ノン・サラブレッド (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
3.53
  • (1)
  • (7)
  • (6)
  • (1)
  • (0)
本棚登録 : 70
感想 : 4
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087441406

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 血統は知るほどに深いです。
    競馬ライターとしての取材に裏付けされた描写も流石です。
    競馬界の光と闇を知りました。

  • 0年代のJRA厩務員と現代の競馬記者。2つの筋が並行して進む。特筆すべきは、70年代編のレース描写が素晴らしい、ということ。文章だけでドキドキ、ハラハラさせてくれる。さすがは当代随一の競馬ライター、島田明宏さん。馬の成長過程や、厩舎周りの人間関係の描写も自然で、ノンフィクションと言われても納得してしまうレベルだ。だが現代編はやや退屈。ディテールの書き込みが過剰なわりに展開が少なく、読むリズムが滞った。謎解きの結末には、良心的な競馬ライターらしくバランス感覚に優れた答が待っていて、気持ちよくゴールできた。

  • 島田明宏の競馬ミステリー、4冊目。
    少し前の淑子さんのラジオ番組で、作者がこの本のことを喋っていたのを聴いたが、周辺情報として聞いておいて良かったな。

    明治時代に主にオーストラリアから輸入された”サラ系”についてはヒカルイマイをきっかけにして知ってはいたが、改めて勉強になった。
    なるほど、8代かけ続ければサラブレッドになると言ってもそれは母系でつながる話で、サラ系の種牡馬をかければその仔はサラ系でしかなければ、そりゃあサラ系の種牡馬をかけようという人はいないよな。あれほど強かったヒカルイマイでも如何ともし難し…。

    1970年代と2020年代の2つの時代に分かれて話が進むが、2020年代に小林が調べていく過程は、作者が3年前のグリーンチャンネルの特番のために実際に調べ回ったことも反映されているようで、ワカタカの血統書が浦河の馬事資料館にあるもの本当の話のようだし、その番組を見ていない私には色々と興味深い。
    1970年代のホーリーシャークの話を浅いながらも上手いこと作り上げて、実際の調査と結び付けて出来た話は、このシリーズとしては初めてまずまず良かったように思う。
    ということで、大甘だが★4つ。

  • ネヴァーセイダイ(弱音を吐くな)
     

全4件中 1 - 4件を表示

著者プロフィール

島田明宏(しまだ あきひろ)
1964(昭和39)年、北海道札幌市生まれ。早稲田大学政治経済学部中退。在学中より放送作家、フリーライターとして執筆活動を始める。1990年夏から武豊騎手のアメリカ遠征に同行するようになり、『Number』『別冊宝島』『週刊文春』『週刊朝日』などで競馬関連の原稿を執筆。著書に『「武豊」の瞬間』『誰も書かなかった武豊 決断』『ディープインパクト 無敗の三冠馬の真実』『伝説の名ジョッ
キー 歴史をつくった天才たちの光と影』『ウオッカ物語 競馬史に残る美しき名牝』競馬ミステリー小説『ジョッキーズ・ハイ』ドラマ化作品『絆 走れ奇跡の子馬』など。2009年「下総御料牧場の春」で第26回さきがけ文学賞選奨、2012年『消えた天才騎手 最年少ダービージョッキー・前田長吉の奇跡』で2011年度JRA 賞馬事文化賞を受賞。

「2020年 『ジョッキーズ 歴史をつくった名騎手たち』 で使われていた紹介文から引用しています。」

島田明宏の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×