ゴールデンカムイ 絵から学ぶアイヌ文化 (集英社新書 アイヌ文化で読み解く「ゴールデンカムイ」)

  • 集英社 (2024年2月16日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (560ページ) / ISBN・EAN: 9784087213027

作品紹介・あらすじ

「ゴールデンカムイ」作者・野田サトル先生絶賛。
大人気作品のアイヌ語監修者による、公式解説本の決定版にして完結編!

【推薦】
アイヌ文化は、まだまだ私の知らない面白いネタの宝庫だと本書を読んで知った。
連載中にもっと中川先生からお話を引き出しておけば良かった。
――野田サトル氏(「ゴールデンカムイ」作者)

文字通りカムイたちと共に暮らすアイヌの人々の生活と歴史が、重厚に描かれている。
実に多くのことを知り、考えることができる一冊。
ひとりの研究者の人生そのもの、みごとな仕事だ。
――本郷和人氏(東京大学史料編纂所教授、『逃げ上手の若君』監修)

累計2700万部(2024年2月現在)を突破し、2024年1月に実写版映画も公開された「ゴールデンカムイ」。
同作でアイヌ文化に興味を抱いた方も多いはずだ。
本書はそんな大人気作品のアイヌ語監修者が、物語全体を振り返りつつアイヌ文化の徹底解説を行った一冊である。

今回は作者・野田サトル先生の緻密で美麗な「絵」に注目する。
作中には、ストーリー展開などの都合で詳しく説明されていないものの、細部までこだわって描かれた絵が多数存在する。
本書では、そうした絵をふんだんに用いてアイヌ文化の基本的知識をわかりやすく紹介するとともに、作品の裏側の設定などにも深く踏み込んでいく。
また、樺太アイヌや北方少数民族ニヴフとウイルタ、そしてロシアなど、各分野の監修協力者によるコラムも充実。
さらには原作者・野田サトル先生による取材裏話も収録している。
実写版映画のガイドブックにもなる究極の解説書、ここに誕生!

【本書の主な内容】
・人間に災いをもたらす「黄金のカムイ」は実在するのか?
・ストゥ(制裁棒)には「素振り練習」があった!?
・アイヌ語では「トイレに行く」をどう言うか
・完結記念! アイヌの全キャラクターの名前の由来を解説
・アシリパのコタン(村)はどこにあったのか
・「ソフィア・ゴールデンハンド」のモデルとなった2人の女性
・樺太アイヌと北方少数民族ニヴフ、ウイルタの基礎知識
・気づかない人も多数!? あの1コマに隠された背景知識
・監修者直伝! 作中のアイヌ語せりふ徹底解説
・創作秘話! 野田サトル先生が取材したシカ猟の一部始終とは

【著者略歴】
中川 裕(なかがわ ひろし)
1955年神奈川県生まれ。千葉大学名誉教授。東京大学大学院人文科学研究科言語学博士課程中退。
1995年、『アイヌ語千歳方言辞典』(草風館)を中心としたアイヌ語・アイヌ文化の研究で金田一京助博士記念賞を受賞。
漫画・アニメおよび実写版映画「ゴールデンカムイ」でアイヌ語監修を務める。著書に『改訂版 アイヌの物語世界』(平凡社ライブラリー)、『アイヌ文化で読み解く「ゴールデンカムイ」』(集英社新書)など。

みんなの感想まとめ

アイヌ文化や樺太の少数民族について深く掘り下げた内容が魅力の一冊で、人気漫画の世界観を通じて多くの知られざる事実が紹介されています。著者の前著とも関連しつつ、アイヌの一年の暮らしや独自の精神文化、さら...

感想・レビュー・書評

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  • 【中川 裕 】アイヌ語の研究者が語る、アイヌの思想。 - Sustainable Japan by The Japan Times(November 29, 2021)
    https://sustainable.japantimes.com/jp/magazine/52

    『ゴールデンカムイ』監修者がおすすめ アイヌ文化を知る厳選12冊|じんぶん堂(2020.04.27)
    https://book.asahi.com/jinbun/article/13324324

    『ゴールデンカムイ』最終巻ラストの真相…野田サトル1万字インタビュー#1 | 集英社オンライン | 毎日が、あたらしい(2022.09.29)
    https://shueisha.online/entertainment/41195

