サクラオト (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
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本棚登録 : 133
感想 : 12
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087442069

作品紹介・あらすじ

聴覚をテーマに描いた表題作ほか、五感をテーマにした5編+Extra stage「第六感」からなる本格ミステリー連作短編集。

感想・レビュー・書評

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  • <東北の本棚>五感題材に謎と闇描く | 河北新報オンラインニュース / ONLINE NEWS
    https://kahoku.news/articles/20210712khn000011.html

    サクラオト/彩坂 美月 | 集英社の本 公式
    https://books.shueisha.co.jp/items/contents.html?isbn=978-4-08-744206-9

  • ーー

     桜、ミステリ、彩坂美月となると、読まないわけには。
     咲いてしまえば、散るしかなくて。



     学校その他が9月始まりになかなかならない最大の理由って、桜の季節が4月だからなんじゃないかって本気で思っている。
     桜の下で始まって桜の下で終わる、連作短編、となっているけれど通読をおすすめします。各編それぞれが想い合い、すれ違う姿を様々に描いていて、しかし夕陽と一緒に鬼も背負っちゃったような奴ばっかりなんだけど、それも伏線と云えばそうなのかな。

     桜を題材にした、となるとやはり梶井や安吾が出てくるんだけれど、皆さん何か桜と云ったらこれ、みたいなのあるのかしら。桜塚護か? あれはなんていうかトラウマ。


     1冊をとおして、彩坂美月のいいところ悪いところ気になるところがザッピング出来る良い作品だと思います。☆3.4

  • 不安というか不安定な雰囲気が好み。第六感はなくても良かったかも。

  • 『サクラオト』(彩坂美月著)を読了。
    彩坂美月さんらしい爽やかでほろ苦い青春小説のようなテイストと、ミステリー&ホラー要素が楽しめる1冊でした。
    ボリュームも少なめなので最後まで一気に通して読むことがオススメです。
    やっぱり彩坂美月さんの本は好きです。

  • 五感をテーマにした連作。面白かったです。

  • 五感をテーマにした連作短編集、面白かったです。

  • 「サクラオト」「その日の赤」「Under the rose」「悪いケーキ」「春を摑む」「第六感」
    6話収録の連作短編集。

    彩坂作品に漂う不穏さは今回も健在。
    本作では更に緊張感もプラスされ趣向を凝らしたミステリーとなっている。

    春夏秋冬の各季節に聴覚・視覚・嗅覚・味覚・触覚の五感を掛け合わせた構成は新鮮。

    ライトノベル風な装丁で軽いミステリーをイメージしていると良い意味で裏切られ予想していた結末は見事に覆される。

    春の日中に見る満開の桜は美しいけれど夜桜はどこか禍々しさを感じる。
    その桜の様に人の心の多面性に慄く読後。

  • 最後の一編があるから
    この物語全体が
    どこか不安定な気持ちにさせられてしまう
    それが良いし
    これが小説を読んだ気持ち
    どこまでが
    どこからが
    境界線が曖昧になるからこその
    面白さ
    一編一編の魅力を包み込んでくれる最後の一手

  • この作者様の他の作品を読みたいのですが、なかなかなくて…気分転換に選びました。
    五感をテーマにした五編+Extra stage「第六感」からなる本格ミステリーの連作短編集でした。

    とても読みやすくて面白かったです。そこまで長くないのでサラリと読めます。温かい話もありつつ、基本はホラーよりでした。
    「変わった構成の本だなぁ。でも連作なのかな?」と思っていたら、最後で種明かしがありました。「騙されたー!」と言うより、「あぁなるほど」と思わず納得してしまいました。全てが明かされたあとはスッキリした読後感でした。

    常に不穏な空気を出しつつ進むお話は、ちょっぴり怖かったです。
    表題作にして一番最初に読むであろう『サクラオト』で一気に作者様の世界観に入り込んでしまいました。もうどっぷり浸かりながら一気読みです。

    個人的には、ゾクッとした終わり方で続きが気になる『サクラオト』『悪いケーキ』と切ないけれど前向きに終わる『春を摑む』が好きでした。
    早くほかの作品を読んでみたいです。

  • 伏線がそこかしこに散らばってるのに、自然な描写なのでストレス無く読み終えられた。大胆に伏線回収もしてくれるので読み終わりもスッキリ。特に最後の章は、この作品全体の謎が解明されていくので、わくわくしながら読み進めて、ついつい駆け足に…!
    作者のスリリングなシーンの描写がすごく好き。読んでるこっちまで身の危険を感じてゾワゾワするような感覚になって、表現力とはこういうことかと思った。

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著者プロフィール

山形県生まれ。早稲田大学第二文学部卒業。『未成年儀式』で富士見ヤングミステリー大賞に準入選し、2009年にデビュー(文庫化にあたり『少女は夏に閉ざされる』に改題)。他の著作に『ひぐらしふる』『夏の王国で目覚めない』『僕らの世界が終わる頃』『サクラオト』『思い出リバイバル』などがある。本作『向日葵を手折る』が第74回日本推理作家協会賞長編および連作短編集部門にノミネート。

「2023年 『向日葵を手折る』 で使われていた紹介文から引用しています。」

彩坂美月の作品

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