孤舟 (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
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本棚登録 : 272
感想 : 40
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  • Amazon.co.jp ・本 (424ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087451115

感想・レビュー・書評

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  • 第一線で戦ってきたサラリーマン戦士の定年退職後の悲しいドラマ
    妻との会話が定年前でもあるあるすぐて切ないw
    上手な歳のとり方をしたいものだと思う
    まぁ、今時のサラリーマンは会社よりも家庭に傾倒しているのでこの小説のような物語は生まれてこないだろうけど
    定年退職以前に早期離婚のが問題だ
    熟年離婚まで持たないんだから時代は変わった

  • 余生をどう過ごすか、参考になるかと読んでみたが・・共感する部分、ほとんどなし。元役員の退職者がプライドを捨てきれずに自分勝手な愚痴と言い訳の連続。かなりピントがずれてる感じ。リタイアしてからの悲哀や新たな生きがいとか材料はあると思うが、この作品には何もない。理屈をつけても、嫁さんも勝手だし(笑)
    まぁ、読んだ時間の無駄でした。

  • 評価は3.

    内容(BOOKデーターベース)
    大手広告代理店の上席常務執行役員まで務めた大谷威一郎。関連会社の社長ポストを蹴って定年退職した。バラ色の第二の人生を思い描いていたが、待ち受けていたのは夫婦関係と親子関係の危機。そして大きな孤独だった。犬のコタロウが側にいるだけのさみしい日々がつづく。人生最大の転機を迎え、威一郎の孤軍奮闘が始まる。定年退職後、いかに生きるかという一大社会問題に肉迫した異色の傑作長編。

  • 定年後の自分はどうなるんだろうか?と自分と重ねながら読み進めた。多分プライドとか過去の役職とか、そんなものを身にまといチュージィなじじいになってしまうのだろうか?車に乗っていて目にするのは結構な渋滞の時、年配の特におじさんの中には意地でも割り込みさせないという人が時々いる。あそこまで必死な態度は一体何だろうと思う。話がそれたかもしれないが、あんな人にはなりたくない。おおらかなじじいになりたい。

  • P411

  • 医療ものや伝記物、映画などで知られた恋愛(快楽?)ものと、今まで読んだ内容とは違っていた。
    晩年の著となると、長く生きていくことの淋しさ、家族がいても孤独だったり、弱音も描かれる。
    それがすこし淋しく感じた。

  • 仕事しなくなったらどうするか?考えさせられました。

  • きっかけから、普段ない読み方でもあったので、このストーリーは、どこへ向かうのかと、ちょっとハラハラというのは言いすぎでも、先がわからず読み進む感じでしたが、文章自体は読みやすく、ただ連載小説なりの、章ごとの重複もあって、と、叙述がやっぱり間延びする感じというのを覚えつつ読みました。
    最後、おおとりとなって、むしろ、スッキリした気がしました。渡辺淳一さん、お若い頃の名エッセイ『公園通りの午後』と、あの話題作『失楽園』を読んだ記憶はあるのですが、その他の作品は読んで来なかったので。
    この威一郎の物語を、現代の象徴として書かれたのであれば、それは、当を得ているのだろうと、最後はそう思えました。

  • 定年退職後、仕事に打ち込んでいた主人公は
    思いもよらなかった事にことごとく直面していく。

    妻と旅行したり買い物に行ったりのんびりしたり…。
    そんな夢を思い描いていたにもかかわらず
    現実はまったく違うもの。
    それに理不尽に起こる主人公。
    ものすごく亭主関白、といえばまだ大丈夫そうですが
    単なる自己中心的夫。
    核家族になった今、これは無理です。

    最初から最後まで、女性相手には
    駄目だしをくらうだろう生活態度。
    男性にしてみれば、当然の生活態度。
    どうしても上に立つと、その癖がぬけません。
    それが生活の一部、ですし。
    どうして、相手の立場にたって、ができなくなるのか。
    プライドが高いのは面倒です。

    とはいえ、そのまま放置して楽をしてきた妻にも
    問題があるといえばあります。
    しかしこの夫相手だと、少しずつ改善、よりは
    崖から落とした方が早いのも確か。

    驚くほど典型的な、定年退職後。
    ある意味、世の中の男性に『退職後は気をつけろ』と
    警告できる本です。

  • 定年退職で、第二の人生は、今まで、我慢していた事やら、したいと思っていたのに、時間がなかったので、出来なかった事などなど、全て、出来るようになると、思っていたのに、、、

    定年後、待ち受けていたのは、夫婦関係、親子関係の、ちぐはぐな関係が、起こって、スワッ、別居生活か?に、、、、

    エリート企業戦士が、会社から離れたら、時間の余裕は出ても、金銭の余裕が、がっちり、配偶者に、掴まれているので、何も出来ない。
    上司の立場であったため指示をするのが、当たり前で、細かい用事など、自分でした事のないし、やらなかったのが、退職後、いちいち、家族から、指示が出るのが、余計に気に食わない。
    犬の散歩まで、やらされるのか?と、腹を立てるが、1日を過ごすのに、どうしたらよいか?主人公の威一郎は、時間の過ごし方が解らない。

    暇がストレスになっている!と、医師から言われたり、また、主人が、1日中、3食必要となり、家に居られるのにも、妻は、不定期愁訴に、陥ってしまい、お互いにイライラしてしまう。

    娘が、旅行にでも、行ったらいいのに、、、と、言われても、妻の方は、今までの旅行経験から、行きたくないとの自己表示をする。それを聞いて、夫も、余計にへそを曲げてしまう。

    人生バリバリと、働けているのが、幸せなのかもしれないと、つくづく思う。

    子供達も、巣立ってしまって、親を必要としなくなったら、好きなことできると、思っても、頼りにされている時は、もう、忙しいのにと思いつつも、、誰からも、頼りにされなくなったら、何もする気力が、起きない。

    人間とは、人のために、何か出来る時が、一番幸せなのだと思う。

    妻が、家を出てから、威一郎が、デートクラブの小西さんと、アバンチュールへとのはなしの展開になって来るが、彼女が、結婚してまで、お付き合いを約束する所で、話は終わるが、、、、
    やはり、渡辺淳一氏で、恋愛物を入れないといけないと、思っているのだろうが、最後までデートクラブの彼女の話で、終わるのはいかがなものなのだろうか、、、と思った。

    1日に、10万近くを、デートクラブで、使う事なら、今まで、つつましく、倹約してきた妻に、それだけの事をしてあげるという、夢のある話が、欲しかった。

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著者プロフィール

1933年北海道生まれ。札幌医科大学卒。1970年『光と影』で直木賞。80年『遠き落日』『長崎ロシア遊女館』で吉川英治文学賞受賞。2003年には菊池寛賞を受賞。著書は『失楽園』『鈍感力』など多数。2014年没。

「2021年 『いのちを守る 医療時代小説傑作選』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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