    ゴールデンカムイ 絵から学ぶアイヌ文化/中川 裕/野田 サトル | 集英社 ― SHUEISHA ―
    https://www.shueisha.co.jp/books/items/contents.html?isbn=978-4-08-721302-7

  • 連載が修了し、物語の最後迄が単行本化もされている、好評な漫画作品『ゴールデンカムイ』をタネに、作中世界で取上げられているアイヌ文化に纏わる話題等を供する本である。同じ著者による「前著」で言及していることと一部は重複するが、それを避けても「こんなにも多くの話題」ということで驚く面も在る。
    本書は「前著」以上に、アイヌの一年の暮らしというような事柄や、独自な精神文化を背景にしていると考えられる社会の中での人々の所作や、何かの言い方というような事柄への言及が多い。それらは非常に興味深く、『ゴールデンカムイ』という漫画の描写等を例として示すことで内容が判り易くもなっている。
    更に、『ゴールデンカムイ』の物語でも作中人物達が樺太へ渡り、色々な因縁が明らかになり、様々な人達との交流等が生じているというのだが、本書でも「樺太アイヌや他の諸民族、更にサハリンに在ったロシア人」というようなことに関連する事項について、各々の事項に詳しい方達のコラムが掲載され、著者がコメントも加えている。それらの内容が秀逸である。「樺太アイヌや他の諸民族、更にサハリンに在ったロシア人」というようなことは、実は余り知られていないと思う。『ゴールデンカムイ』という漫画をヒントにしながら、余り知られていないことを紹介する形になっているのは非常に好いと思う。
    広い範囲でアイヌは活動していたが、人口密度は低い。それ故に「方言」というようなモノが色々と在るのだという。更に樺太と北海道となると、身近な単語というレベルで差異も生じているようで、本書にはそういう説明も在った。そういう様子でも、或る程度広い範囲で往来し、交易等をしていたのがアイヌである。
    自身は『ゴールデンカムイ』に関しては、今年になって実写映画を愉しく観たという関わり方であり、作品に通じているという程ではない。が、それでもその漫画を話しの入口や材料にしながら、北海道や樺太のアイヌ等に関して語られている本書の内容は凄く興味深い。新書としてはかなり分厚いのだが、ドンドン読み進められる。興味深い内容で、頁を繰る手が停められなくなる。

  • 濃い内容でした。。
    とても一読では味わいきれないので、手元に置きつつ、「ゴールデンカムイ」と共に読み直したい一冊。

  • ページ数560!
    新書とは思えない本の厚みです。

    この本を読む前に、マンガ「ゴールデンカムイ」を完結まで読んでいることが、必須条件の新書です。

    アイヌだけでなく、樺太の少数民族にも触れられていて、初めて知るようなことばかりでした。

    印象的だったのが、「第六章 世界史のなかの『ゴールデンカムイ』」です。世界史を履修していないせいかもしれませんが、興味深く読みました。また、マンガを読んだ時よりも、ソフィアのことを好きになりました。

    タイトルに「絵から学ぶ」とあるように、ふんだんに漫画のイラストが掲載されています。あらためて、限られた資料からここまでの緻密な絵に再現した野田サトル先生の労力は凄まじかっただろうと思いました。アイヌ語監修の中川先生をはじめ、多くの研究者・関係者の方のチームワークの元、あのような唯一無二の傑作漫画が出来上がったのだなと、感謝の気持ちでいっぱいになりました。



  • 待ちに待ったゴールデンカムイのアイヌ語監修中川さんのゴールデンカムイ関連の続刊。
    まず、分厚さに驚き。すごい分量です。
    中でも触れられていた通り、前著より漫画からの絵の引用が多いとのことでより漫画からの関連で語る視点で漫画ゴールデンカムイがお好きならスラスラ読み進められると思います。
    途中、樺太、ソフィアの話など道外の話になると世界史真面目に勉強しておけばよかったな〜とはなりました。

    実写映画を見てゴールデンカムイ熱があがるタイミングでしたのでこのタイミングでの刊行はとても良く、アイヌについてもゴールデンカムイについても興味がより深まりもっと知りたいと思える相乗効果を生んだなと感心します。

