背高泡立草 (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
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本棚登録 : 133
感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087444964

作品紹介・あらすじ

【第162回 芥川賞受賞作】

長崎の島にあるとの時空を超えた壮大なドラマ

「別に良いやん、草が生えてたって。誰も使わんっちゃけん」大村奈美は、不機嫌だった。何故空き家である母の実家の納屋の草刈りをするために、これから長崎の島に行かなければならないのか。だが、彼女は道中で家族からある話を聞かされて考えを改める。それは、とにまつわる時代を超えた壮大な物語だった――。第162回芥川龍之介賞受賞作。書き下ろし短編「即日帰郷」も収録。

【著者略歴】
古川真人(ふるかわ・まこと)
1988年福岡県生まれ。國學院大學文学部中退。2016年「縫わんばならん」で第48回新潮新人賞を受賞し、デビュー。同作で第156回芥川龍之介賞候補に。17年、『四時過ぎの船』で第157回芥川龍之介賞候補、第31回三島由紀夫賞候補、19年、『ラッコの家』で第161回芥川龍之介賞候補。20年、『背高泡立草』で第162回芥川龍之介賞受賞。

感想・レビュー・書評

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  • 本作は、芥川賞を受賞した著者の代表作で、母の
    実家に残る納屋の周りに生い茂った草を刈るために、長崎のある島に向かう話で、親戚一同が草を
    刈るためにその島に集まる。
    なぜ、草を刈るのか、その納屋の歴史、家族の歴史が読んでて、心地よく物語が進まれていく。
    家族のルーツ、歴史を知ることが実に大事かと、あらためて実感しました。
    文章で描かれている、長崎の島が、自然に頭の中で、再生されて、文章の表現力にもビックリしました。あと、方言ですね。九州の言葉がここまで、私の脳裏を刺激するとは思いませんでした。
    とても、心地よい雰囲気になりました。

  • 2019年の芥川賞受賞から3年。文庫版が出ていたので再読。再読後の感動のほうが大きかった気がする。

  • 普段使っていない納屋の雑草を親族総出で刈り取る物語。ただそれだけなら物足りなかっただろう。だが、物語の合間に、納屋がある場所で起きた過去の話が挟まれており、とても味わい深い物語になっていた。芥川賞を取った表題作の他、1作収録。

  • 空き家である母の実家の納屋の草刈りのため、長崎の島に行かねばならない。誰も使わない場所なのに、母は「あそこは吉川の家だから」と繰り返す。

    うーーーん芥川賞と私は相性が悪いんだ。背高泡立草の方はちょっと分からんかった。あんま集中してちゃんと読んでないから中身が頭に入らなかったのもあるけど……こう、あんまりエンタメ性とか、分かりやすい起承転結ないとアレなんだよね。即日帰郷の方は面白かった。こういう話好き。おあ……ってなった。同じ作者さんなのに全然別反応なの何でかな。結局自分の興味のあるストーリーか否かというとこなのか?即日帰郷は星3〜4なんだけど、表題作は星0〜1なので、間をとって星2となりました。

  • おそらく本書の良さを正しく理解出来なかった読者の一人。不快感がある訳では勿論ないものの、カットバックで行き来するもう一方のストーリーの意図が飲み込めず最後まで読み進んでしまった。芥川賞作品なので自分の読解力がないことにやや落胆をします。

  • 芥川賞受賞作。

    今は空き家となっている母の実家へ、草刈りに行く。
    母の姉と兄、従姉妹(伯母の娘)と5人で。

    その様子と、母の実家に関係する人などの昔の物語が錯綜して描かれている。

    家族の何気ない日常がテーマなのでしょうか…わからない…。芥川賞…わからない…。

    小説読了189冊目。ブクログ内で。

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著者プロフィール

作家

「2023年 『ベスト・エッセイ2023』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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