アナログ (集英社文庫)

  • 集英社
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  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087445060

作品紹介・あらすじ

手作り模型や手書きのイラストにこだわるデザイナーの水島悟は、ある日自らが内装を手掛けた喫茶店「ピアノ」で謎めいた女性・みゆきと出会う。自分と似たような価値観を持つ彼女に徐々に惹かれていく悟。意を決して連絡先を聞くも、なぜか彼女は携帯を持っていなかった。そのためあえて連絡先を交換せず、毎週木曜日ピアノで会う約束を交わす。
「お互いに、会いたい気持ちがあれば会えますよ」
会える時間を大切にして、ゆっくりと関係を深めていく2人。しかし、突然彼女はピアノに現れなくなってしまい……。
毎週木曜日、同じ場所で会う約束。携帯を持たない彼女との、連絡先を交換しない“アナログ”な関係を描く、珠玉の恋愛小説。

【著者略歴】
ビートたけし
本名、北野武。漫才師、映画監督、俳優、画家、作家、歌手。
1947年1月18日、東京都足立区にある北野塗装店の御曹司として生まれる。明治大学工学部名誉卒業。歴史に残る高視聴率番組と歴史に残る低視聴率番組を数多く生み出す。
89年『その男、凶暴につき』で映画監督デビュー。97年『HANA-BI』でベネチア映画祭グランプリを受賞。2006年ガリレオ2000賞文化特別賞を受賞。08年モスクワ国際映画祭特別功労賞を受賞。10年フランス芸術文化勲章コマンドールを受章。16年レジオン・ドヌール勲章を受章。18年旭日小綬章を受章。22年ウディネ映画祭ゴールデン・マルベリー賞(生涯功労賞)を受賞。22年タシケント国際映画祭功労賞を受賞。

感想・レビュー・書評

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  • ビートたけし『アナログ』集英社文庫。

    昭和の時代を思い出すような恋愛小説。

    携帯やスマホ、メールやSNS、サイトなどが当たり前の現代。デジタルの世界で男女が簡単に出会い、簡単に恋愛して、簡単に別れることが普通になった。

    時代に逆行するように、お互いに連絡先を交換せず、毎週木曜日に同じ場所で会うことだけを約束した男女の『アナログ』な恋愛の行方を描いた作品である。

    途中までは非常に面白い物語だったが、ラストがイマイチであるのが残念。余りにもお涙頂戴の創作色の強いラストが全てを台無しにしてしまった。最後の最後まで『アナログ』を貫いて欲しかった。

    インテリアデザイナーの水島悟は自らが内装を手掛けた喫茶店『ピアノ』で、みゆきという名前の美女と偶然知り合う。自分と似た価値観を持つみゆきに次第に惹かれていく悟。何故かみゆきは携帯を持っておらず、連絡先を交換せずに毎週木曜日に『ピアノ』で会うことを約束する。

    毎週木曜日に2人の時間を過ごすうちに悟とみゆきの距離は縮まり、悟はみゆきにプロポーズすることを決意する。

    しかし、プロポーズする予定の木曜日から、みゆきは『ピアノ』に現れなくなる。

    1年が過ぎ……

    本体価格700円
    ★★★★

  • 天才ビートたけしが、恋愛小説を書いたら...
    【純愛作品が誕生した!】

    お笑い意外にもフライデー襲撃事件、暴力的シーンが印象的な映画等々、破天荒で男らしいイメージが強いビートたけし。
    そんな彼が満を辞して恋愛小説を書いたと知り即購入してから...積本となっていた本作にやっと手を伸ばした。

    時代背景は現代でありながらアナログ主義な水島悟と美春みゆきの恋模様が書かれる。

    ビートたけしが駆け抜けたであろう、昭和の古き良き恋愛を元にしたのだろうか。
    現代と比較すると利便性に欠けて非効率なようにも感じてしまうが
    恋愛や人間関係はそもそもオフラインの時間があるからこそ、より惹かれていく部分もあるよな。
    と再認識させられる。

