ばけもの好む中将 九 真夏の夜の夢まぼろし (集英社文庫)

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  • 集英社
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087441178

感想・レビュー・書評

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  • 頭の中将雅平が古寺で妖艶な尼に出会い、心を奪われるが、実はとんでもない相手だった!?多情丸やその配下の狗王が出てきて、不穏な趣もかもす。宣能は父親の右大臣から受け継いでこういう手合いと関わっていかなければならないのだが、さてどうなっていくことやら。後半の夏の離宮でのてんやわんやの騒動が滅茶苦茶面白い。若草君、雅平、真白の君、十の姉が絡んできて、おおにぎわい。双子の女官やら、秘密の抜け穴やら、他にもてんこ盛り。

  • 怪異譚大好き中将・宣能と、彼に付き合わされる右兵衛佐・宗孝コンビのシリーズ第九作。

    宗孝の十二の姉君が恋してしまった十郎太こと実は十の姉君だが、今度はプレイボーイ中将・雅平の心まで奪ってしまう。何ともややこしい。
    十二の姉君は春若君こと東宮の心を奪っているし、九の姉君である梨壺の更衣は帝の寵愛を受けているし、四の姉君はモテモテだし。皆母違いの姉妹なのにこんなにモテるということは、実は宗孝のお父様は無自覚イケメンだったのか? そして宗孝もまた無自覚イケメン?

    という話は置いておいて、今回はあちこちで恋の花が咲きまくり。
    死んだはずの尼が甦り夜な夜な灯りが点るという寂れた庵と分かっても尼に会いに行く雅平には呆れるが、その裏に例のアレがいて驚く。
    宗孝の知らない、裏宣能がチラチラ出てくるが、彼は何を企んでいるのだろうか。

    ついに十二の姉君への思いをはっきりと自覚した春若だが、その様子を見た宣能の反応が更なる波乱の予感も感じさせる。宣能はやはり妹の初草を…。
    だがそのためには何と言っても右大臣と弘徽殿の女御という最大の障壁をどうするのか。
    皆が幸せになる方法はあるのか。
    そんな中で超禁断の恋の結実としての赤子を育てる中将・有光が一番幸せに見えるのが不思議。いつか三人で共に生きていけるようになれば良いなあ。

    と、ちょっと不穏なことばかり書いてしまったが、今回も楽しいドタバタ劇がある。
    恋の病の暴走を諌めるために宣能がイタズラを思いつき、堅物中将の繁成と発明好きな五の姉君夫婦も巻き込んだ仕掛けを実行しようとしたものの想定外の事態に発展したり、離宮であっちもこっちも追いかけごっこが始まったり。

    行き違いや勘違いのこんがらがった糸は完全にほどけたわけではないが、ちょっとだけ糸口が見えたところもあり、これからがますます楽しみ。
    とは言えこれが最新刊なので、まだ当分待たなければならないけれど。

  • シリーズ第9作。
    前作を読んでから間が空いてしまい、すんなり思い出せないこともありました。

    宰相の中将雅平が恋に振り回されて、その先には多情丸や狗王、十郎太が絡んできたりと盛りだくさん。夏の離宮の宴では、怪異を探る中で、春若君と真白、皇太后や十郎太、4人の中将や更衣に関連する姉君達とこちらも盛りだくさん。

    ドタバタしながら一気に話が進んできました。右大臣や弘徽殿の女御がそんなに話に絡まないので、宣能や宗孝も精神的に追い詰められる感じがなく、安心して読めました。初草の出番が少なくちょっと残念。

    十郎太は男装でも女房姿でもきっと美人なんだろうなぁと思います。

  • 麗しき王宮時代。
    権力を持つ父との関係を拗らせた中将は、今日も今日とて怪異を求めて、宗孝と共に怪しい場所を彷徨う日々。

    続けば続くほど、面白くなる。
    次の新刊はいつかなぁ。

  • 雅平危機一髪……!
    よく考えてみればこのひとも結構不憫なんだけど、本人がまるで堪えてないから全然そうは思えないんですよね。
    宣能さまが嬉々としてからくり身に着けてる姿がかわいくて好きですw
    情景を脳裏に描くとめちゃくちゃ笑えるんですけども。
    五の姉君がわりとぶっとんだセンスをしている。
    めっちゃストレス溜めてそうな宣能さまに、宗孝と一週間くらい怪異ツアーに放り込んであげたくなる。
    人間関係出揃ったと思ってたけど、もしかしてもうちょっと出てくるのかなぁ。
    十の姉君は罪つくりなお方。これは確定。
    宗孝の苦労は続いている(定期)

  • 登場人物の相関関係覚えてる間に次読みたい!

  • シリーズ第九弾。

    十郎太こと十の姉上は、まさに“ハート泥棒”といったところで、真白に続き今回は宰相の中将・雅平の心を乱していました。
    そして、毎回楽しませてくれる春若君の暴走ですが、ついに・・・!春若君の“告白”を聞いたとき、宣能がぐっと拳を握りしめたのってガッツポーズだったのですかね?
    宣能は初草の幸せを第一に考えているのだと思いますが(あ、ばけもの第一か?)、宗孝や初草といるときと、父親や狗王に対峙しているときとのギャップが彼の闇を感じさせます。
    何だか色々な思惑が入り乱れてカオスっぽくなっていますが、今後の展開が楽しみです。

  • 久しぶりに読んだら、十郎太こと十の姉上大活躍!

    春若さま、久々に真白にあえてよかったねぇ(笑)

  • 「夏衣つづれ織り」「真夏の夜の夢まぼろし」の2編からなるシリーズ第9弾の主人公は宰相の中将雅平!?
    五の姉上と頭の中将繁成を巻き込んでの騒動に十の姉上十郎太まで加わって。。。
    皇后さまの別邸「離宮」で、今度は真白と春若までをもまきこんで!(笑)
    …と言ってももちろんはじまりは化け物を追う宣能と宗孝!
    今回も物の怪には全く縁がなかった宣能だけど、春若の宣言に喜んだ(?)のは妹初草を思ってだよね。右大臣家の暗闇を背負いつつも、いい方向に向かえばいいな。そして次こそ彼にも物の怪との対面をかなえてあげてと願う私。

  • 春若と真白がなんとも可愛らしい
    十の姉君は罪なお方ですねww
    さぞや美しく、強いのですね
    会ったら惚れちゃうかも(^_^)

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著者プロフィール

1964年生まれ。91年『闇に歌えば』でデビュー。
「ばけもの好む中将」、「暗夜鬼譚」シリーズ(ともに集英社文庫)、『怪奇編集部「トワイライト」』(集英社オレンジ文庫)など著作多数。

「2019年 『百鬼一歌 菊と怨霊』 で使われていた紹介文から引用しています。」

瀬川貴次の作品

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