    実は、この本を読む前はアイヌ単体への興味は持てないかもしれないと大変失礼なことを思っていたのです。
    自分がアイヌに興味を持てるのはゴールデンカムイの物語、キャラの魅力があるからでそれなしでのアイヌ文化は面白いと思えないかも、と。
    とても失礼でしたし、わかっていなかったなと読んだ後では思えます。
    どれほど野田先生が、ゴールデンカムイという作品を作り上げるためにアイヌ文化を尊敬し、調査、取材をし、綿密に作品に織り込ませ確立させたことか。
    アイヌの文化あってこそ、アイヌの文化へのリスペクトがあってこそ不思議な偶然が重なり、作品にパワーがより足されたのではないか。そういうことが納得できました。
    ゴールデンカムイありなしとかではなく、ゴールデンカムイはアイヌ文化なしでは語れなく、切っても切り離せないのかなと。

    単行本の最後の監修、取材協力のクレジットのページを見るたびに、凄まじい量に圧倒されたものです。
    週刊連載で?と信じられないほど。

    実写映画を見て、原作漫画へのリスペクトと愛を大いに感じました。実写、2時間の映画として再構築して映画としても素晴らしく、漫画原作の実写としてのプロジェクトとしても素晴らしく、同時期にあった悲しい出来事とあまりにかけ離れていて、よほどこの作品に関わる人は本当に漫画原作を愛し、大事にしているのだなと思えました。

    改めてこの本を読んだ時に、連載、単行本加筆修正時に監修の方々や取材協力の方々は野田先生の漫画への真摯な取り組みに賛同して協力してくれたのだろうと今更よりその協力のつながりに感動しました。
    それについては野田先生がしっかり描きたい気持ちが強く取材を欠かさず真摯な姿勢で挑み続けたからこそ周りも応えたくなったのかなと想像してます。

    本著の「おわりに」で触れられていた、「先人がさまざまな記録・資料として残してくれた」(P541から抜粋引用)ことがどれだけ偉大なことか。
    大事なものを後世に繋いでいかなくてはと思わされました。命が尽きても、残したいものを残す努力をして、それが繋いでいく奇跡を信じると、いつか未来にそれを引き継いで大事にしてくれる人がいるなんて素敵だな。それなら、カムイも、野田先生に微笑むよなぁと思えました。

    北海道に行ってみたい。

  • 北海道アイヌにとどまらず樺太アイヌやウイルタ、ニヴフなど作中に出てくる極東少数民族について書かれているのが興味深い。ソフィアのモデルと考えられる2人のソフィアのコラムも全然知らない話で面白かった!
    パナンペペナンペ物語についての部分で、「(ペナンぺを)白石が演じています。まさに適役ですね」(P461)でニッコリした後、「奥さん(月島が演じています。適役です)」で声出して笑いました。中川先生のゴールデンカムイへの温かい目線が感じられました。

  • 手に持った瞬間、「厚い」ってなりましたが、あっという間に読了しました。あれもこれも「へぇ!」「そうなんだ!」となる、まさにゴールデンカムイの裏話満載本でしたが、特に心に残ったのは、フチのアイヌ語や唱え言(インカラマッの出産回)などが、中川先生の創作だったこと!そしてまた、お名前も「(文献に残っている人も含め)実在した人物」に気を配ったとのこと。どこまでもどこまでも、アイヌという文化に心を砕き、敬意を持って接した物語だったのだと感じました。そしてまた、樺太アイヌや少数民族の文化も知ることができて、とても良かったです。アザラシ脂の味が気になります。

  • 最高。ゴールデンカムイのコマをふんだんに使い、何気なく置かれている小物や人物の立ち位置こらアイヌの文化を読み解く。樺太アイヌにも言及があり嬉しい!モスの呪術性が興味深かった。
    個人的にはソフィアのモデルの解説や、髪型・服装の考察がとても良かった。ゴールデンカムイ好きなら絶対に損はしない一冊。

  • 阪南大学図書館蔵書検索OPACで貸出状況や所在を確認↓
    https://opac-lime.hannan-u.ac.jp/opac/volume/910181

  • 前著『アイヌ文化で読み解く「ゴールデンカムイ」 』の時はまだ未完だったが、こちらの本はゴールデンカムイが完結してから書かれた公式解説本。まさに完全版。前著と扱うトピックが被っているところはもちろんあるが、具体例や切り口が違うので2冊とも読んでよかった。分厚いぶん、読み応えがあり大満足。カムイたちと共に暮らすアイヌの人々の生活と歴史が、重厚に描かれている。

