- Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
- / ISBN・EAN: 9784087441406
感想・レビュー・書評
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血統は知るほどに深いです。
競馬ライターとしての取材に裏付けされた描写も流石です。
競馬界の光と闇を知りました。
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0年代のJRA厩務員と現代の競馬記者。2つの筋が並行して進む。特筆すべきは、70年代編のレース描写が素晴らしい、ということ。文章だけでドキドキ、ハラハラさせてくれる。さすがは当代随一の競馬ライター、島田明宏さん。馬の成長過程や、厩舎周りの人間関係の描写も自然で、ノンフィクションと言われても納得してしまうレベルだ。だが現代編はやや退屈。ディテールの書き込みが過剰なわりに展開が少なく、読むリズムが滞った。謎解きの結末には、良心的な競馬ライターらしくバランス感覚に優れた答が待っていて、気持ちよくゴールできた。
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島田明宏の競馬ミステリー、4冊目。
少し前の淑子さんのラジオ番組で、作者がこの本のことを喋っていたのを聴いたが、周辺情報として聞いておいて良かったな。
明治時代に主にオーストラリアから輸入された”サラ系”についてはヒカルイマイをきっかけにして知ってはいたが、改めて勉強になった。
なるほど、8代かけ続ければサラブレッドになると言ってもそれは母系でつながる話で、サラ系の種牡馬をかければその仔はサラ系でしかなければ、そりゃあサラ系の種牡馬をかけようという人はいないよな。あれほど強かったヒカルイマイでも如何ともし難し…。
1970年代と2020年代の2つの時代に分かれて話が進むが、2020年代に小林が調べていく過程は、作者が3年前のグリーンチャンネルの特番のために実際に調べ回ったことも反映されているようで、ワカタカの血統書が浦河の馬事資料館にあるもの本当の話のようだし、その番組を見ていない私には色々と興味深い。
1970年代のホーリーシャークの話を浅いながらも上手いこと作り上げて、実際の調査と結び付けて出来た話は、このシリーズとしては初めてまずまず良かったように思う。
ということで、大甘だが★4つ。 -
ネヴァーセイダイ(弱音を吐くな)