    登場人物の情報が少なく感じた部分は否めないがタイトル通りアナログがテーマの作品であるので整合性は取れている。

    小説の中で多々見られる友人や母とのやりとりは
    ビートたけしについて調べると本人らしさがより感じられ、ありふれた恋愛小説とはまた少し違った印象になった。

    ------------

    デザイナーの水島悟はある日、自らが内装を手掛けた喫茶店「ピアノ」で謎めいた女性、みゆきと出会う。 似たような価値観を持つ彼女に徐々に惹かれていく悟。 意を決して連絡先を聞くも「お互いに会いたい気持ちがあれば会えますよ」と言われ、毎週木曜日にピアノで会う約束を交わす。

  • めざましテレビで、映画の紹介をしていたので購入!

    の前に、書店では何度か見かけたがビートたけしの作品と言う事で手が出なかった。

    が、幾多りらさんが映画のインスパイアソングを書いたというのが決め手!

    映画は10月公開ということなので観に行きます!!!


    主人公達は現代を生きています。しかし、作者のせいか、非常に懐かしい!?
    主人公の悟と親友の高木と山下の3人の飲み会の会話と行動には何故か昭和の香りが漂って、勝手にノスタルジーを味わえる作品かと思います。


    主人公の水嶋悟は建築デザイナー 過去に自分が内装を手掛けた喫茶店ピアノを訪れる。
    何の巡り合わせか、みゆきという謎めいた女性と出会い、一瞬で惹かれてしまう・・・
    毎週木曜日にピアノで待ち合わせを約束する事になるが、電話番号やメールアドレスは交換しない?
    それ故に、木曜日が待ち遠しくなる・・・
    そんな、現代に反する様なアナログな関係が二人の関係を深めていく事になるのだが・・・

    携帯電話やSNSで無駄に連絡を取り合わない二人の関係は、凝縮されたエスプレッソのような思いが深く染み渡るストーリーへと昇華していきます!

    それと、主人公達の会話に落とし込まれているビートたけしさんならではの、歯に衣着せぬ言い回し、クスッと笑えます!

    そして、184ページなのでアッサリサクッと読み切れます!

  • 友人から勧められ購入。
    ビートたけし氏といえばお笑いタレントだけでなく、司会者や俳優、果てには映画監督とマルチな才能を世に轟かせている著名人。そんなたけし氏の書いた小説ということで、どんな内容なのかワクワクしながらページを捲り始めた。

    やや下ネタが多めながら、作中に溢れるコント調の会話はテンポ感が素晴らしい。読みやすい文体も印象的で、ストレスなく読み進めることができた。
    嫌味な上司に成果を横取りされたり、納期に追われ徹夜続きの中、腐らず自分の仕事に誇りとやりがいを持てる悟は素直に格好いい。苦労をかけた母親に親孝行してあげたいと悔し涙を流す姿に思わず涙。
    ミステリアスなヒロイン・みゆきも、作中のセリフ自体は少ないにもかかわらず非常に魅力的な存在で、読者目線でも「早く木曜日来い!」「今回は会いに行けるのか!?」とハラハラさせられた。

    少し残念だったのは悟とみゆきのエピソードが少なかったこと。週に一度しか会えないというのが作品のキモというのは十分理解しているが、悟がみゆきに惹かれるまでの時間が短すぎることや、終盤の展開が急なこともあり、そこまで悟に感情移入ができなかった。

  • うーん、、、普通だったの。
    普通だったのよ。
    高まりがなかったのよ。
    うーん。
    いいお話だとは思ったんやけど、また読みたいってならなかった。

  • ニノと波瑠の素敵な2人で映像化と話題でしたので映画を見る前に読んでみました。がっ…おもしろいか?読んだことあるような無いような、ありきたりの恋物語。似たドラマを見たようなような気がする、、、要所で入る漫才のようなやり取りや下ネタが多すぎて嫌になる。ビートたけしの持ち味でしょうか?最後は波風たたずに綺麗にハッピーに終わるとこ、、、なんかつまらんかったわぁー有名人の作品あるある

