百舌の叫ぶ夜 (集英社文庫)

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  • 集英社
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  • Amazon.co.jp ・本 (456ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087451665

感想・レビュー・書評

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  • 孤狼岬で発見された記憶喪失の男は、妹と名乗る女に、兄の新谷和彦だと確認され、引き取られていく。
    一方、倉木警部は、妻が亡くなった新宿での爆弾事件を追いかける。

    百舌シリーズ。

    ドラマで筋がわかっていても、引き込まれる面白さ。

    スリリングで、謎めいていて、ひりひりする展開。
    テンポもよく、最後まで一気に駆け抜けていく。

    新谷、彼を追う側、警察、公安。
    それぞれのキャラクターも個性的。

    ドラマの配役も、ぴったり。

  • ドラマ・MOZUを観たあと、気になっていた原作として読んだ。本書とドラマの内容は若干異なる、という感想もあったがひとつの作品として、とても楽しめた。映像が記憶に残っていたおかげで、話の筋が前後してもあまり違和感なく読み進められた。このシリーズを続けて読んでみたいと思う。

  • 倉木に夢中w
    でもなぁ~ハードボイルド系に女絡みは邪魔なんだよね。
    シリーズ揃えたから読むけど·····。

  • 文句なしに面白い!
    初めは時系列が上手く掴めず混乱しましたが、慣れてしまえば問題なし。

    登場人物の全てと言っていいほど、皆が闇を抱えている。
    その暗さがまた嫌いじゃない。
    しかし警察は本当にワルだなぁ。
    現実でも多かれ少なかれ、闇が渦巻いていそうで恐ろしい。

    原作を読むのを楽しみにしていたのでTVや映像は観ない様に気を付けていました。
    その甲斐あって本書を思い切り楽しむ事が出来ました。
    この作家とは相性が良いようです。

  • ずっと読みたかった本。
    記憶を失くした殺し屋らしい男と、妻を爆破テロに巻き込まれて亡くした公安の男。
    両者の物語が交差した時、絡まっていた事件の謎が明かされる。
    ノンストップのサスペンス映画を見ているかのような躍動感。
    面白かった。
    シリーズものと後で知った。
    この作品で一番魅力的だった、倉木さんがまた出てくるみたいなので他のも読んでみたい。

  • また新たなシリーズものに手を出してしまった。
    本作品は『MOZU』としてテレビドラマ化もされている。視聴はしていなかったが、西島・香川コンビのドラマはなんとなく記憶に残っている。
    逢坂剛氏の作品に触れるのはこれが初です。はっきり言って面白かった。
    それにしても展開が複雑。読めば分かると思うけれど、登場人物や時系列を含めて頭の中で整理していかないと最初はちょっと混乱するかも。
    表紙写真にもなっている西島秀俊は倉木役なのは分かったけど、香川照之は大杉ですか。香川さんはなんとなく悪徳官僚のイメージなんだけどな(笑)
    新たにシリーズものに手を出してしまったからには、もちろん最後まで読み切るつもりです。どんな展開が待っているのか次が楽しみ。

  • 読み応えあり。時系列は要注意だけど、なかなか迫力ある内容でした。特に倉木のキャラは良い。

  • 面白かった!
    この小説が25年も前に書かれたとは思えません。
    テロリスト、警察、公安、やくざ、さらには警察の闇まで迫るスピード感あるサスペンス小説.

    ストーリとしては、新宿で発生した過激派による爆弾事件。公安の倉木警部の妻が巻き添えとなり死亡。爆弾事件の犯人を狙っていたテロリストの新谷は、雇い主から能登半島で崖から海に突き落とされます。しかし、記憶喪失となって戻ってきます。自分自身が何者なのかを探す新谷。自分に妹がいるらしいことから、妹を探し出す一方、再び雇い主からも狙われ、警察からも追われることになります。
    新谷はいったい何者なのか?
    さらに爆弾事件の真相を追う倉木と大杉と美希。
    その事件の背景に潜む警察の闇。
    事件の真相は?
    といった展開です。
    公安が出てくる時点で、警察の闇や権力抗争が楽しめます。

    この本の特徴として、時系列が違っています。なので、「あれ、こいつ死んだはずジャン」
    っていうのが後から出てきたりして違和感があったりして混乱します。
    それが作戦のようですが、それがまた面白い!
    結果、それが、ぐいぐい引き込まれるストーリ展開につながっていきます。

    この調子で「幻の翼」へ!

    お勧め!

  • こちらの推理を軽くいなしてグイグイ読ませる面白さ。 最後の慌ただしい展開は仕方ないにしても、嫁さんの関わり方が「実は昔から工作員だった!」みたいなのを期待していたのに、残念。 でも、シリーズは追っかけるつもり。

  • 刑事物のサスペンスではかなり出色ではないでしょうか。違和感を所々残しつつ、その伏線を回収していくことで先への興味をそそるストーリー。エピソードが同じ時間軸ではなく、処どころ遡及していながらもすんなり納得出来る展開。そしてラストのどんでん返し。途中で挟まれるバイオレンス描写や恋愛感情にドキドキする。そして倉木、大杉等の度胸と頭脳が冴え渡りかっこよく、魅力的です。
    百舌シリーズとして続編があるので読んでみたい。ラストの状況からどう復活を遂げるのか興味をそそるし、倉木、大杉、美希、津山が再び活躍してほしいし。
    随分前に書かれた物語だけど意外と古さは感じなかった。

著者プロフィール

逢坂剛
一九四三年、東京生まれ。八〇年「暗殺者グラナダに死す」でオール讀物推理小説新人賞を受賞しデビュー。八六年に刊行した『カディスの赤い星』で直木賞、日本推理作家協会賞、日本冒険小説協会大賞をトリプル受賞。二〇一三年に日本ミステリー文学大賞、一五年には『平蔵狩り』で吉川英治文学賞を受賞。「百舌」シリーズや「長谷川平蔵」シリーズなど著作多数。

「2022年 『最果ての決闘者』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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