東京裏返し 社会学的街歩きガイド (集英社新書)

著者 :
  • 集英社
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本棚登録 : 157
レビュー : 9
  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087211337

作品紹介・あらすじ

これからの注目は「都心北部」だ!

【本書の特徴】
●7日間かけて東京(主に都心北部)を旅する
●詳細地図つき
●歴史的、社会学的に東京を眺める
●過去の痕跡を手がかりに、豊かな時間を取り戻すための提案をする
●モモ(ミヒャエル・エンデ)と一緒に東京を街歩きする

「街を見失わないために、ゆっくり移動することの価値を復権させましょう。エンデが『モモ』のなかで示した時間論を、私たちは東京の街歩きにも活かしましょう。モモの冒険が「灰色の男たち」から人々の時間を取り戻す挑戦であったのと同じように、私たちの街歩きもまた、高度成長期以降の開発主義の東京から、再び人間的時間を取り戻す戦略を含むことになります」――吉見俊哉

【主な内容】
●都心に路面電車を復活させる
●どこに行っても「渋沢栄一」がついてくる
●23区で唯一「消滅可能性都市」とされた豊島区はポテンシャルが高い
●エロス(性愛)とタナトス(死)の境界線を歩く
●川筋から未来の東京を考える

【目次】
第1日 都電荒川線に乗って東京を旅する
第2日 秋葉原―上野ー浅草間に路面電車を復活させる
第3日 動物園を開放し、公園を夜のミュージアムパークに
第4日 都市にメリハリをつけながら、古い街並みを守る
第5日 都心北部で大学街としての東京を再生させる
第6日 武蔵野台地東端で世界の多様な宗教が連帯する
第7日 未来都市東京を江戸にする

【著者プロフィール】
吉見俊哉(よしみしゅんや)1957年、東京都生まれ。東京大学大学院情報学環教授。同大学副学長、大学総合教育研究センター長などを歴任。
社会学、都市論、メディア論、文化研究を主な専門としつつ、日本におけるカルチュラル・スタディーズの発展で中心的な役割を果たす。
著書に『都市のドラマトゥルギー』『五輪と戦後:上演としての東京オリンピック』など。

感想・レビュー・書評

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  • 大変面白かった。渋沢栄一と川の関係性に唸る。コロナ禍が落ち着いたら、この本を片手に歩いてみたい。地形を知ることで歴史を学び、自分の足で感じることで、街の見え方が変わってきそう。

  • 路面電車を復活させるとか、高速道路を取り払うとか、もっと川筋や水上交通などをとか、面白い提言もたくさんあり、大学や渋沢栄一のことなども面白かったけれど、吉原の遊女たちの悲惨さ壮絶さや平将門のあたりはずっしりと重たくなった。どんな都市も多くの死の上に成り立っているのだから、避けても通れないわけだけれど。ピカピカのビルやタワマンの下に、死や怨が重なっていくつもの歴史の層を成している。

  • 【内容紹介】
    『都市のドラマトゥルギー』から三〇年以上を経て、社会学者・吉見俊哉の新たな都市論が完成。これまでに東京は三度「占領」されている。一度目は徳川家康、二度目は明治政府、三度目はGHQによって。消された記憶をたどっていくと、そこに見え隠れするのは、日本近代化の父と称される渋沢栄一であった。本書の中核をなすのは、都心北部―上野、秋葉原、本郷、神保町、兜町、湯島、谷中、浅草、王子といったエリアである。これらは三度目の占領以降、周縁化されてきた。しかし今、世界からも注目される都心地域へと成熟している。まさに中心へと「裏返し」されようとしているのだ。詳細地図つきで街歩きガイドとしても最適。

    大阪府立大学図書館OPACへ↓
    https://opac.osakafu-u.ac.jp/opac/opac_details/?reqCode=fromlist&lang=0&amode=11&bibid=2000937537

  • 2020/10/24読了。
    著者の提言は面白い。路面電車の復活とか東大池之端門を活かせとか、肯ける話もある。だが本書で取りあげられているエリアを好んで選んで静かに暮らしてきた者として本音を言うと……
    帯に「これからの注目は都心北部!」とあるが、注目しないでいただきたい。おかしな注目のされ方をした結果、僕が好きだった街は思い立ってふらりとラーメンを食べに行けるような街ではなくなってしまった。僕が好きだった店には入れなくなってしまった。僕が好きだった建物は変なリノベーションが施されてしまった。僕が好きだった桜の木には花見の時分には近づけなくなってしまった。
    若い起業家にしろ観光客にしろ、注目を促されてそれに乗じるような輩は、都心北部に注目しないでいただきたい。せいぜいおしゃれなカフェやプチホテルやギャラリーを開くことしか思いつかないなら、ここのことは忘れてほしい。東京は裏返さなくていい。裏は裏のままにしておいていただきたい。

  • <目次>
    はじめに 「モモ」と歩く東京~時間論としての街歩き
    第1日  都電荒川線に乗って東京を旅する
    第2日  秋葉原-上野ー浅草間に路面電車を復活させる
    第3日  動物園を開放し、公園を夜のミュージアムパークに
    第4日  都市にメリハリをつけながら、古い街並みを守る
    第5日  都心北部で大学街としての東京を再生させる
    第6日  武蔵野台地東端で世界の多様な宗教が連帯する
    第7日  未来都市東京を江戸にする

    <内容>
    最初はちょっと小難しいが、東京の再生プランを歴史軸を作りながら観ていこう、という本。今の東京は無機質に発展している。それも西の新宿・渋谷・六本木など。さらにウォーターフロント。しかしそこには思想がない。とっちらかしただけだ。著者は、東京は北部武蔵野台地東端に面白さがあり、その面白さは江戸時代に(場合にはよってはもっと昔に)作られ、近代化が進んでも痕跡が残されている。21世紀にはいり、発展が止まった日本の再生として、その面白さをうまく引き出すような都市づくりをしよう、という。7日間の旅をぜひ読んでほしい。いろいろと面白い視点が掲げられる。それはその辺にあるガイドブックとは一線を画したものだ。

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著者プロフィール

吉見俊哉

東京大学大学院情報学環教授。1957年(昭和32年)、東京都に生まれる。東京大学大学院社会学研究科博士課程単位取得退学。東京大学副学長、大学総合教育研究センター長などを歴任。専攻、社会学、都市論、メディア論、文化研究。著書に『都市のドラマトゥルギー』『博覧会の政治学』『万博と戦後日本』『五輪と戦後』『東京裏返し』などがある。

「2021年 『東京復興ならず』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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