 9784087207804
作品紹介・あらすじ
『ジョジョの奇妙な冒険』の作者・荒木飛呂彦が、これまで明かすことの無かったマンガの描き方、その秘密を披瀝! 自身初の自画像を帯に使用するのを始め、描き下ろしたイラストも多数。
感想・レビュー・書評
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人気漫画、『ジョジョの奇妙な冒険』。アニメ化、映画化され、今だに話題に上ることも多いため、最近の作品かと思っていました。40年も前に始まったものだったとは。もっというと作者のデビュー作がまだ続いているということに驚愕します。
この本は、ジョジョの著者、荒木飛呂彦氏による漫画の描き方。
現役の人気漫画家が、自分の作品を題材にしながらレクチャーしてくれるとは、なんと贅沢な内容なのでしょう。
ジョジョをきちんと読んだことがない私も、さっそく手に取りました。
破天荒なストーリーが続いていくジョジョですが、実際には綿密に計画されて作りこまれているとわかります。
キャラクターの動機づけをしたり、身上調査書を作成したり。
『テルマエ・ロマエ』のルシウスの「いいお風呂を作りたい」という動機は、ユニークかつ普遍的でいいと評価しています。
東京から遠く離れた仙台に住んでいた著者は、他の先輩漫画家のアシスタントができず、技を学ぶ機会がなかったため、独学で試行錯誤しながら基礎を学んだのだそう。そうした苦労が作品作りに行かされているのでしょう。
自分のプロ漫画家人生をジョジョ作品と向き合い続けている作者の、キャラクターたちへの深い愛情が伝わってくる内容になっています。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
貴様は
いちいち今まで食べたパンの枚数を覚えているか?
ジョジョの奇妙な物語の作者
荒木先生が描いた
漫画の描き方。
ジョジョの奇妙な物語という
漫画は、
荒木先生の
“探究心”
が産んだ
産物だということ。
いやはや、
漫画のみならず、
人生についての大事な
フレームワーク
が学べる良書であると思いました。
自分にとってやりたいことはなんだろうか?
そんなことを考えさせられました -
ジョジョファンなので読んだ。読者側は一消費者として何の苦労もなくページを繰って楽しむだけだけど、送り出す側はここまでいろいろと考えて作ってるんだなあ、と感動すら覚える。
職業は違えど、プロフェッショナルたるものかくあるべし、とたいへん勉強になった。
P166 前後のデッサン、ねじれ、螺旋に関する説明は「ジョジョ立ち」の何たるかがよく分かる。 -
『ジョジョの奇妙な冒険』で有名な荒木飛呂彦が、漫画の描き方について指南した一冊。
漫画を描くのに詳細なキャラクターと世界観を探り、その上でストーリーとテーマを決めて描くという彼のスタイル(くしくも彼が“基本四大構造”と呼んでいる)がよくわかった。 -
「ジョジョの奇妙な冒険」の作者・荒木飛呂彦先生が考える漫画家になるためのノウハウが詰め込まれた本。
ジョジョが好きで、荒木飛呂彦先生の漫画に対する考え方が知れる本だと思い読んでみました。漫画家を目指している人でなくても、どうすれば上手くいくかを突き詰めたプロの考え方を学ぶことができる本だと思います。まずはその道の「王道」を理解した上で、自分なりの道筋を考えていくことが重要であることを学びました。
これからも先生には面白いジョジョ作品を描いてほしいです。 -
試行錯誤して今がある。しかし、終着点ではない。クリエイターは常に挑戦していかなければならない運命。まさに人生そのもの。氏のこだわり。
私は、氏の一枚絵に「永遠の一瞬を封じ込める」というが好きだ。絵に限らず写真でも同じことだと思う。世界観も封じ込められるはず。 -
本書で述べられている、読み手に最初の1ページを捲らせるための描き方は、漫画も自己表現の手段のひとつに過ぎないことを気付かせてくれます。相手の心を動かすことを求められるという意味では、職場でのプレゼン、取引先との交渉、採用試験の面接など、ビジネスの世界と共通する部分も多いのではないでしょうか。
著者の作品といえば、独特で奇妙な世界のイメージが先行しがちですが、漫画家としての基本を決して疎かにしていないこと(本書では基本四大構造と紹介しています)が、長い年月に渡って多くの読者に支持されている最大の理由であることを教えてくれます。(最近現役を引退したイチローも基本をとても大切にしていることで有名ですよね)
画風が苦手と作者を敬遠してしまう人も多いと聞きますが、偏見を持たずに一読されることをお勧めします。