    漫画の細部までこだわって描かれた絵をふんだんに用いてアイヌ文化の基本的知識を教えてくれる。裏設定までたくさん書いてくれているのが作品のファンとして嬉しい。

    物語の中盤〜後半で舞台は樺太にうつり、樺太アイヌやニブフ、ヴィルタといった民族の描写も増えるが、北海道アイヌだけでなくそちらの解説も厚い。それぞれの違いがめちゃくちゃ面白い。

    特に印象に残ったのは二章の『コタンの生活風景』。チセ(家)の造りから、囲炉裏まわりのどこに座るかというのがけっこう厳格に決まっているのが、飲み会の時みたいだった。もてなす側の席、もてなされる人の席、上席など別れており、家の中で物を置く場所まで明確に決まっていた。神棚のような、クマの骨を祀る場所や、人からもらった物を飾る棚など、配置を知るだけでも面白い。

    あとは『アイヌの一年』『世界史の中に見るゴールデンカムイ』の章も最高だった。戊辰戦争で死ななかった世界線の土方歳三が出てくるのはもちろん、ソフィアも実在する帝政ロシアの盗賊を組み合わせて書かれていたのにはびっくりした。

  • 【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
    https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/822349

  • ゴールデンカムイの単行本片手に該当するシーンを読み直しながら本書を読みました(笑)
    特に樺太アイヌや少数民族の方に関するコラムなどもあってとても興味深かったです。
    アイヌや少数民族の文化についてもっと勉強したくなりました。

  • ゴールデンカムイを読んで、歴史的史実や、文化が気になったので本書を読んだ。
    とても詳しく書かれていて、よかった

  • 2025/03/08読了
    今まで触れてこなかったアイヌ文化の奥深さを知ることができた。

  • ゴールデンカムイで出てくるアイヌ風俗の詳細紹介。辞典の形で紹介され豆知識として面白い。ゴールデンカムイのアイヌイントロダクションとしての偉大さがよくわかる。

  • ちょっと長かったかなあ
    役目なしに天から降ろされたものはない、の言葉は胸に刻もうと思います
    実在の人物と漫画のキャラクターの整合性を見ていく章が面白かったですよ

  • 新書で550ページと、ほぼ2冊分の大変読み応えのある本です。
    アイヌなどの文化を解説する本ですが、基本的にはゴールデンカムイの挿絵やストーリーを引用した解説です。
    裏話もふんだんなのでマンガやアニメのゴールデンカムイのファンの方も、地理や歴史が好きな方もサクサクと読み進められると思います。

  • 前作の“アイヌ文化で読み解く「ゴールデンカムイ」”が基本編だとすると、こちらはさらに詳細を描き、理解を深めるための一冊でした。
    基本文化などを振り返りながら、物語の中盤以降に出てくる樺太アイヌやニヴフ、ウイルタについてやソフィアのモデルになった女性についてなど専門家の寄稿も交えながら丁寧に解説されており、勉強になることばかり。一コマの描写が精緻かつ丁寧であり、取材、監修に基づいた上で「ゴールデンカムイ」という作品が成り立っていることがより実感としてわかるようになりました。
    また作品を読んだらきっと見えるものも変わりそうな上、きっと作品への愛情も深まることと思います。
    ファン必見、アイヌ文化の理解にもおすすめの一冊です。

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著者プロフィール

中川裕(なかがわ・ひろし) 1955年神奈川県生。千葉大学名誉教授。東京大学文学部言語学科卒。1995年金田一京助博士記念賞受賞。2018年文化庁創立50周年記念表彰。1985年から2021年まで千葉大学文学部でアイヌ語・アイヌ文学を中心に講義を行う。著書に、『アイヌ語千歳方言辞典』(草風館、1995年)、『アイヌの物語世界』(平凡社ライブラリー、1997年)、『カムイユカㇻでアイヌ語を学ぶ』(中本ムツ子と共著、白水社、2007年)、『語り合うことばの力』(岩波書店、2010年)、『アイヌ文化で読み解く「ゴールデンカムイ」』(集英社新書、2019年)、『ニューエクスプレスプラス アイヌ語』(白水社、2020年)、『ゴールデンカムイ 絵から学ぶアイヌ文化』(集英社新書、2024年)、『アイヌ語広文典』(白水社、2024年)などがある。

「2025年 『長濱清蔵のアイヌ語 十勝地方の物語』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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