家康を愛した女たち (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
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感想 : 3
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  • Amazon.co.jp ・本 (296ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087444568

作品紹介・あらすじ

正室築山殿たち親族の女と、戦国を共に生き抜いた側室や北政所ら戦友たる女たちが語る私だけが知る家康! 大河と楽しむ歴史小説。

感想・レビュー・書評

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  • 家康の祖母、正妻、母、娘、側室…7人の、家康を愛した女性達が語る己の来し方行く末、そこから見えてくる「家康」像。
    解説で語られていたが、有吉佐和子の名作「悪女について」をオマージュしているとあり、納得。女達の語りから、少年期の、青年期の、壮年、老年の家康像が立ち上がってくる構成が見事。女性視点だからこそ、柔らかい語り口で、時に辛辣。今回初めて植松さんの著作を読んだが、とても読みやすく、気持ちよく物語に浸ることができた。
    歴史物の面白いところは、見る角度によって登場人物の立ち位置が異なる=ヒーロー(ヒロイン)にも悪役にもなり得るということ。同じ人物でも作者の意図がどう反映されるかで思いがけない展開となるから、その都度新鮮な気持ちで作品を楽しめる。食えない狸親父の印象が強い家康だが、本作では家族を思う人間らしい側面が垣間見えた。もっと深掘りしてみたい人物!掘っても掘っても掴みきれないだろうけど、そうやって追い続けるのもまた楽しいのだ。

  • 時流にあやかって購入。家康と関わりある女性それぞれの視点から という形式。
    祖母の華陽院と寧々様のお話が好きです
    華陽院が幼い竹千代へ「誰もがおかわり と言いながらお腹いっぱいご飯食べられる世を作りなさい」と諭す場面、令和の世でも実際ある話(戦争、ひとり親家庭の貧困、無職の方等)なのでぐさりと刺さりました。目に余ったのはお江の方が扱いが酷い。この本では姉、淀殿の死を悼まず夫を尻に敷き我儘を通している性格最悪女性

  • 時間軸に沿いながら、家康を愛した女性たち7人が順に語っていくというスタイル。前の人の秘めたる思いがあとの人によって明かされるなど、工夫もあって内容的にも良い。ただ、語り口調なので、人の話を7人分聞かなくてはならないというのが、ちと辛かった。

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著者プロフィール

静岡県生まれ。東京女子大学卒業。2003年『桑港にて』で歴史文学賞、09年『群青 日本海軍の礎を築いた男』で新田次郎文学賞、『彫残二人』で中山義秀賞。著書に『帝国ホテル建築物語』『万事オーライ』等。

「2023年 『羊子と玲 鴨居姉弟の光と影』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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