朱華姫の御召人 上 かくて愛しき、ニセモノ巫女 (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
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  • Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087444391

作品紹介・あらすじ

先帝の血を引くが、それを隠している蛍。ある日、奥の神に仕える巫女“朱華姫"に選ばれ、帝の宮で暮らすことに……? 和風ファンタジー!

感想・レビュー・書評

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  • コバルト文庫で2014年に出版された同作を、集英社文庫として再刊行したもの。
    華やかな表紙絵は、「後宮の烏」のイラストも担当されていた香魚子さんです。

    白川紺子さんの完結シリーズ「後宮の烏」の原点ともされるこの作品。
    中華風な世界に巫術要素が掛け合わされており、「楽の宮(ささらのみや)」「幽の宮(かくれのみや)」「巫術師」など「後宮の烏」でも出てきた用語が!
    表紙絵の主人公とその御召人を見てもわかるように、「後宮の烏」よりも恋愛要素が強く、文章も読みやすくてさくさく読みきれました。

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    主人公の蛍は16歳。
    16年前に反乱で殺された先代帝と、当時女官だった母との間に生まれた娘だった。
    しかしその素性は絶対に明かさないよう、母から言いつけられて蛍は育った。
    病にかかった母とともに、伯父の家で暮らしていた蛍だったが、下働きの使用人と同じ扱いをされ、伯父からは蔑まれていた。

    そんな折、現帝から使者が蛍のもとを訪れ、巫女・朱華姫(あけひめ)に蛍が選ばれたと告げる。
    帝の宮へと案内された蛍は、朱華姫の御召人・第二皇子の柊に守られながら暮らすことになるのだが、「朱華姫」には大きな秘密があった…

    〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

    かっこいい御召人・柊に守られつつ、ちょっとオドオド気味の蛍に、ときにはイラッとしながらも(苦笑)(←その感情を嫉妬と申します…)あっという間に読みきり。
    登場人物も結構多いのですが、メモもいらないくらい描くキャラが立っていて、すごく楽でした。
    ただ、各エピソードのつなぎめは、少し荒い印象はありました。

    最初に置かれた「朱華姫」の秘密自体は上巻でほぼ解決。
    あとは蛍が先代帝の娘であるという秘密が、下巻でどう絡んでいくのか…?
    朱華姫の存在には制約があるようですが、それが蛍と柊の関係性にどう影響を与えていくのか…?
    また、現帝を貶めようとする敵の正体は…?
    というところが、下巻の見どころなのかな??とおもいます。

  •  『後宮の烏』とはまた違って面白かったです♪

  • また楽しみが増えた。

    もどかしい蛍と柊。神と穢れ。
    「後宮の烏」にも繋がっている世界観。
    誰が敵で味方か。
    これからがすごく楽しみ。

  • 後宮の烏の作家さん、、、と、思って読み始める。
    やはり、引き込まれた。

  • 蛍は母との約束で、先帝の父の血を引いている事を隠して暮らしてきた。
    ある日、巫女・朱華姫に選ばれ、第二皇子の柊が御召人となり、かしずかれる事に戸惑いを隠せなかった…

    陰謀渦巻く宮中で、朱華姫としての立場に戸惑う蛍と、それを支える柊の関係が徐々に近づいているけれど、まだ受難は続きそうでヒヤヒヤです。
    次巻でどう動くか、今から楽しみです。

  • 元版は2014年のコバルト文庫。なるほど少し若書きな感じが残っているのでこの評価。マンガに似合いそうな展開。下巻はどのように。

  • Tさんのおすすめ。

    市井の娘が後宮に入り、
    優れた能力や異能を発揮する話はよくある。
    しかも恋愛要素あり。
    そんなよくある話でありながら、
    しかも意外とドキドキシーンが多いながら、
    ありがちとは思わせない何かがあった。

    後宮に入ると言っても妃でもなく女官でもなく、
    朱華姫という巫女的な立場のせいか、
    神様に連れ去られないように偽の夫を立てたという昔話が良いのか、
    最終的に皇太子(!)になったせいか。

    (下巻へ続く)

  • 懐かしい感じの激甘ファンタジーだなぁと思いながら読むと、元はコバルト文庫だったそうで、納得。
    出生の秘密を持つ蛍と、心に傷を持つ柊。
    不器用な二人の間に育つ恋と絆にキュンキュンですね。
    和風ファンタジーらしいけど、先に後宮の烏を読んでいたせいか、中華っぽく感じました。

  • 王道なストーリー展開ですが、蛍も柊も良い子で可愛い。何より無自覚に柊が溺愛しているので甘々なためほっこり読める。

  • 以前ハマった『後宮の烏』と同じ世界が舞台と知って買ってみた。帝の企みが大掛かりで驚く。蛍と柊の距離感が初々しくて微笑ましい(この点は初出がコバルト文庫と知って納得)。十六年前に何があったのか気になる。

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著者プロフィール

三重県出身。同志社大学文学部卒。雑誌「Cobalt」短編新人賞に入選の後、2012年度ロマン大賞受賞。主な著書に『下鴨アンティーク』『契約結婚始めました』「後宮の烏」シリーズ(集英社オレンジ文庫)『三日月邸花図鑑』『九重家献立暦』(講談社タイガ)などがある。

「2023年 『海神の娘』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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