おれたちの青空 (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
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  • Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087451474

感想・レビュー・書評

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  • R3.12.19 読了。

     『おれのおばさん』の続編。『舞台になる児童養護施設「魴鮄舎」の住人で、前作では脇役ながら魅力的なキャラクターで登場していた卓也の短い家出を描いた話、恵子おばさんが若い頃に家を出て「魴鮄舎」を立ち上げて今にいたるまでの話、そして前作で少し大人になった陽介のその後を描く三つの話からなる。思えば、いずれも登場人物たちが住み慣れた場所から旅立つ話である。』…(解説より)。

     中学生から高校生になる思春期の先の見えない自分の将来のことを悩み、友人や周りの大人たちに影響を受けながら、1歩1歩前に進もうとしている姿が印象的だった。自分のことを振り返ると、ここまでちゃんと将来について考えていたかな・・・

  • これが、続編だとは知らずに読んでしまった

  • 「おれのおばさん」シリーズ第2弾
    陽介と同室の柴田卓也が語り手となった「小石のように」
    恵子おばさんが語り手となった「あたしのいい人」
    そして、陽介はじめ魴鮄舎の中3の4人の高校進学を中心に描かれた「おれたちの青空」3編

    まるで連続テレビ小説を見ているよう
    紆余曲折を経ながらもうまく収まっていくのだが、決して綺麗事ではない心の内部の葛藤が描き出されている

    このシリーズでは、文字通り『規格外』のおばさんの存在が子供達の救いや光となっている
    10代前半の少年少女たちが、自分たちの責任ではないところの重い事情に押しつぶされそうになりながらも、なんとか自分の運命を切り開いていこうとするたくましい生命力に感動し、希望の光が見えるのだが、現実はどうなのだろう?

    そんな事情を抱えた子供達への社会の目は?
    受け入れ態勢は?
    こんなおばさんの存在は?
    果たして自分は?

    日々ニュースを賑わせている児童虐待、育児放棄等の問題とも考え合わせ、大人として胸が痛くなる

  • 物語だけど、どこかノンフィクションぽく、人と人との関わりが濃くて面白い。
    おれのおばさん、の続編。
    同級生の卓也の今まで、おばさんの大学〜おばさんになるまで、タイトルの陽介の高校受験にまつわる今後への話は20ページほどの3編。卓也の境遇、思い、人への優しさなど深くわかる。

    おばさんは大学時代からの友達、次期教授、玉木さんも出てきて今でも好きな元旦那との出会い、演劇、浮気〜離婚と壮絶な半生を辛気臭くなく、テンポ良く語る。

    ついつい読んでしまう面白さがある。
    登場人物の素直さ、頑張り、努力、その陰には児童養護施設という環境で育つという道で、強烈なおばさんとの生活で曲がることなく生きていく様がまた清々しい。

  • 紀伊國屋web

  • おれのおばさんシリーズで一番好き。卓也目線での短編に泣けた。陽介や卓也の成長を見守る母の気持ちになる。恵子さんサイコー!

  • 前作のおれのおばさんの続編というかスピンオフ中編&短編集かな?

    まずは、陽介とは仲良しコンビの卓也の過去がわかる中編。
    うーん、卓也デカいぞ!w 出自に負けるな!頑張れ!!

    そして、おばさんの過去を書いた中編・・・離婚しちゃったおばさんだけど、今でも好きなのね~。。。これは、可愛いというべきなんだろうなぁ・・・わたし的にはありえんがw

    前回主人公だった陽介は最後の短編にだけ。
    これは全作の続編でもあり、最初の中編の続編でもあるわけねー。陽介、相変わらずいい子ね。続きが楽しみ♪

  • 今作の主人公も陽介君だと思って読み始めたら、
    ???
    あれ?

    卓也じゃん!
    と、正直ショックだった。
    が、卓也の生い立ち、魴鮄舎で暮らす経緯が綴られていて、それがまた泣ける話で。

    で、次の章で主人公が変わり、
    恵子おばさん。
    彼女の人生もまた、山あり谷ありで泣ける。
    けど、救いもあって、間違ってなかったよね、って賛同してしまった。

    最後の最後に、陽介君登場。
    この子は本当に良い子。

    ただ、章ごとに、前作の説明が入ってくるのは、しょうがないのかもしれないが、
    長いよ!
    と感じた。

    次作も是非読んでみたい。

  • 2016.03.14

  • 良かった!

著者プロフィール

1965年、東京生まれ・茅ヶ崎育ち。北海道大学法学部出身。在学中は恵迪寮で生活し、現在は埼玉県志木市で暮らす。2000年「生活の設計」で第32回新潮新人賞。2002年『縮んだ愛』で第24回野間文芸新人賞受賞。2011年『おれのおばさん』で第26回坪田譲治文学賞受賞。

「2021年 『満天の花』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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