  • たけしさんの映画は好きだけど…これも映像化されると良くなるのかな?
    便利なツールを手に入れた私たちは、誰とでも簡単に連絡を取り合うことができる。情報を共有するすることができる。時短で問題を解決することができる。
    そうではない世界。そうなる前の人との関わり。
    もともとそうであったアナログな人間関係。
    今を皮肉ったわけではないと思うけれど、もどかしさや、あえて選ぶ不自由にあまり必要性は感じなかった。
    「嫌いなんですよね」
    それは個人的なことでお互いがそれで良いのならそれについてとやかく言うことはないけれど、結果、周りの人に不要な心配をかけていると言うことに主人公が無頓着なんだなと思う。

    なかなかツッコミどころは多くて、出会いからして相席って謎だし、それなりの大人が一目惚れしたその日から生活軸が仕事より彼女って…それはないなと思う。しかもまだ30歳代で「もうたくさんしてきたんだから、それはもういいだろ」的なプラトニックはファンタジーでしかなく(僕の好きな女性だけは汚れないという主人公の願望?)、年配者に対する失言も多々あって、友人の交わす会話は基本下ネタ。出張先でも頼んでもいないデリヘルが登場。なのに…自分と彼女だけはプラトニック。
    漫才トークももしかすると動画であれば笑えるのかもしれないけれど、活字を読まされているとしらけてしまうのは否めない。
    主人公のこと友人のこと生い立ちから現状まで説明文あるけど、あまり本筋には関係なくて、それこそ30歳も過ぎて干渉し過ぎ。行きつけの定食屋のエピソードはなんだったの?

    ストーリーが悪いわけではないと思うのだけど、全体的に残念。とは言え、作家ではないので限界なのかなとも思う。
    同じストーリーを伊坂幸太郎さんが描けばもっとシリアスになっただろうし、凪良ゆうさんが描いたらもっと繊細になっただろうし、有川浩さんが描けばもっとキュートで素直に泣ける物語になったんじゃないだろうかとつい考えてしまう。

    今年の19冊目



  • 帯に映画化されるとの記載もあり
    少し期待し過ぎた気がします。

    裏表紙には「珠玉の恋愛小説」
    ハードルが上がるようなことばかり…

    お互いの気持ちを直接確かめ合わないのも
    アナログというかも知れないけど、
    なんだかなぁ〜という感じ。

    結局、2人の幸せなそうなシーンが少ないから
    「本当に相思相愛なの?思い込みでは?」
    と思ってしまったのかも

  • 簡単に連絡先を交換できる現代。
    毎週木曜日にここで。
    という約束だけで、募らせる想い。
    会いたい気持ちがあれば会える。
    ビートたけしさんの初めての恋愛小説。

    脳内はもう、二宮くんとハルさんでした。
    連絡が簡単に取れなかった時代は
    もどかしさを感じなかったような気がする。
    取れるのに取れないっていうのが
    想いを増長させるよね。

    友人たちの下品さは
    ビートたけしさんっぽいノリだなと思ったけど
    映画ではこの辺も美しくなってるのかしら。

    怖い人たちは一切出てこず、
    インテリアデザイナーっていうのも
    あいまって
    全体的におしゃれな本でした。

    たけしさん、多彩だなぁ。

  • やはりたけしは映像の人なのかなと。

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著者プロフィール

1947年東京都足立区生まれ。浅草フランス座で芸人としてデビュー後、1972年に漫才コンビ「ツービート」を結成、人間の「建前と本音」「理想と現実」との落差を舌鋒鋭く突きまくる芸風で漫才ブームの牽引役となる。テレビに進出後、『オレたちひょうきん族』『天才・たけしの元気が出るテレビ!!』などの人気番組を次々と手掛ける。映画監督としても『その男、凶暴につき』『ソナチネ』『HANA-BI』などの話題作を多数世に送り出す。2016年にレジオン・ドヌール勲章、2018年には旭日小綬章を受章。近年は小説執筆にも力を入れている。著書に『弔辞』(講談社)、『不良』(集英社)、『浅草迄』(河出書房新社)など。

「2022年 『浅草キッド』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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